Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

Vintage:1826,1907,1921,2006

2007-10-14 | 
この9日は、「僕のおじさん」や「プレータイム」で著名な映画監督ジャック・タチの生誕百周年で、その前後幾つかの作品群が放送されていた。残念ながら、観たかった作品も見損なったが、仕方ない。DVDの時代になるとどうしてもアナログヴィデオで録画するのも億劫になる。

ヘーゲル教授の美学講座は益々面白い。この講義集は昨年になって初めて出版されたものであるので、手にした本が初版本で驚いた。教授の突然の死後1835年に、愛弟子ホートが出版した「美学」のような唐突に繰り広げられる弁証法の独善とは大きく異なるようで、ザッハリッヒな例と直線的な論拠がぞくぞくさせる。その変化には、法哲学上の論争の影響から、自己防衛する必要や教育上の配慮などが挙げられている。具体的には、改めて取り上げるが、その「芸術の終焉」は興味深い。

プフィッツナーの演奏会評を改めて読むと、イスラエル前ベルリン大使なども会場に詰め掛けていて、少ない入場者の中で目立っていたようである。リヒャルト・シュトラウス、カール・オルフ、ヴェルナー・エックなどのナチスドイツ人作曲家の作品のように現在もドイツでは演奏禁止とはなって居ない。勿論、そうなれば、立ち上がらなければいけない。しかし、歴史的に殆ど全ての作曲家ロベルト・シューマン、リヒャルト・ヴァーグナーからハンツ・プフィッツナーまで全てアンチ・セミティストであるのが事実である。シュトラウスの歌劇「カプッリッチョ」は戦後十年ほどは上演禁止となっていたようだ。

先日購入のフォン・ブールのヘアゴットザッカーのキャビネット辛口は素晴らしかった。パッパーミント香りは嘗てのミュラーカトワールの若いビュルガーガルテンを思い出させる。ダイデスハイムのこの地所はダイデスハイムの何処の醸造所も作っているので品質の試金石である。今回のもの以上に高級な質のものは知らない。2006年産のゲオルク・モスバッハーのものは素晴らしかったが、これに比べると糖濃度が高過ぎる。バッサーマン・ヨルダンのものも瓶詰め当初は良かったが今はその見る影もない。前者と1ユーロの価格差、後者と同価格である。まだまだ楽しめそうである。
コメント
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