ゆっくり一人歩き

いわゆる良い物ってどんなものだろう?考えるより、国宝を見るのが早いでしょう!国宝をゆっくり自分の目で見て廻ろう!

醍醐寺 五重塔

2006-05-10 22:49:29 | 国宝の建築
醍醐寺五重塔です。
平安時代の建築という古いものですが、大きさもあり、なかなかのものです。中に入れませんが、内部の曼荼羅も国宝です。下醍醐ではこの五重塔だけが、応仁の乱でも残ったそうです。


ここまではいつもの私の寺院拝観のペースだったんです。それが・・・

私が醍醐寺に着いたのは3時過ぎ(前回の失敗で入山が3時半までと知っていたので・・・)でした。拝観受付に行くと、なんと!醍醐寺では全部見るのに三宝院、醍醐寺、霊宝館の3か所分の拝観券が必要なのです。なんでそんなことをするのかなぁと不思議に思いつつも、当然のように3か所分の拝観券を買いました。そこで上醍醐まで行くのにどの位かかりますか?と聞くと、弁天堂から45分くらいで、三宝院から霊宝館そして醍醐寺金堂、五重塔の順番で見てから登っていくといいですよ!とわざわざ拝観順路まで教えてくれたのです。それなのに罰当たりな私は普通の人が45分なら、俺なら30分もあれば登れるだろうと20年前の体力を思い浮かべてしまい、仏教美術の宝庫である霊宝館は帰りにゆっくり見ることにして、三宝院の後、醍醐寺の金堂、五重塔に行くことにしました。

金堂、五重塔を見たあと、登って行くと左手に弁天堂が見えてきました。さらに進むと動物園なんかにある鉄の回転扉があり、そこから出れるようになっています。なるほど、ここから45分なんだなぁと思いながら扉を抜けて道を渡ると女人堂(成身院)がありました。ここが上醍醐への登山口です。ヘビースモーカーの私はここから先は禁煙だろうと思い一服してから行く事にしました。ベンチに座りながら周りを見ると、杖が箱に何本も入っている事に気付きました。ははぁ、お年寄りが登るのに使うんだなぁ、俺には邪魔になるだけだと余裕たっぷりに見ていました。さすがにこの時間になるとこれから登る人より、降りて来る人のほうがずっと多いようです。それもさすがにゴールデンウィークなので老若男女、ひとりの人からグループらしい人までいろんな人がいました。

そんな降りて来る人たちに、こんにちは!と挨拶したり、遅い老夫婦を抜かしたりしながら登っていきました。思えばこの時すでに私はオーバーペースで試練の入り口にいたのです。だんだん息が荒くなり、すれ違う人に挨拶もしなくなってきました。そのうち足も重くなってきました。あれ?もしかしてやばいかも・・・と思った時には登るペースががっくりと堕ちていました。

途中、秀吉の花見跡なんかがあっても、秀吉は自分で登ったんじゃなくて、どうせ籠かなんかに乗って来たのに違いない、いや、もしかすると秀吉も元は足軽だから体力はあったかもしれないなどと馬鹿なことしか想像出来なくなってきました。

それでもなんとか登っていくと休憩所のような所に着きました。もうこのころには日頃の不摂生を反省し、30分で登るとか、杖なんかいらないとか考えてしまった事を後悔するばかりでした。しかもこの場所はまだ半分の所だそうです。

湧き水で渇きを潤した後、こうなったら意地でも登ると決意を新たに出発です。

ここから休憩所で一緒だった老夫婦と親子連れとのデッドヒートが始まりました。私を含めたこの三組は一気に登る体力は無さそうで、こっちが休むとむこうが抜き、むこうが休むとこっちが追い抜くといった感じです。ただ他の人は一気に抜き去っていきましたが・・・死力を尽くしたデッドヒートは続きました。道で蜂が飛んできても逃げません!というか逃げれません!タオルではたくのが精一杯の抵抗です。

やがて登り切ったと思われる場所で親子連れが休憩に入りました。私は二番手で負けてしまったと思いながら親子連れの横を過ぎるとなんとそこはまだゴールでは無かったのです。ゴールは私が心の中で勝手に決めた頂上にある開山堂です!そこから一気に開山堂に辿り着いた私は勝利の美酒ならぬ自販機で買ったジュースを味わいました。

この時、登り始めから一時間近く経過していたことは内緒です・・・

ここにきて初めて、なんで拝観券が3か所に別れていたのか、入山が3時半までなのかがやっとわかりました。広すぎるんです!

まぁ、私のようなヘビースモーカーで酒好きで車ばっかりの運動不足人間でも登れることが出来て、身も心も洗われました。皆さんも一度登ってみてください。ちなみに上醍醐だけなら拝観券は必要無さそうです。

というわけで、霊宝館の宝物は見れませんでしたが、なんとか上醍醐には辿り着きましたので、次からは上醍醐の国宝建築です。
コメント (2)
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