Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

買物推薦リスト(音楽篇)

2006-12-04 | マスメディア批評
この時期恒例のクリスマスプレゼント購入のための書籍・CD・DVD 推薦リストをFAZから見て行く。先ずは音楽制作品。二十六人が各々六分野に本年度公開推薦盤を挙げていく。都合6x26すなわち全156票が2006年度リリースに分配されて推薦される。

各々は、ヘッドフォーン愛好家つまり厳密に聴き取り評価の最も厳しい聴衆向き、感傷派つまり心も体も投げ出す聴衆向き、パイオニア向きつまり新たな領域への好奇心に燃える聴衆向き、考古学者向きつまり学術的に洗い直す聴衆向き、若者向きつまり若い心の柔らかな聴衆向き、根気ある人向きつまり辛抱強い聴衆向きと推薦していく。

E-MUSIK関連では、ヤンソンス指揮のショスタコヴィッチの交響曲全集が最高で五票入っている。そのうち四票が根気ある人向きで一票は感傷派。交響曲は、エマニュエルバッハ全集が良さそうであるがその他ベートーヴェンの全集が一つ、リストのベート-ヴェン編曲全集、九番、そしてマーラーの六番、協会版のベルリンフィルによるユンの交響曲が一票づつと交響曲離れが顕著である。さらに関心が集まらないのは管弦楽曲で、バルトーク、ラフマニノフ、ショスタコーヴィッチが一票づつである。

オペラ作品では、ヴィヴァルディーの「グリセルダ」が四票とショスタコービッチ交響曲全集に続く。カイベルト指揮のバイロイト「指輪」ライヴが考古学と根気で二票、DVDを含めて、ラモーとモーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディーが一つづ挙がる。

ピアノのグルダのカセット録音一票や四重奏と三重奏とバッハのソナタがかろうじて挙げられているが、声楽を使ったクルタークの「カフカ」が次点で四票。同様に、オラトリオ・合唱曲やシューベルトの歌曲は幾つか挙がり、人気は根強い。クルタークの合唱曲全集も興味深い。

注目すべき作曲家として、二票入ったブーレーズのヴァイオリン集、ジャン・ジョネレ、ケージやカーゲルやブクステーデ、ブルクミューラーなどの作品が取り上げられている。ギボンズその他の作品集も声楽であるが、ルネッサンス期の音楽はこれだけに留まっている。

こうして一望すると制作数をも反映しているようで、制作ブームとなった古楽やバロックオペラや落穂拾い的作品なども一段落して、テキストなどがものを云う音楽が推薦される様になって来ている。ショスタコヴィッチ全集も反純音楽と云う意味から、その範疇に入っているのかもしれない。

U-MUSIK分野で目に入るのは、キース・ジャレットやフランク・ザッパ、フィッツ・ジャラルドなどの古典が挙がる一方、話題となったペーター・リヒトのドイツ「さよなら資本主義」やニールダイヤモンドやナナムスクーリが同時に挙げられてかつ、アメリカンハードコアーと称するパンクロックのアンソロジーが推薦されているのが面白い。
コメント (6)
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