「これでお顔すべすべになるのよ。」
名古屋港のジェンツー嬢様、お顔の先の方から旧羽が落ちてきてます。
押し出された旧羽が盛り上がっていて、ぶ厚いパックでもしているみたいな感じに見えます。
おでこのあたりが白いのは、旧羽の層の断面です。全身、こんな厚みで膨らんでいるのですね。
そして、断面が白いということは、ジェンツーの黒い頭と顔の羽、外から見える部分だけ黒いということ。
背中の方の羽も、よく見ると同じように体表だけ、つまり羽の先端だけ、黒いことがわかります。
なお、名古屋港水族館では、冬季限定でジェンツーの「よちよちウォーク」というイベントがあります。パレードに加えて、館内の広場に信州から運ばれた雪山を作り、ジェンツーを放し飼い!(囲いあり)
次回のチャンスにはぜひどうぞ。
「あ~、抜けると寒いな~。」
2月の中旬、旭山のキングは換羽終盤。気の早いことです。
通常のスケジュールでは春、婚活シーズンの前なんですけどね。
ペンギンの換羽は年に1度。古くなった羽を押し出すように、新しい羽が伸びてきます。
旧羽の抜け方は、個体それぞれ。足やクチバシでかきやすい部分は早く抜ける傾向があります。
このキング様は、マフラーにカイロを包んで首に巻き付けている!ふうな感じに最後の部分が残っています。
「ワシらの秘密てか? 見て驚けよ~。」
「どや!」
ずんぐりのアデリーペンギンですが、伸ばすとやっぱりお首が長い。
そして、なんと、のどにはクッキリとハート模様(の上半分)が。首を縮めているときには、こんな模様には見えません。
モデルは、ずんぐりがAWS、伸ばし首が海遊館です。
「うふふ、ワタクシのひみつ、ですって? それは秘密ですのよ。」
名古屋港ジェンツー嬢(性別不明)、お顔だけ換羽終了の図。
ジェンツーの足とクチバシは黄色ですが。
足の裏は、黒いです。イワトビと違って、「足首」の後ろに黒丸模様がワンポイントで入っています。おしゃれですね。
これがミナミイワトビペンギンのおしりだ!
背中からシッポにかけて黒いのはおなじみのファッションですが、左右に各1本の黒線は、ご存じでしたか?
なんだか、背中に黒いカバーを掛けて、ヒモで足首に結んであるような模様で、愉快です。
このイワトビは男子です。ただ今、よその巣の石を物色中。
衝撃の真実! イワトビの足裏は黒かった!
ヨゴレではありませんよ、色が黒いのです。だからといって、カワイクナイというわけではありませんけど。
若造だからって、クチバシはキイロくない。どっちかというと、黒い。
モデルは海遊館若王様のジュニア(勝手に命名)、2011年生まれ。幼綿羽を脱いでまもない頃、2012年6月の写真です。
ほかにも、キングの亜成鳥は、黄色部分の色が薄いし、白と灰色の部分を分ける黒線が細い。
それと、頭頂の黒い羽が、かなり黄色っぽく見える。まるで金のパウダーをかけたようですが、見方によっては「生え方がうすく」見えちゃいます。
さらに、目の色も少し薄いです。この写真では見えませんが。
同じくジュニア、3ヶ月経って9月のお姿。
下クチバシにピンク色が出てきました。まだちょっとくすんだ色合いですが。(この部分、嘴片(しへん)というそうです。)
頭の上は、まだ黄色がハッキリ見えますね。
もちろん個体差も大きくて、亜成鳥姿になったらいきなりピンクっぽいクチバシという例もあります。
成鳥でも、換羽直後や光の当たり具合で、頭のてっぺんが黄色く輝いていることも。
「余の首の自在なること、目に見るがよいぞ。」
海遊館のキング若様(勝手に命名)、首を見事に伸ばして曲げています。
キングの首が実は長くてかなり自由に曲がるということは、これまでにもネタにしてきました。
今回は、ちょっと違います。側頭部の勾玉型斑紋についてです。
イヤーパッチとも呼ばれる耳当てみたいな黄色い部分は、胸のオレンジイエローと完璧なコーディネートを見せております。
ややもすると耳から胸まで黄色がつながっているように見えますが、じつは。ご覧の通り、区切り線が入っております。
ノドからハラの両側線へ、黒線が1本つながっていて、マジックで引いたような細い線が、オレンジ黄色エリアを区切っているのです。
ここが、エンペラーの模様との大きな違いですね。エンペラーは区切りがない、というよりもイヤーパッチがもともと閉じてないデザインです。
2種は同属ですからいわばご親戚ですが、似ているようでずいぶん違います。見比べてみましょう。モデルのエンペラーは、名古屋港水族館の仲良し2羽です。
王様は腹黒いらしい。
「はらぐろい」ではなくて、「ハラくろい」と読みます。
キングご自慢の真っ白なハラ。でも地肌は黒いらしいのが、隙間から見えてます。
クチバシでお手入れしている隙間部分は、抱卵斑。地肌が露出しています。抱卵期間中はもっと目立ちます。
卵を足の上に置いて、露出したお肌を卵にフィットさせつつ、たるませたハラの皮をかぶせます。
ペンギンの羽は断熱性が高いので、羽の上からでは親の体温が卵にうまく伝わりません。それで、羽の生えてない部分が役に立つのです。
エンペラーも、地肌は黒いようです。ヒナちゃんの羽は淡いグレーですが、よく見ると黒いフケがついてたりします。フケの素は皮膚ですから、色黒ってことですね。
なにこれ~?どうも美しくないっぽい塊が2コ・・・。
なんて皇帝様親子に対して無礼なことを思ってしまいそうな写真ですが。
実はちょっと画期的。2013年10月生まれのエンペラーヒナ、初めての実親による子育て中なのです。
展示室の一角に設けたアクリル板の間仕切り内で、親子3羽水入らずで過ごしていました。
AWSでは、その前年に生まれたヒナから、同じ試みに挑戦しました。ですが、親による給餌が見られず、断念したそうです。
ですから、この時の案内看板には「初めて親鳥が子育てを行っております」と書いてありました。
写真のヒナで8例目。さて、今年もまた小皇帝様が誕生するでしょうか?
よ~くたれてます。
これまでの2羽とは別のヒナです。AWSでエンペラーのヒナが生まれると、必ず見に行きます。生まれなくても行きますけど。
ペンギンの数と展示場所の多さで、まさに日本のペンギン聖地だと思います。
ヒナちゃんを動画でご覧になりたい方は、右側のブックマークにある「ペンギン・プレイス動画館」でどうぞ。このヒナちゃんは、動画リストの57から60です。
もしもし、大丈夫ですか?
エンペラーひなちゃん、これはちょっと心配?な寝相。前回とは別のヒナです。
外からは見えないけど、ペンギンの首は実は長くて、かなりフレキシブル。ヒナの首がこんなにガックリと折れ曲がっていても、まったく問題ありません。
それよりも、ちょこっと突き出したキュートなシッポをご覧ください。シッポの羽は、かなり早くからオトナと同じ防水性のある羽になります。
フンがついても落ちやすい。南極では、液体物は凍り付きますから、ほわほわ幼綿羽だと困るのですね。
「おねむでちゅ~。」
保冷剤のベッドにきっちりとおさまっています。エンペラーヒナ。
タオルの赤いのは、フンに含まれるオキアミの色素ですからね。血ではありませんよ。(念押し)
「くーくー。」 頭側から見ると、こんな感じ。
水槽の掃除後、タオルは回収されています。やっぱりちゃんと保冷剤の上にのっています。
ちっちゃなフリッパーに、もこもこ大きなお尻。たまりません~。
エンペラーヒナを見られるのは、日本ではここアドベンチャーワールド白浜だけ。しかも生まれた時限定(と~ぜんだ)。
そして、世界ではもう1ヶ所、アメリカのカリフォルニアはサンディエゴにあるシーワールド・サンディエゴでも繁殖しています。でも、こんなに近くで見られるのかどうかは存じません。
天然モノはかなりムリ。
そんなありがた~いお姿なのに、多くの人は「あ、ペンギンのあかちゃんや。かわいいな~」とのセリフを残し、秒速でスルーしてしまいます。
もったいないことでございます。
「あ~っ、エライこっちゃ! どないしたんやろあのヒナ!」
と心配になる、お騒がせ爆睡ポーズのジェンツーひなちゃん。
画面右上隅に親のお尻とフリッパーが写っています。ちゃんと親の目の届くところで寝てはいるんですが。
寝相に加えて、巣の外だし、石ころが転がっているし、事故めいた見た目100パーセント。
ジェンツーのヒナも、親に劣らずおしゃれに決めています。チャコールグレーにフリッパー周囲の白ラインが、ファッショナブル。
でも、さすがジェンツーのコドモかも。寝相が悪いことがわりとあります。