Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

アップ・ダウンされる趣

2007-10-21 | 雑感
本日、日本のCD交換サイトが閉鎖を余儀なくされているとのニュースを見かけた。そして昨日から、先日紹介した無料の楽譜ダウンロードサイトIMSLPが二年の活動を経て閉鎖された。楽譜出版社は、スキャンしたのみでアップロードするその内容に黙っているのが不思議だと思っていた。

全く著作権とは関係のない古い楽曲であっても校訂などのコピーライトに属する権利は生じているものは多い。その話題は二年ほど前にどこかのサイトで議論となったのを覚えて居る。

そのような理由で、「ディアベリの主題による33の変奏曲」を調べようと思っていたが、出鼻を挫かれた。しかし、そのお蔭で、ボンのベートーヴェン・ハウスの手書きスケッチや初版楽譜などを観覧、ダウンロードすることが出来た。

つまり、こうしたものは電子化されているのが通常であって、それを公共的に利用出来るのが、ネット時代の文化なのである。だからこそ、ヴォランティアーで便利なサイトを運営するほうにも一理あるのだ。さらに、まともに校訂などをせずに適当に出版している楽譜もあり、そうしたものこそ良い商売になっている可能性もある。

今回もクレームをつけたのがヴィーンのウニファーサル出版社となると、これから著作権が切れる二十世紀の名曲でやっと儲けられる可能性があるかどうかの所で、支障が出ては堪らない事情は察っせられる。しかしこれらの出版社が、著作権が生きている曲を含めて、まだ充分にネットによる販売が熟していないのも大きな問題なのだろう。そして、一度電子化してしまうと、それはどうしたコピー防止装置がついていても、覆水は戻らない。それは、音楽コピーで既に経験済みである。

惜しまれるのは、IMSLPも出版社と販促で協力出来るような体制にあれば良かったのだが、これが言うは易しなのである。出版業界の方が統一出来るようなビジネスモデルが存在しないことは、その直販のダウンロードへの対応がまちまちなことで知れる。著作権絡みの上演権などの収入が重要な立派な音楽出版社などと、著作権の切れたものを適当に印刷して本屋などで販売している業者が同じ業界に存在しているからである。

今後もベートーヴェンやモーツァルト以外にも名曲の楽譜はサーチすればどこかに見つかるものであるから、利用者も購入とその手間を吟味すれば良い。そのようなことで、昨晩の紅葉狩りの趣はいくらか削がれたが仕方ない。
コメント (2)
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