水中の部がやたら大きい越前王様。
前回の換羽終了個体、よーく見ると、クチバシ付け根に何本か、古い羽がしょぼしょぼと残っています。かわいい。こういうのを見つけるのが換羽期のお楽しみ。
そして、クチバシのピンク部分(嘴片)をご覧ください。スッキリしませんね。通常は換羽と同時に1枚剥がれ落ちて更新されるのですが、まだみたいです。先端付近のみ割れ落ちたのでしょう、新しい嘴片が見えています。
落ちた嘴片は、見たところ人の爪に似た質感です。キングを飼育している園館で資料展示されているところもありますので、「これが『あれ』なのか」と見比べてみてください。
春はキングペンギンの換羽シーズンです。ペンギンは年に1度全身の羽が生え替わります。今どきは各地でモサモサボロボロの換羽中キングが見られるはず。もちろん、換羽済み、これから、という個体も。
そこで見分け方。写真の矢印の先をご覧ください。モデルは越前松島水族館キング。
奧の個体は黒くて長い尾羽がすり切れ、抜けちゃってます。換羽前。
手前の個体はきれいな尾羽が生えそろっています。換羽終了直後。
越前松島水族館のキング一家、つづいてます。窓際に並んだヒナ、お父さん、お母さん。
お母さんは時々ヒナの様子を見に帰るという感じで、ヒナの世話をする姿は見られませんでした。
そしてついに、相方から「近寄らんといて!」と追い払われるシーンも。お父さんがヒナの身体にそえたフリッパー、いかにも「ワシのヒナや」という感じに見えます。
年末頃には、お母さんが「子供を連れて出て行かせてもらいます!」とばかりに、口喧嘩の末ヒナを連れて移動しちゃったのも見ましたが。
野生個体ではメスの方が先に子育てを切り上げると読んだことがあります。
「ちょっと待ちや」お父さん、ヒナに食べさせる体勢を整えています。ヒナちゃん、期待の表情でクチバシに注目。
こんなふうに食べさせてもらいます。吐き戻して口移しで。互いのクチバシを直角に組み合わせて、ちゃんと受け渡しできるよう、また野生の場合は飛んでくる鳥に横取りされないようにしています。
1回分終わると、親子そろって上を向き、クイックイッと首を伸び縮みさせます。喉に残っている食べ物を胃に落としているかのような動作です。
食べさせるのは、ヒナが孵化まもなくの頃は流動食、ヒナが大きくなるにしたがってかたまりっぽくなり、時にはさっき飼育員さんにもらったサカナほぼそのまま、吐き戻していることも。