背景画像をインクジェットプリンタを使用して印刷していることを一週間ほど前に書いた。
その用紙はスリーエムジャパン株
A-one マルチカード インクジェットプリンタ専用
品番 51181
この用紙を大雑把に紹介すると、 透明フィルムの片面に擦りガラス状の微細な凹凸を設けて、 インクの乗りを良くしている。 また、 A4サイズの中に10枚のカードが切り抜けるミシン目が入れてある。
僕はそのカード2枚分の区画をハガキサイズの紙に貼り付けてプリンタに手差し給紙して使用しています。 具体的にはハガキサイズの写真印刷用紙に描画した背景画像を印刷して、 その画像が透明フィルム用紙のミシン目で区切られた範囲に収まる様にセロテープで貼り付け、 最後に透明用紙に対する印刷を行っているのです。
ところで、 透明フィルム印刷用紙の特性ですが、 留意しないとならない点があります。 それはインクを乗せた部分とインクの乗らない部分では光の透過特性に大きな差が生じる事です。
印刷によってインクが乗った部分は用紙の微細な凹凸が埋められて平坦になる結果、 まるでカラーセロファンの如き透明感と光透過特性を持つ様になるのです。 しかし描画で「白」とした部分にはインクが全く乗りません。 その結果擦りガラスの様な特性が残されたままになり、 その部分の透過光は散乱光となるのです。
この状況を具体的に感じて頂くためにTop写真を用意しました。
写真は以下の様にして撮影したものです。
1. パソコンのお絵かきソフトでカラーパターン
#39~#42の4枚を描き、 写真用紙に印刷しました。
2. 背景画像として使用するため、
透明フィルムに印刷しました。
3. その中から#39部分を切り出し、
写真用紙の上方22mmほどの位置に保持しました。
4. さらに右上隅の背景画像の一部と重なる位置に
小さな文字が印刷された新聞記事を切り抜いた物を
置きました。
赤で印刷された背後の「#」はそれと判明出来ますが、 インクの乗っていない部分を通して見えるはずの「42」はぼやけて「#」ほどの明瞭な見え方をしていない事が見てとれます。
同様に新聞紙面のテキストについても同じ事が言えます。 黄色と緑色パターン背後の文字はどことなく見えていますが、 インクの乗らない部分は全く読み取る事は出来ません。 これで透明フィルムの光の散乱の状況をハッキリ理解出来るでしょう。
この背景画像を用いて雪の結晶を撮影する場合、 六角パターンの中央部分に結晶を置く予定ですが、 何も対処しないで背景画像を用いて撮影すると、 カラー印刷した部分の光量と、 雪を置いた中央部の光量に大幅な違いが生じます。 その結果、 主たる撮影対象の雪の結晶部分の露出不足となり暗くなる不具合が生ずるのです。
そこで、 インクが乗らない事で生ずる光量減衰を防ぐ、 その目的達成の為に、薄い灰色を塗り込める。 そんな対策を行って実験中なのです。
さあ、 「そろそろ本物の雪の結晶の撮影に出かけてみたい」 そんな気持ちが強くなってきた。