クレムリン内部観光入場ゲートの待ち行列
先月に出かけたロシア6日間の旅はサンクトペテルブルグの宿に3連泊、モスクワで1泊して帰ってくるプチ海外旅行だった割には「書いて置くか」と思うことがあれこれあって、「そろそろ区切らないといけないな...」と想いつつ、ダラダラと旅が終わっても書き連ねています。
時差ボケが気になるような地域への海外旅行では今回の様な短い日程の旅行は「費用対効果が悪い」と感じるので、普通ならもっと長めの旅の方が好みではあります。 だから、9日間のツアーも検討対象にしたんですよ。 でも、そっちの日程は単にモスクワでの滞在が増えるだけ、 僕はモスクワの観光に全然魅力を感じていなかったので、 最終的にサンクトペテルブルグに力点が置かれた6日間のツアーを選んだって事です。 それで、たった一晩(11月21日の夜)泊まっただけのモスクワがどうだったかと言えば 帰国日に訪れたクレムリン内部の武器庫とダイヤモンド庫、 そこなんかは事前に何も調べもせずにツアーに乗って訪れただけですが 「見物させてもらえて本当に良かった!!」、 「ここだけでも見に来る価値が有るぜ!!」と吹聴したくなる展示品の数々でした。
まずは「武器庫」 :
もちろん武具の展示もありますけれど、展示品の主体はロマノフ王朝時代の王族の使用した玉座、王冠、衣服、馬具、馬車、冬の移動手段の橇、食器、聖書、イコン画 等々。 馬具や聖書の表紙の装丁までもが綺羅びやかな宝石で飾られて 「チョット、やり過ぎじゃないか?」と感じつつ見物しましたよ。 一番興味を引いたのは大男だったと言われるピョートル大帝が履いていた長靴、 僕が足を入れたら股までズッポリ入って更に余ってしまいそう、 「複製品で良いから、試し履きさせてくれたら面白いのになー」 でもそんな事したら、 世界中の水虫が合体して強力な奴が現れて、そいつが世界中に蔓延しちゃうかな?
ところで、武器庫見物のためにはクレムリンの壁の内部に入る訳ですが、 我々ツアーの団体も他の見物客同様にクレムリン内部への入場待ち行列に並びました。 その入場ゲートには金属探知の設備もあって、写真の人数の行列で入場までに15分以上の時間を並んで待っていた気がします。 そして武器庫の建物へ入ってからは、ほんの軽い手荷物を除いてクロークに預かってもらいます。 ロシア国内では、こう言った美術館の様な施設の見物の時に、デイパック様の背中に背負うタイプの荷物は嫌われるそうです。 「必ず預けて下さい」とガイドさんに言われました。 更に、武器庫の先に続くダイアモンド庫への入場はカメラの携帯は禁止されているので、 そっちも見学するために、絶対に「カメラもコートと一緒に預ける様に」と念を押されました。
「ダイヤモンド庫」 :
武器庫から続く通路の奥にダイアモンド庫の入場ゲートは有りましたが、ここでは手荷物のX線透視チェックを受けました。 カメラが入っていたら、入場させて貰えなくなるそうです。 (このゲートでは荷物預けは出来ません。)
ここの展示品はダイアモンドをふんだんに使った王冠、首飾り、ブローチ、 ダイアモンドなど、 その真贋を見分ける能力は持っていませんが、 薄暗い室内空間でスポットライトを浴びた展示品の放つ輝きは息を飲む美しさです。 それからコップに盛られたダイアモンドの原石、 自然に産出された大小の金やプラチナのナゲットの数々。 今までに金のナゲットは他でも見たことありますけれど、ここの奴の大きさ、そして初めて見るプラチナのナゲット。 森に住む動物の毛皮だけじゃ無く、こんな産出物があったからヨーロッパ諸国から美術工芸品を買い集める資金があったのか? と納得することしきりでした。
Camel gold nugget 約 9.2kg と Mephist gold nuget 約 20g
小粒のダイアモンドがギッシリ並んだ Roose Brooch
とにかくカメラ撮影出来ませんでしたから、出口の土産売り場で写真の載ったガイド本を購入しましたよ。掲載した写真はその本のページをコピーしたものです。
搭乗手続き窓口でのトラブル :
こんな宝物の見物に満足した、その日の夕方、いよいよ帰国のためにモスクワ・シュレメチヴォ空港に向かいました。 そこでのチョイトしたトラブルも想い出に残ります。 今回のツアーの参加者は夫婦や友達どうしの2人連れが7組と単独参加が3名の都合18名でした。 名前を覚えるのが苦手になりつつある僕は参加者それぞれにあだ名を付けてました。 これから話題にするのは単独参加の「モー娘」ちゃんです。 彼女は大学在学中の学生さんで、TVのモーニング娘ではありません、牛さんのぬいぐるみを小脇に抱えてウロツイテいたから「モー娘」です。 モスクワの南西に位置する丘陵地にはモスクワ大学があり、冬季オリンピックのスタジアム等を前景にしてモスクワ中心部が見渡せる観光スポットですが、 そこに到着して写真を撮っている時に「あたし、ロシアに本当に来たんだ・・・」と独り呟いていた言葉が印象に残る娘さんでした。
その彼女、なんだかモスクワに向かう飛行機の席は通路に面していない席で、お手洗いを随分と苦しい思いで我慢したらしい。 そんな彼女を気遣って帰国便の搭乗手続きの時に添乗員さんは「心配いらない、私に付いていらっしゃい」と声を掛けて、行列に並んでいました。 我がツアーグループの先頭は添乗員さん、2番目にモー娘の順でならんでいました。 行列は徐々に進み、添乗員さんは3つほど左側の空いた受付デスクに向かいました。 つかつか歩み始めたその後ろにモー娘君も付いていくものと思ったのだが... 行列のほぼ正面のデスクからも「空きましたから、こちらへどうぞ!」の身振りのサインを出した。 そこへ彼女は一人で向かって行った。 ツアー参加者にはEチケットの印刷物も渡されていたのだが、添乗員さんから、ここモスクワでは「パスポートだけ出せば手続きOKですから」と言われていたから、モー娘君もキットそうした事でしょう。 搭乗手続きが「長引いているな?」と思う程の時間は経過していなかったのだけれど窓口の女性が発した「ハノイ」 「ハノイ?」の声がやけに大きく聞こえる。 「なんじゃそりゃ?」の思いで聞くと共に「ハノイ便に乗るのか?」と聞かれているのかも知れないなと思いながらもボーっと行列してました。 モー娘君の隣のデスクでは我がグループのカメラ娘が手続きを始めました。 そしてカメラ娘の受付デスクの女性がモー娘君のデスクの担当者に声を掛けています。 「その人、成田へ行くのよ、 こっちの人と同じで」てな話をしたのだろうと推測するのだが、「ハノイ?」の声はそれ以降は発せられる事無く発券手続きは終了してモー娘君も引き上げてきました。 顔が少しひきつっている様です。 グループの人達が心配して声を掛けます。 と言うか「あのハノイ?」は何だったのだろう?の方に興味がある野次馬根性かもしれませんがね。 モー娘君の口から「あいつ何なんだよ? 英語話せないからと言って馬鹿にして!!」の罵り言葉、それと共に目から涙を溢れさせ始めました。 涙まで出したモー娘君を気遣って女性連中は慰めていましたっけ。
僕はと言えば「何で添乗員さんにくっついて窓口に行かなかったのだろうか?」 と思ったり、 受付デスクの係員も日本のパスポートを持った若い女の子に「何でハノイ便(10分違いの出発便)の手続きを進める必要性を感じたのか?」疑問に思ったり、添乗員さんは「Eチケットが有るんだから、それも提示する様に言わないのか?」と思ったり。 まあ、僕の知っている旅の途中のトラブルと言えばこんな些細な事だけで済んだ今回のツアー、 前にも書きましたけれど「楽しかったです」
モスクワ市域の見物や食事のために立ち寄った箇所
ホテル Holiday Inn は近くに何軒も有りますが、僕達が宿泊したこの場所のそれは、新しく快適な宿でした。 部屋代が幾らか知りませんが朝食も満足しました。