解除1週間、途切れた支援 「医師の関与検証を」 島根・安来の男児死亡事件
2019年12月9日 (月)配信共同通信社
島根県安来市で小学4年増田陸(ますだ・りく)君(10)が死亡、母親(44)が重体となった事件は、2カ月余りに及んだ陸君の一時保護が解除された1週間後、福祉支援サービスが一時的に途切れた週末を挟んで発覚した。県警は精神的に不安定だった母親が無理心中を図ったとみており、専門家は「母親の状態を理解する医師が対応決定に十分関わったのか」と疑問視する。
2人が自宅アパートで血を流して倒れていると119番があったのは、月曜の2日午前11時40分ごろ。陸君には刺されたような傷があり、死因は外傷による出血性ショックだった。
県中央児童相談所は、母親による育児放棄(ネグレクト)などの虐待通告を市から受け、9月11日から陸君の一時保護を続けていた。児相や関係者によると、母親は以前から精神的な浮き沈みが激しく、治療を受けていたが、父親が8月に入院し通院をやめた。保護決定に激しく動揺したという。
「料理が面倒で登校準備をしてあげられない」と話し「死にたい」「死のうと思う」との言葉も。だが面接を重ねて児相は精神状態が好転したと判断し、家事代行や登校支援などの福祉サービスを手配して11月25日に保護を解除した。母親は解除の条件として「ご飯をちゃんと作る」「『死にたい』などと言わない」などとした誓約書を書いた。母親は陸君に頬ずり。2人とも喜んでいる様子だった。
30日までは連日サービスがあり、2人はスタッフらと接触していた。陸君は自宅から学校に通い、母親は児相と頻繁に電話でやりとり。29日には「オムライスを作ってあげた」と報告した。
毎週日曜は唯一サービスがないが「週に1日、2人で過ごせる日」と楽しみにしていた。だが週明け、陸君は学校に姿を見せず異変が発覚した。
NPO法人「児童虐待防止協会」(大阪市)の津崎哲郎(つざき・てつろう)理事長は「精神的に不安定な親は突発的に子どもに危害を加えるリスクがある。母子だけの時間は支援サービスの時間より長く、保護解除は医師の見立てを踏まえて入念に検討すべきだが、そうしたのか疑問が残る」と指摘する。
県は13日から児相など関係機関の対応を検証するため、医師や弁護士らでつくる会議を開く予定で、幹部は「県の情報は全て出す。その中に社会全体で反省すべきことがあるかもしれない」と話す。ただ児相は母親の主治医らとの協議状況を明らかにしておらず、津崎理事長は「すぐ公表すべきだ」と批判している。
2019年12月9日 (月)配信共同通信社
島根県安来市で小学4年増田陸(ますだ・りく)君(10)が死亡、母親(44)が重体となった事件は、2カ月余りに及んだ陸君の一時保護が解除された1週間後、福祉支援サービスが一時的に途切れた週末を挟んで発覚した。県警は精神的に不安定だった母親が無理心中を図ったとみており、専門家は「母親の状態を理解する医師が対応決定に十分関わったのか」と疑問視する。
2人が自宅アパートで血を流して倒れていると119番があったのは、月曜の2日午前11時40分ごろ。陸君には刺されたような傷があり、死因は外傷による出血性ショックだった。
県中央児童相談所は、母親による育児放棄(ネグレクト)などの虐待通告を市から受け、9月11日から陸君の一時保護を続けていた。児相や関係者によると、母親は以前から精神的な浮き沈みが激しく、治療を受けていたが、父親が8月に入院し通院をやめた。保護決定に激しく動揺したという。
「料理が面倒で登校準備をしてあげられない」と話し「死にたい」「死のうと思う」との言葉も。だが面接を重ねて児相は精神状態が好転したと判断し、家事代行や登校支援などの福祉サービスを手配して11月25日に保護を解除した。母親は解除の条件として「ご飯をちゃんと作る」「『死にたい』などと言わない」などとした誓約書を書いた。母親は陸君に頬ずり。2人とも喜んでいる様子だった。
30日までは連日サービスがあり、2人はスタッフらと接触していた。陸君は自宅から学校に通い、母親は児相と頻繁に電話でやりとり。29日には「オムライスを作ってあげた」と報告した。
毎週日曜は唯一サービスがないが「週に1日、2人で過ごせる日」と楽しみにしていた。だが週明け、陸君は学校に姿を見せず異変が発覚した。
NPO法人「児童虐待防止協会」(大阪市)の津崎哲郎(つざき・てつろう)理事長は「精神的に不安定な親は突発的に子どもに危害を加えるリスクがある。母子だけの時間は支援サービスの時間より長く、保護解除は医師の見立てを踏まえて入念に検討すべきだが、そうしたのか疑問が残る」と指摘する。
県は13日から児相など関係機関の対応を検証するため、医師や弁護士らでつくる会議を開く予定で、幹部は「県の情報は全て出す。その中に社会全体で反省すべきことがあるかもしれない」と話す。ただ児相は母親の主治医らとの協議状況を明らかにしておらず、津崎理事長は「すぐ公表すべきだ」と批判している。
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