昼過ぎに東京から友人がやって来る日の午前中、 自転車屋さんに行って防犯登録をしてもらうことにしました。 その友人は自転車に乗ることに興味を持つ筈ですから、 乗れる準備を整えて置きたかったのです。
安曇野の池田町には一丁目の交差点近くに自転車屋さんがある事はWEBで調べておきました。 住所の判る書類として、町役場から送られて来ていた水道料金の請求書、 それから借家宛に届いた封書の2点と車体番号の書き込まれた紙切れを持ち、車に2台の自転車を車に載せて、 最初はその自転車屋さんに行きました。
池田町の自転車店には大きな看板が掲げられていましたが、 店先には一台も商品らしき自転車がありません。 でも店内のコンクリートのタタキの上には工具が散らかっていて、 自転車屋らしい雰囲気はありました。
ガラス戸を開けて「ご免ください!」と訪いの声を2~3度掛けて店の人が出て来るのを待ちました。 ややあって、 階段から鈍重な足音が降りてくるのが聞こえ、 「なんですか?」「パンクですか?」とご老人が顔を出しました。 「いいえ、修理で無くて、 自転車の防犯登録をお願いしたくて来たのですが」 そう言うと、 「防犯登録は今は出来ない」そんな返事が反ってきました。 それには一瞬戸惑いましたねー。
「今は出来ないって、どういう意味ですか?」と聞き返しましたよ。 そしたら、 「4月頃しかそれはやってない」と言うのです。 どうやら、 この自転車店で防犯登録を行うのは学校の入学時期に新しい自転車を買ってくれる客が防犯登録を行うだけ、 そんな僅かな新車需要が発生する時期にしか防犯登録用のシールは在庫を持っていないのだと言う。
なんだか「県から買わなくちゃならないから・・・」そんな事言ってましたね。 折角「わずか五百円でも池田町の商店でお金を使おう・・・」そんな気持ちもあって出かけて来たのだけれど、 これじゃー 他所の町の店に行くしかありません。
大町市内にある自転車店の場所は知ってました。去年の夏に囲碁仲間の薪運びを手伝った時にその店から「軽トラックを借り出す」、そんな用件で店に行った事が有りましたから。 大町市内の昔からの大通りを駅前から北に向かって行くとあるバイク屋さんです。
大通りに長時間の駐車するのははばかられるから店の横に脇道に入り、 そこで車を止めました。 店内にいたおばさんに用件を伝えると、「お父さん、いま近所に出ているので、 電話で呼びますから待ってくださいね」と言われました。
待つこと暫し。 戻ってきた店主に「廃品回収業者から購入した自転車に防犯登録してもらいたくて来ました」そう告げて、 住所等の書類として件の封書と水道料金の請求書、それから車体番号を記載した買い取りの時に業者さんから受け取った紙切れを提示しました。
大町の自転車屋さんでは「多分手間暇掛けて警察で確認して貰う手間など全く必要としなかっただろうな」そう思えるほど、 えらいあっさりと防犯登録用の書式に必要事項を書き込み、2枚のシールを自転車に貼り付けてくれました。
まあ、書類に住所等の必要事項を書き込んでいる最中に「借家の住所のMさんは昔、ウチのお得意さんだったダヨ」、「もう亡くなっただかね?」、「そうかね、夏の間来て居て、大町で囲碁をしているのかね」、「だったら大新田のサイトウさん知ってるネ、 サイトウさんもお得意さんで・・・」、「それから海ノ口の、 いつも ”金がねえ、家は貧乏だ” が口癖のホシノさん」、「あの親爺も電動自転車を2台も買ってくれたお得意さんでセエ」そんな旧知の仲みたいな話が飛び交う中での自転車の防犯登録作業は進行したのでした。
メデタシ メデタシ (完)
安曇野の池田町には一丁目の交差点近くに自転車屋さんがある事はWEBで調べておきました。 住所の判る書類として、町役場から送られて来ていた水道料金の請求書、 それから借家宛に届いた封書の2点と車体番号の書き込まれた紙切れを持ち、車に2台の自転車を車に載せて、 最初はその自転車屋さんに行きました。
池田町の自転車店には大きな看板が掲げられていましたが、 店先には一台も商品らしき自転車がありません。 でも店内のコンクリートのタタキの上には工具が散らかっていて、 自転車屋らしい雰囲気はありました。
ガラス戸を開けて「ご免ください!」と訪いの声を2~3度掛けて店の人が出て来るのを待ちました。 ややあって、 階段から鈍重な足音が降りてくるのが聞こえ、 「なんですか?」「パンクですか?」とご老人が顔を出しました。 「いいえ、修理で無くて、 自転車の防犯登録をお願いしたくて来たのですが」 そう言うと、 「防犯登録は今は出来ない」そんな返事が反ってきました。 それには一瞬戸惑いましたねー。
「今は出来ないって、どういう意味ですか?」と聞き返しましたよ。 そしたら、 「4月頃しかそれはやってない」と言うのです。 どうやら、 この自転車店で防犯登録を行うのは学校の入学時期に新しい自転車を買ってくれる客が防犯登録を行うだけ、 そんな僅かな新車需要が発生する時期にしか防犯登録用のシールは在庫を持っていないのだと言う。
なんだか「県から買わなくちゃならないから・・・」そんな事言ってましたね。 折角「わずか五百円でも池田町の商店でお金を使おう・・・」そんな気持ちもあって出かけて来たのだけれど、 これじゃー 他所の町の店に行くしかありません。
大町市内にある自転車店の場所は知ってました。去年の夏に囲碁仲間の薪運びを手伝った時にその店から「軽トラックを借り出す」、そんな用件で店に行った事が有りましたから。 大町市内の昔からの大通りを駅前から北に向かって行くとあるバイク屋さんです。
大通りに長時間の駐車するのははばかられるから店の横に脇道に入り、 そこで車を止めました。 店内にいたおばさんに用件を伝えると、「お父さん、いま近所に出ているので、 電話で呼びますから待ってくださいね」と言われました。
待つこと暫し。 戻ってきた店主に「廃品回収業者から購入した自転車に防犯登録してもらいたくて来ました」そう告げて、 住所等の書類として件の封書と水道料金の請求書、それから車体番号を記載した買い取りの時に業者さんから受け取った紙切れを提示しました。
大町の自転車屋さんでは「多分手間暇掛けて警察で確認して貰う手間など全く必要としなかっただろうな」そう思えるほど、 えらいあっさりと防犯登録用の書式に必要事項を書き込み、2枚のシールを自転車に貼り付けてくれました。
まあ、書類に住所等の必要事項を書き込んでいる最中に「借家の住所のMさんは昔、ウチのお得意さんだったダヨ」、「もう亡くなっただかね?」、「そうかね、夏の間来て居て、大町で囲碁をしているのかね」、「だったら大新田のサイトウさん知ってるネ、 サイトウさんもお得意さんで・・・」、「それから海ノ口の、 いつも ”金がねえ、家は貧乏だ” が口癖のホシノさん」、「あの親爺も電動自転車を2台も買ってくれたお得意さんでセエ」そんな旧知の仲みたいな話が飛び交う中での自転車の防犯登録作業は進行したのでした。
メデタシ メデタシ (完)