激痛続き、のたうち回る 軽症でも半年間休職
2021年1月16日、記者(33歳、女性)は新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した。症状は軽いままで、2月には職場復帰した。ただ、復帰初日に倦怠(けんたい)感に悩まされた。徹夜明けのような疲労感と、平熱なのに高熱時のようなほてり。立っているだけでつらく、職場のソファに頻繁に倒れ込む。しばらく休むと消えるため、そのうち治ると思っていた。
しかし、その後も治らない。4月下旬、倦怠感が急激に強くなり、起き上がるのも困難に。再感染を疑ってPCR検査を受けたが陰性だった。上腕などに強い痛みも感じる。痛くて座っていられない。
コロナの後遺症に詳しいヒラハタクリニック(東京)の平畑光一(ひらはた・こういち)医師によると、悪化して筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に移行し、寝たきりになるケースもある。
記者も診察を受け「そのままでは寝たきりになる。絶対安静」と言われ、休職した。仕事を持ち、同クリニックを訪れた1832人(昨年12月18日時点)のうち736人が休職。時短勤務などを含めると、3分の2が仕事に影響がでたという。
それからは毎日ほぼ何もせずに過ごしたが、それでも緩やかに悪化した。グレープフルーツの皮をむくだけで、ドライヤーを持つだけで不調に陥る。ひどい時は体内で何か強い炎症が起きているような不快感が襲い、呼吸もままならない。床でのたうち回りながら、近くにあった家電のコードが目に入った。このまま死んでしまった方が楽かもしれない。そんな衝動は生まれて初めてだった。
さらに、換気扇の音、窓から漏れるかすかな光など、普段なら何も思わないことが気になり、眠れない。刺激過敏はME/CFSの症状でもある。「寝たきりになるのでは」と焦るあまり、母に「私治るよね」と尋ねては泣き、困らせた。
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コロナに感染した記者は後遺症に苦しみ、休職した。治療である程度は改善したが、1年後の今も不調が続く。いつぶり返すかという恐怖感も強い。若年層は感染しても重症化しにくいからと油断しないでほしい。後遺症は若者にも多い。記者の経験から、その深刻さを知ってもらいたい。
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