富士フ、アビガン承認申請 コロナ薬候補、国内3例目
富士フイルム富山化学(東京)は16日、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」について、厚生労働省に承認申請したと発表した。承認されれば新型コロナ治療薬として国内3例目となる。臨床試験(治験)でデータ収集を終え、解析などを進めていた。
今後の審査について田村憲久厚生労働相は閣議後記者会見で「なるべく早くとは認識しているが、有効性と安全性を見ないと承認できないので、しっかり精査する」と述べた。
厚労省関係者によると、政府は当初、審査を3週間で終えて11月に承認する方向で詳細な計画を策定していたが、治験のデータを十分に確認する必要が浮上したため、審査はさらに1カ月ほど延びる可能性がある。
富士フイルム富山化学は治験で、早期に症状を改善する効果を確認した。これまで知られている肝機能低下以外に副作用はなく「安全性上の新たな懸念は認められていない」としていた。アビガンは新型インフルエンザの治療薬としては既に承認されており、効能や用法などを追加申請した。
富士フイルム富山化学は富士フイルムホールディングスのグループ会社。新型コロナ治療薬は「レムデシビル」と「デキサメタゾン」が国内で認められている。