てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

岡山の阿久悠

2007-08-09 22:41:23 | ビジネスと社会
 先日、作詞家阿久悠氏が亡くなられた。5千曲以上を作詞し、戦後の歌謡曲の黄金時代を牽引した方である。享年70歳。ご冥福をお祈りしたい。

 ところで、思い出されるのは現役時代のこと。同業他社の代表同士(発行本社と販売店)が月2回に集まる定例会合があった。メンバーの中でもユニークなのが、●経新聞系統代表のO田さんだった。氏は、今は亡きわが社の幹部I田常務と高校が同級という誼で、わが社には常に友好的であった。会議の席では各紙の論客を相手に丁々発止と渡り合うのだが、わが社に対しては影になり日向になりして、いつでも肩を持ってくれた。

 この会では年に数回、懇親の場があった。この時ばかりは“呉越同舟”となって、県外会合(旅行)、ゴルフコンペや飲み会をやった。件のO田氏は豪放磊落な方で、酒席のカラオケの前口上では、決まって「岡山の阿久悠です」と自己紹介して一堂を沸かす。確かに、いかつい風貌はそっくりで、知らない人が見れば兄弟で通る。年恰好からすれば、阿久悠氏の兄貴分にあたる。

 一方、小生はといえば酒席が大の苦手で、特にカラオケはからきしダメだった。それでも仕事の内と割り切って、十八番が3曲だけあり、これでほぼ15年は乗り切ったと思う。その上に、稀に興が乗るともう3曲ほどある。そのとっておきが、故河島英五氏の歌われた「時代おくれ」(阿久悠作詞・森田公一作曲)である。阿久悠氏の数ある快作の中で、最も好きな詞が「時代おくれ」である。


 ♪時代おくれ♪
一日二杯の酒を飲み
魚は特にこだわらず
マイクが来たなら 微笑んで
十八番(おはこ)を一つ 歌うだけ
妻には涙を見せないで
子供に愚痴をきかせずに
男の嘆きはほろ酔いで
酒場の隅に置いて行く
目立たぬように はしゃがぬように
似合わぬことは 無理をせず
人の心を見つめつづける
時代おくれの男になりたい


不器用だけれど しらけずに
純粋だけど 野暮じゃなく
上手なお酒を飲みながら
一年一度 酔っぱらう
昔の友には やさしくて
変わらぬ友と信じこみ
あれこれ仕事もあるくせに
自分のことは後にする
ねたまぬように あせらぬように
飾った世界に流されず
好きな誰かを思いつづける
時代おくれの男になりたい


目立たぬように はしゃがぬように
似合わぬことは 無理をせず
人の心を見つめつづける
時代おくれの男になりたい
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする