日々

穏やかな日々を

羊膜、へその緒を「合併症」治療に 兵庫医科大など、骨髄移植患者で臨床研究

2015年02月16日 16時12分32秒 | 
羊膜、へその緒を「合併症」治療に 兵庫医科大など、骨髄移植患者で臨床研究
神戸新聞 2015年2月13日(金) 配信


 兵庫医科大(兵庫県西宮市)などは、骨髄移植などを受けて合併症を起こした患者を対象に、母体で胎児を包んでいた「羊膜」やへその緒にある幹細胞を使って過剰な免疫を抑える臨床研究を始めた。既存治療より効果が高い可能性があり、廃棄物を利用するため提供者の負担が軽い点が特長。このうち羊膜の幹細胞を使った臨床研究は世界初になるという。

 羊膜を使った1例目の治療は今年夏の実施を目指し、幹細胞を凍結保存するなどの準備を進めている。

 対象は、白血病などの治療として血液をつくるもとになる細胞を移植した際、提供者の免疫細胞が患者の体を異物とみなして攻撃する合併症「移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう)」。ステロイドを投与しても効果がない場合には確立した治療法がなく、死亡率も高いことから新薬開発が急がれている。

 健康な妊婦から出産後、羊膜とへその緒の提供を受けて特定の幹細胞を分離、培養し、患者に点滴で投与する。この幹細胞は増殖しやすく、拒絶反応が起きにくいため、患者のタイプを選ばず投与できるという。

 臨床研究の対象は15~80歳の計10人を想定。同大の相馬俊裕臨床准教授と藤盛好啓主任教授は「効果が確認できれば、過剰な免疫が関連する他の病気に幅広く使える可能性も研究していきたい」と話す。

 臨床研究で効果と安全性が確認できれば、羊膜の幹細胞を使う治療は製造販売承認に向けて2018年にも化学メーカーのカネカ(大阪市)などと臨床試験(治験)を共同実施。へその緒の幹細胞を使った治療は兵庫医科大で保険診療と併用できる先進医療の適用を目指す。

 ステロイドが効かない移植片対宿主病に対しては、今回の臨床研究と同種類で骨髄中にある幹細胞を使う治療薬を、芦屋市の医薬品メーカー「JCRファーマ」が厚生労働省に製造販売の承認を申請している。

 【移植片対宿主病】 血液のもとになる幹細胞(造血幹細胞)移植の合併症のうち、最も危険度が高い。年間3千例以上の造血幹細胞移植のうち半数以上で発症。ステロイドが効かない重症型はそのうち1割前後という統計があり、それに沿うと年間150~200例程度の対象患者数と推定される。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« がん社会はどこへ第1部 : ... | トップ | 東日本大震災:福島第1原発... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事