ワクチン公平分配が効果的 先進国囲い込みでリスク増
2022年2月1日 (火)配信共同通信社
経済的に豊かな国と発展途上国などの間で、新型コロナウイルスワクチンを公平に分配して格差をなくすことが世界の感染者や死者の抑制に最も効果的との分析を、香港城市大などのチームが31日付英科学誌に発表した。
先進国を中心とした所得が高い国の供給量のうち、半分程度を途上国など比較的低い国に回すのが有効と指摘。ワクチンを囲い込めば世界の流行は長期化し、新たな変異株が出現するリスクが高まると警告している。
チームは、人口や感染率、死亡率などをワクチン分配の公平性の指標として活用。(1)各国にワクチンが公平に供給される(2)高所得国が80%または90%を確保して残りを途上国などが使う―との状況を想定し、5年間の感染の推移を分析した。
公平な状況下では、1年余りで世界的な流行が収束し、変異株のまん延も抑制されるとの結果になった。一方、高所得国が供給量の大半を確保する不公平な状況下では、流行がいったん収まっても、3年後に途上国を中心に再び感染が広がると推定。さらに、5年間で4種の変異株が出現すると予測した。
高所得国のワクチン供給量のうち46%を回さないと、途上国の死亡率などの大幅低下につながらないとしている。
同誌は論説を発表し「新型コロナの流行は利己的な行動では解決できない」と強調した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます