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「誰もが使える薬ではない」コロナ飲み薬「モルヌピラビル」の課題

2022年01月20日 17時33分47秒 | ウイルス

「誰もが使える薬ではない」コロナ飲み薬「モルヌピラビル」の課題

 2022年1月19日 (水)配信中国新聞
 

 新型コロナウイルス感染症対策の切り札として、広島県でも新たな飲み薬が使われ始めた。厚生労働省がこの感染症で初めて認めた経口の抗ウイルス薬「モルヌピラビル」。重症者を減らす期待が高まるが、誰もが広く使える状況ではない。供給量にも課題があり、注意が必要だ。

 米メルク社が製造・販売。ウイルスの増殖を抑える効果があり、入院や死亡のリスクを3割減らせるとされる。厚生労働省が昨年末に特例承認した。発症5日目までに投与し、1回4カプセルを1日2回、5日間服用する。

 対象者は、61歳以上や肥満の人、慢性腎臓病や糖尿病の患者たちで、医師が必要と判断すれば、患者に同意書を書いてもらって処方する。妊娠中の女性や18歳未満には使えない。添付文書によると下痢や吐き気、頭痛、めまいの副作用が1~5%の割合で出る。カプセルは2センチ余りで、1度に四つ飲むのは高齢者にはしんどいという指摘もある。

 供給量も潤沢ではない。国がメルク社と合意したのは160万人分。2月までに40万人分を調達できる見通しだが、厚労省は安定的な供給が難しいとみる。このため、国が所有し、登録した医療機関などの依頼を受け譲渡する方式をとる。

 県内では13日時点で、病院や診療所の177カ所が登録し、うち53カ所が院内処方できるよう発注した。薬局は175カ所が登録・発注している。1カ所に保管できるのは3人分だけ。追加発注はできるものの、1日何人も使える状況ではなさそうだ。

 広島県医師会の西野繁樹常任理事は「インフルエンザの薬のように誰もが使える薬ではない。医師は、発熱や脱水などの症状に応じた薬でしんどさを取ることでも療養をサポートする」と話す。広島県薬務課は「必要な時には使っていく。だが、これがあるから大丈夫、という思いは持たず感染予防に努めて」と呼び掛ける。

 新型コロナに使う薬剤については、重症化リスクを抑える割合がより高いとされるファイザー社の飲み薬が2月にも実用化される見通しだ。(衣川圭)

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