Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

緑茶に想う影響する土地

2007-10-17 | 雑感
静岡の緑茶を飲んでいる。五月緑家さんが訪れた折り、面識もないのに空港での購入と搬送をお願いしたものである。それも宇治の老舗のまだ賞味期限の長い商品を特定したのである。

結果、出発空港の関係で、静岡のものを買ってきて頂き、その一部を最近開封して楽しんでいる。静岡の茶所は、新幹線のトンネルからトンネルの間の茶畑を、東海道線から見るぐらいで、あまり知らない。宇治もその辺りを歩いた事もない。しかし、銘を打ってあるものでは圧倒的に宇治のものを良く飲んできた。であるから、静岡の茶も知っているとは言いながら、その違いを今楽しんでいる。

なるほど『色の静岡、香りの宇治、味の狭山』と言うように、特徴があるようだ。その違いは、その厳密な原産地明示の問題を棚上げにしても、やはりミクロ気候によるのではないかと想像できる。想像が膨らむとしたほうが良いであろう。

ワインの場合も同じような気候の影響が大きいが、それに類するような分類は、大まかにその想像力を擽る。

狭山茶は、その味の記憶はあまりないが、北限と言うことで葉が分厚く味が濃いと書いてあると、ドイツワイン好きにはどうしてもアールの酸の強いもしくはモーゼル渓谷の貴腐が生えるまで実らした甘口ワインを思い起こさせる。

宇治の場合は、どうしても霧の多い、山水画のようにまた夏は厳しく寒暖の差が少ない湿り気の多い空気を想像して、その茶の深みとか玉露に代表されるような甘みを想像しがちである。ドイツワインならば、深みといえばラインガウやまた湿気といえばバーデンのカイザーシュテュール周辺の完熟のリースリング、または果実味豊富なプファルツのそれを思い浮かべるかもしれない。

静岡の場合は、何よりも緑っぽい味が特徴のようで、朝晩の寒暖の差が最も大きいような感じもするのである。そして、あの茶畑の斜面や傾斜は印象的である。すると直截なザーレのリースリングや細い渓谷のナーへのそれを思い出す。

そして、ここで気がつくのは、リースリングはお茶と異なり何よりも土壌の性質に味が影響されることであり、赤のピノノワール種と並んで最も土地の影響を受け易い葡萄だと改めて悟るのである。
コメント (6)
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