しばらくお休みいたします。次回は5月2日の予定でございます。
その後。仕事熱心なキュウ君、ガラス際に立って実習してました。
「いらっしゃいませ。」
(礼、は言わんでもええねんな。)
今では立派な営業部員となったキュウ君。今後ますますの活躍が期待されます。
「ええか、営業の基本はあいさつや。」 「はい。」
左にいる小柄キングは、キュウ君。転入して2年くらい経って、新しい環境にすっかり馴染んだ頃です。
大先輩ヨン君に何やら指導を受けているような?光景。
「いらっしゃいませ。」 「いらっしゃいませ。」 「礼!」 「礼!」 「『礼』は言わんでもええがな。」
「頭もうちょっと深う下げてみ。」 「はい。」
「いらっしゃいませ。」「いらっしゃいませ。」 「よっしゃ。」「よっしゃ。」 「言わんでもええて。」
ベタな新人研修コントに見えてしまう、越前松島水族館キング君たちでした。
「な、何なん?」
2羽に御挨拶したのに、無視されたジェンツーの青嬢。しかも、このあと
口喧嘩になってしまいました。
御挨拶とは首の角度が違います。
「べつにええねん。はいこんにちは。」 鏡を相手に御挨拶する姿は、やっぱりわびしげでした。
「女子もタイヘンやな」と、キングのキュウ君は思っている、ように見えるのがペンギンですね。(キュウ君も鏡が好きです。)
越前松島水族館でした。
越前松島水族館のジェンツー3人娘、赤嬢と黄色嬢が仲良し度大なので、
青嬢はぼっちペンギンになっていることがよくあります。「べつにええねん。」
でも、鏡の前で
自分と手をつないでいるふうだと、かなりわびしく見えます。
ペンギンは群で棲む生き物ですが、群の中でもいろいろ関係がありまして。
「あぢ~。」 南知多ビーチランドのフンボルト。フンボルト属の換羽はたいてい暑い時期なので、タイヘンです。
新しい羽が古い羽を押し出すように伸びてきます。2重コートになってしまうわけで。
ですが、こんな時に観察すると、普段は見えにくい物が見えたりします。
こちらは海響館のフンボルト衆。左から2番目の個体、腹に縦1本線が見えます。抱卵嚢です。
嚢といっても袋ではなくて、地肌くっきりの部分。繁殖期にはもっと目立ちますが、換羽期もわかりやすくなります。
抱卵する時、この中にタマゴをフィットさせれば、体温がしっかり伝わります。羽越しでは効率が悪い。
そして、これ。シッポの付け根にある尾脂腺も、見えちゃうことが。普段は羽に埋もれています。
ここから出る脂を嘴につけて、羽に塗って防水効果を高めます。
南知多ビーチランドのフンボルト衆、羽色が違うのはなぜ?
それは、1年着古した羽と、換羽してピカピカの羽との違いです。
1等賞!の高さにいる個体は、着古した羽の見本。
「そろそろでっかな。」
3等賞は、そこから進んで、もうすぐ換羽が始まる状態の見本。ボロボロになってますね。
「今に見ときや。」
2等賞の個体は、換羽終了直後でピカピカ。
「これがホンマのフンボルト色でっせ。」
では、こちらの違いは? 同じフンボルトですが。
御子様がオトナ模様に着替えるところなんです。
寝転んでいる3羽は、御子様模様。トレードマークの1本線がありません。
顔も違うし。
立っている3羽の真ん中は、ただ今着替え中。頭巾みたいに、首から上に抜け落ちそうな羽が残っています。
出来上がると、立っている両側の2羽みたいに、キリッとしたオトナ模様になりますよ。
ペンギン展示なのに、ペンギンはどこ? ということがあります。ペンギンが姿を隠しているのには、彼らなりの事情があるのでございます。しっかり探してみれば。
こんなふうに、換羽中で巣穴にこもっているとか。(巣穴の中は暑いでしょうけど。)
暑いので床下の影に入っているとか。
これなんかも『避暑』ですね。床下は風が通って、ナイス。
以上、海響館の夏でした。
そして、繁殖期にはもちろん巣籠もりいたします。こちらは春の京都市動物園。
こんなときには、営業に出ているのはお一人様個体とペア片方休憩中個体だけになります。ベビーの誕生を祈りつつ、そっと見守ってあげましょう。
ペンギンの形をしたオモチャ、ではありません。ペンギンが遊ぶ用のオモチャです。
これは、下関の海響館ペンギン大水槽に用意されているウキ。ロープはホースに通してあるので、ペンギンにからむことがなく、安全ですね。
熱中するジェンツー、上から垂直にウキをアタック!
ペンギンは水中で「空を飛ぶように泳ぐ」と言われますが、飛ぶ鳥に空中でこんな芸当できる? 私が威張ってもしょーがないんだけど。
充分すぎるくらいリラックスしているジェンツー。爆睡しています。
別の個体ですが、身体リラックスしたまま、通りがかりの個体に顔だけで攻撃。ご休憩中のところをジャマされてご立腹の様子です。
豊橋のんほいパークでした。
首をぐいっと曲げてクチバシを脇の下に収納。キングペンギンがお休み中です。
保温効果があるといわれています。ペンギンは鳥の仲間ですから、他の鳥も同じポーズで眠ります。ただし、腹ばいで。
他の鳥だとこのとき翼を折りたたんでいます。ペンギンもフリッパーをやや曲げている(これ以上曲がらない)のは、彼らが空を飛ぶ鳥だった頃の名残なのかもしれませんね。
足の裏(実は指)を浮かせて、かかと立ち。これも保温のためといわれますが。
こんなふうに何かを使ってつま先をあげて楽をしているキングは、結構よく目にします。
エディンバラ動物園名物、元祖ペンギンパレード。来た!
目の前を駆け抜けるジェンツー団。
疾風のように通り過ぎます。
スペースが狭いので、旭山みたいに追っかけはできません。でも海遊館よりは人垣が薄かったです。
最前列だったのでしゃがんで待っていたら、「ペンギンがつつくとイケナイので立って見てね」とボランティアさんに言われました。『前列の方はしゃがんでください』は日本だけ?かも。
さて、飼育員さんから受け取った大きなサカナ。1、まずは頭をガッシリと。
2、喉に送り込みながら、サカナを水平に。
3、で、サカナが喉に入りやすい角度に整えると同時にクククッと飲み込みます。
3ステップ食事法。周囲の個体の動きと見比べていただくと、めちゃ速いのがおわかりでしょう。ぐずぐずしていると、どろぼーカモメにひったくられる!からですね。
前回と同じくエディンバラ動物園。お食事タイムです。
ほら、餌バケツと飼育員さんの手に群がるジェンツーおよびイワトビの頭上に、えさどろぼーカモメが。
大きなサカナ、節分の恵方巻きみたいにかぶりついてます。
サカナはタラの仲間で、資源的に安定した種類を餌に使っているそうです。
この段階では、カモメに横取りされる心配はありませんが。(つづく)
イギリスはスコットランドのエディンバラ動物園。デンマークからやって来た若キングのレインボー君、なにやら険しい顔つきで一ヶ所をにらんでいますが。
えさどろぼーカモメの若鳥が来ていたのです。
クチバシを突き出して威嚇するレインボー君。「やばいかも」というそぶりのカモメ若鳥。
飛んで逃げちゃいました。レインボー君、残念?それとも追い払って満足?