うなだれてじっと佇む後ろ姿に哀愁が・・・? じつは、降り積もるかき氷のヒンヤリ感を楽しんでいる海遊館のキングペンギンでした。
キングペンギンは誰もかれもみんなそっくりで見分けつかない。ようではありますが、案外違いがあります。
こちらは越前松島水族館のサン君。おじいちゃんペンギンです。(高齢かつ孫あり) 最も目立つのがクチバシ。ゴツゴツとして長く、表面がザラザラした感じになっています。
オスではわりと若い頃からクチバシがこんなふうに大きめになってくる個体をよく見ます。
こちらは越前のキング成鳥で最も若い姫様。亜成鳥を卒業したばかりの2歳半です。クチバシはすらりと伸びてツヤツヤピカピカ。
高齢のオスでもクチバシがスッキリしている個体がいますが、たいていは若いとこんなクチバシ。けっこう違いが出ますので、個体識別の有力手がかりとなります。ただし、クチバシを削って整えたり(人が)することもあります。
「さーあ、今日も元気に行こかー!」
登別マリンパークのキングとジェンツー、雪の積もった広場にお出ましシーンですが。ペンギン、特にキングには、アテレコがよくはまります。
「鳥ですけど、何か?」と全身で言っているような越前松島水族館のゴバン君。確かに水面上に出ている首の角度はカモなんかと同じですが。
フリッパーをきちんと身体にくっつけて浮かんでいるペンギンは見たことがありません。反対に、水にプカプカしている時、カモが翼を身体から離して広げたままにしているのは見たことがありません。やっぱり、鳥でも違いが。
旭山動物園のイワトビをモデルに、ヘアスタイルの変化を見てみましょう。
夏生まれのおへそ君(密かに命名)が過ごす初めての冬は、亜成鳥スタイル。黄色の『マユ』は生えましたが、かんざし状の長い飾り羽はありません。そして何より、頭が丸い。丸刈りです。
冬が終わって、4月。どうです?おへそ君、たくましくなりましたね。頭の黒い羽がツンツン立って、イワトビらしくなってきました。少しだけ、かんざし状の飾り羽も伸びてきたようです。
最初の写真から4年後。キッチリ正面向きのおへそ君、立派なイワトビ男子になっています。頭はしっかりとツンツンだし、かんざし状の飾り羽も見事に伸びています。
亜成鳥の頃からお腹にぽつんと黒い斑点があるので、見分け印にしています。
ちょっと恐い、ウツボみたいな首になっているジェンツー。首が縦横ともにぐーんと伸びています。登別マリンパークニクスのお食事タイム、大きめのサカナが喉を通る瞬間です。
羽の色が冴えないのは、年に一度の換羽を前にした、1年で最も使い古した状態だから。
お知らせ: 次は火曜日です。
雪原に叫び声を上げる怪鳥?! 鋭い目、恐ろしげに尖るクチバシ。これで鳴き声が「ピヨピヨ」ですから、まるで詐欺。
旭山動物園のキングひなちゃん、もこもこ羽毛でしっかり防寒してます。ついでにお口の中、上あごのイガイガがご覧になれるでしょうか。19日に出したジェンツーひなの舌の写真もどうぞ。
こちらはホンモノ。ガラス前に直立不動で観客サービスに努めるエディンバラ動物園のサー・ニルス。わりとコワイ目つき、とうか、目つき悪いかもです。
嘴のピンク色部分は、年に1度剥がれ落ちて新しくなります。ただ今更新中の状態ですので、ケガなどではありません。
台湾の台北動物園、ペンギン舎入り口に置かれたキングペンギンの生態解説オブジェがリアルでコワ楽しい。モルタルに着色したように見えます。
ヒナと向かい合っている個体にご注目ください。ハラに文字が彫り込んであります。『育幼』、つまり育雛。その他、どの個体にも中国語(もちろん)で行動の説明が。
上の段にいるグループ。超絶コワ楽しいのが、左から2体目の親。昆虫形異界生物の頭めいています。
左端は、『喰われまいと必死で逃げる謎生物』みたいなヒナの造形がなんとも。何年か前の写真ですが、このオブジェ今もご健在でしょうか。
エディンバラ動物園のペンギンプール前に立っているペンギン物件1号、キング。リアル志向だけど、なんだか感あり。以下、その仲間たちです。
ジェンツーとイワトビ。イワトビは黄色い飾り羽にチョットチガウ感が漂います。
こちらのジェンツー、足元にある白くて丸っこいものは3個あるから小石、ですかね。産むタマゴは2個までです。どれもリアル系で大きくハズレてはおらず、さほどコワイ感じではなく、大きいという以外のインパクトはなく、評価は『並』。
口を開いたジェンツーペンギン、ヒナのお口を見ると、おや、舌がイガイガですね。親のほうは上クチバシ内部のギザギザが見えています。
ペンギンには歯がありません。鳥ですから。捕らえたサカナは頭のほうから丸呑みします。そのとき、喉の奥に向かってびっしりと出ている口中の突起がお役立ち。ウロコやヒレがひっかかり、サカナが逆戻りしにくくなっているのです。
この舌でペロリとされてみたい!のが私の密かな願望です。
前回のエディンバラ親子ジェンツー写真の部分拡大でした。
巣のフチからずり落ちるような寝相で爆睡するジェンツーの赤ちゃん。お母さんが様子を見ています。もう1羽は片足を後ろにつきだして、これまたぐっすり。
エディンバラ動物園のジェンツー、子育てペアにはこの巣のように屋根付き一戸建てもあります。
「えっ? あ゛ぁーっ!」 慌てて逃れようとする妨害王。踏まれてしまうのか?
大丈夫です。行列はちゃんとそれていきました。王様ペンギンは仲間を踏みつけたりはしません、というよりも、障害物はたいていよけます。
「またんかい。」「なんやねんあんた。」
旭山冬の名物ペンギン雪上散歩で、行列の前にトボガンで飛び出したキングが。急停止した先頭に、後ろがぎゅうぎゅうと詰まっています。先行していた2羽も事態を見守っているふう。
「通れるもんなんら通ってみい。」「ほな通らせてもらお。」 行進再開。続きは次回。