つり人社の広告が入ってきて,一応気になったので買ってみた。ちょっと高い1980円なのだけど。
結論。『まちがいだらけのバッシング』(村田基著)を一度でも読んだ人にとっては,購入しなくても特段得るものがないかと思う。
いかにも,タイトルからして「ダイワリールの罠(SLPが儲けるというアコギな仕組み)」でも書いてあるのかと思いきや,なんだ,これは普段自分が感じていたり・書いてきたこと,何より,『まちがいだらけのバッシング』そのものじゃないかと感じた。
たとえばラインの話。時代は大きく異なるが,村田さんは「ラインはスレに強いものを選ぼう」というわかりやすいアドバイス。柏瀬さんにそういうアドバイスはなく,構造上の話やIGFA規格の問題だった。
僕はいうまでもなく村田さんの影響を強く受けて(『まちがいだからのバッシング』購入は1989年),いまでもそう感じることが多いから,柏瀬さんの方を「似たような話」に感じるのだろう。
ただ,いまとなっては『まちがいだらけのバッシング』で若干古い部分がある。具体的タックル紹介はありがたいが,みな廃盤なのだ。アプロードFXの驚異的スレ強度に自身驚愕したものだが,いまは売っていない。カモフラGTRもまた然り。
そういう意味では「具体的商品名」に触れていないから「普遍的」内容であるのが柏瀬さんの本。
ただ,僕としては「フロロは構造上,スレ強度の弱さ」もあるが,フロロの比重ゆえ「とくにワームなどを使うと真っ白になる」理由を書いてほしかった。
僕は知っている。ズバリ「ワームをドリフトをさせるとラインも一緒に底に擦れる,ゆえに白くなる」。だから,頻繁にライン先端2~3mは切らないとアタリが出にくくなる,ということだ。これが,自分の体験で得た事実だ。
柏瀬さんと僕はどうやら同学年。ということは,強烈に村田さんの影響を「よくも・わるくも」受けたはず。
僕は,「村田さんは口がたしかに巧く怪しくも感じるけど,嘘は言っていない。とくにラインに関しては」と実感している。
まあ,1990年代初頭関西方面のバスプロ達(下野さん・藤木さんなど)は「あんなの,インチキやで」とか言っていたが(実際にガイドでもお客の僕に言われたことがある),「キャッツ・アイ」というワームの「眼」を発売したのは凄かった。今江克隆プロだって,『ザ・シークレット』で「キャッツアイという眼を入れたリグ」で,河口湖のターンオーバーを釣っていたのだゾ
もう一つ言わないといけないことがある。つり人社(釣り業界出版社)の若い編集達では「歴史」が浅く,校閲ができない。ましてや,「編集」せずに原稿垂れ流しの可能性が非常に高いということ。
以前にも書いたが,つり人社でさえこの有り様(『Pride of STEEZ』)だから,校閲ならそれこそ外注で自分がやりたいぐらいだ。最新の話題はよくわからないが,2005年ぐらいまでのことならかなり暗記しているし,確認するための原典も持っているからね。