何度も読み返している。
自身,やはり数学が好きなのだ。感情や観念がなく,理論で構成された「美しい世界」だと学生時代から感じてきた。歴史学はやはりいつまで経っても解釈学。解釈するのは勝手だが,解釈次第で政治にまで影響するから「学問」としては選ばなかったのだ。
『数学ゴールデン』はいま出ている5巻目まで購入して,すでに5回ぐらい読み返した。
すると,自然に「自分の言葉」にもなったものがある。
バイアスブレイク。これは仕事術でしばしば使われる。
新規事業が始まる度に「ああだこうだ」と先入観で語ってしまう自分も居た。もっと厄介なのは,そうした「変化」を「向かい風」とばかりに捉えること。もしくはその空気。
本作の主人公が言う「向かい風だって,捉え方では上昇気流だ」と。その通りだ
釣りに行くと「北風向かい風」で本当につらいときもある一方,爆釣したのはむしろそうした「他人がやりにくい環境」だった。要するに「風向き」も自分の捉え方次第。
バイアスは先入観だから,釣りでいえば「実績」を捨て去る勇気が必要。そうなんだ 自分はそれが楽しくて釣りをしているんだ。それも船長に案内されるのでなく「自分で見つける」ことが楽しいから,やはりルアーでありバスなのだ
とにかく熱量がすごい。
本作は,21世紀マンガにしては強烈なエネルギー。
「異世界転生もの」マンガは究極の夢オチであり,創作マンガとして認めないが,僕はこうした「熱い思い/言葉」が「生きている」のは大好きだ。
「生きた言葉」の反対に「机上の空論」がある。政治家が語る「努力する/検討する/精査中」などなどだ。田中角栄が絶賛されたのは,やはり言葉が生きていたからだろう。
豪雪地帯に生まれ育ち,東京との経済格差を思い知らされた田中角栄,そして矢口高雄。みな言葉が飾り物ではない。
そういえば,こうした高校生を主人公にするマンガでは『とめはねっつ!』もイイ。そんなわけで,蔵書処分に困っているのである。