前回繰り広げられていた三角関係の図は、結果こうなりました。最初の2羽が残り、略奪愛の目論見がはずれた1羽は去りました。思う存分いちゃつく2羽でございました。でも、このあと換羽期を過ぎて婚活シーズン本番に入っても相手が変わらないという保証はありません。どうなるか、毎年楽しみです。(つづきます)
海遊館のキング、左の2羽がいちゃついているところ、右のキングはじっと待っています。これは婚活シーズンによく見られる三角関係の図。真ん中の個体を左右の個体が奪い合っているのですが。
どうもこの3羽は、もともと仲のいい2羽のところにもう1羽が略奪愛を仕掛けている感じです。
ただし、本番はこのシーンの2ヶ月くらい先になりますから、遊んでいるのかもしれません。
争奪戦の的になっている1羽が高らかに自己アピール。両側の2羽は時々クチバシをくり出して牽制し合っています。こういう状態が続いて、最後に真ん中個体がどちらか選んで決着するのが通常コースのようです。
性別は、いろいろです。この場合、真ん中の性別はわかりませんが、左はメス、右はオスです。同性ペアは珍しくありません。
仲良く過ごす海遊館のキング2羽。ちょうどいい感じで首伸ばしのモデルになっています。鳥は首の骨を大なり小なりS字状に曲げていますが、ペンギンの場合は曲げているのが外から見てわかりにくいです。なので伸ばすと不思議な感じが。
板に貼り付いてしまった野菜を食べようと頑張るカメさん、なかなかうまくいきません。お口の形が、こういう食べ方には向いていないのでしょう。後ろでは、盛り上げてあった葉っぱを頬張りながら、仲間が移動しています。たぶん、ケヅメリクガメ?
登別マリンパークニクスの陸族館にはカメやヘビなど、暖かいところに棲む生き物がいます。カメってわりと好きですし、冬の長時間ペンギン観察ではちょっとした避難所としてありがたい存在です。
キングの首は、よく伸びてよく曲がります。どの種でも同じことができるんですが、キングがやると目立ちます。越前松島水族館で見たこの曲がり方はすごいと思いましたが、
のんほいパークのキングはもっと複雑な曲げ方。いったん後ろに曲げてサイドから前に出し、アゴと首をピッタリとつけてすりすりしていました。
クチバシを開けたので、口の中がよく見えます。上あごにビッシリと並ぶ突起がすごいですね。下クチバシの中には舌の突起が白く見えています。
このお口でサカナを頭から丸呑みにすれば、突起が喉の奥に向かって生えているので、スムーズに入っていくわけです。
ペンギンも鳥ですから、歯はありません。モデルはのんほいパークのフンボルト。
のんほいパークには屋外にフンボルトプールもあります。さて、フンボルトのクチバシをよく見ると、上の先端は鋭い鉤(かぎ)状で、下の先端はそれを受ける凹型になっています。
噛む力も強くて、飼育員さんのゴム長靴を攻撃して穴を開けてしまうほどだそうです。グサッと刺すのではなくて、クチバシ先端で噛みつき首をひねりながら引っ張るという感じ。仲間同士のケンカで流血の惨事が起こることも。
ペンギンに手や顔や物を近づけるなどすると、驚いて噛みつくかもしれません。一定の距離をおいて、静かに観察いたしましょう。
のんほいパークのキングがお気に入りエリアにしているあたりの壁に、縦長の穴があります。ちょうど立っているキングの後ろと、左にもう1つあるのです。いったい何? 人が出入りするには狭くて無理…と思っていましたが。
繁殖シーズンに見たら、入ってました。左の穴に抱卵個体がおさまっています。これなら、相方が入口さえ警護すればOK。邪魔をされにくくなります。この時は、相方は休憩に出ていました。
キングは一般に子育て欲が強く、それが昂じて他ペアの卵を奪おうとして抱卵の妨害をすることがあります。
ジェンツーペンギン、寝ころんでいるところを真後ろから見ると、こうなってました。前回までの2羽はタレてましたが、こちらは整った寝姿。キッチリと足を収めてフリッパーを体側にピタリとつけています。のんほいパークにて。
のんほいパークのジェンツー、前回とは別の個体が同じように寝そべっていました。そして、通りがかり個体を、寝そべったまま威嚇していました。それでも威嚇の効果はあったみたいで、相手はビクッと首を動かし、よけようとしています。
たれペンギンという感じで眠っているのは、のんほいパークのジェンツー。性別を問わず『お嬢様』ふうなジェンツーですが、わりと大胆な寝姿をみせてくれます。
「べつに見てなんかないですけど?」 お顔を隠して目だけ出して?見てない素振りでしっかりと外の人間を観察している女子イルカ、越前松島水族館でした。
水中と陸上とで仲良くごあいさつ、登別マリンパークニクスのジェンツー。
もともとニクスのペンギンプールは観客側がアクリルだけでした。でもジェツーがやって来た時に、アクリルのてっぺんに写真のようなワイヤーとネットが追加されたのです。ジェンツーは水中からかなり高く飛び上がることができますから、アクリルの壁を飛び越えて外に落ちる危険を避けるためでしょう。
名古屋東山動植物園の旧ペンギンプール、なつかしい写真です。ペンギン島につながる橋の上で、フンボルトの若鳥が飼育員さんに食べさせてもらってます。他のペンギンは遠巻きにしていたり、サカナを投げてもらうのを水の中で待機中。キングのフリッパーが、ちょっとだけ写っています。
旭山動物園のペンギン室、一番奥までブラブラと視察にお出ましのキング。よく見ると、隅っこでフンボルトがメイワクそうな顔をしています。ペアでおくつろぎ中のところだったのでしょう。