ヤナバの山荘の在る「ヤナバビレッジ」そこは権現山を頂点とするかってのヤナバスキー場に隣接し、 西に向かって中綱湖方向に面した中腹に広がった別荘地だ。 その一角に「平和観音」なる聖域が設けられているのだが、 それは別荘地内に家を建てた名古屋のお医者さんが私費を投じて設置したと聞いている。 その「平和観音」の案内となるべき標石は大糸線・簗場駅の東に沿って走る国道148号線の脇に建てられているし、 その標石から山腹を登る道はレストラン「クンクン」に向かう道でもあったから年配の人なら知っている居る方も居るだろう。
クンクンを過ぎてなおも高度をあげると左手に宿泊施設「CAMP」の建物が見えて来るが、 その直前のT字路を右に水平道へとハンドルを切ると、 そこにも「平和観音」の標石が設置されている。
その水平道を突き当たりまで進むと狛犬が置かれて居るのが見えるだろう。 そこからは比較的良く手入れされたジグザグの山道を6曲がりも歩けば、 平和観音の建つ地点に到着する。
8月26日の午前中、 ショージ君の山荘から見渡せる水平道にいつになく沢山の車が入り込み、 駐車するのが目に入った。 最初の内はそこに在る一棟貸ししている建物の利用者の車か? と思わないでも無かったが車の台数が多すぎる。 はてさて何事か? と想わないでも無かったが車の内部の改造作業に熱中し続けた。 暫くすると、 山腹の上の方から太鼓や鉦の響きが聞こえて来た。 「これは見物しなくちゃ」とカメラを持って登って行った。
観音像の設置された周りには袈裟をまとった僧侶姿の人々が居並んで居ました。 像を正面にして高位の法衣姿の方が3名立ち、 像の左右には5~6名の袈裟を着用した方々が立ち並んでいました。
参集されて居た方々、 コロナウイルスが蔓延している時期だからでしょうが、 口元には朗々と響く声明を唱える際のツバキの飛沫の直撃を抑制するためと想いますが、スーパー等のレジでも見かける用具を顔に着用されて居ました。
像の周りは花が飾られ、 「大日本仏教会」、「長野県日本仏教会」、「南安曇仏教会」そんな墨書された板も花に添えられていました。 この様な催しが何故この日に行われて居るのか? その理由を聞くこともせずに僕は写真を何枚か撮影しただけで、 来た道をもどりました。 多分もうお亡くなりになっているのだろうと推測しますが、 名古屋のお医者さん、 多額の寄付をなさって第2次世界対戦時の物故者を慰霊する行事を続けて貰う様に手配なさって居たのでしょう。 僧侶の言葉の中にはコロナ禍の収束、 近年頻発する水害被災者への救済を願う言葉も含まれていましが・・・
木立の山道を下る間も声明は続いていました、 Youtubeなどでの声明にはギターの伴奏などを伴うものもありますが、 集団の肉声だけの声明は、 なかなか素敵な音楽に聞こえました。