夜中に観たマラソン中継は想像以上に素晴らしかった。なんといっても、後先知らずのように飛び出すアフリカ人の先頭集団は大変見物であった。
マラソンなどの長丁場を観るのは、もっともつまらないと思われていても、独第二放送がナレーションするようにスリル溢れるレース展開であった。北京のオリンピックは、張芸謀監督の時間空間感覚の欠如した開会式から盆踊り大会風の閉会式まで冗長な中国時間が支配していたようだが、これだけは違った。
それにしても張芸謀の「マスゲームで中共より美味くやる国は北鮮しかない」とする言葉にはどのような意味が含まれているのだろう?中共芸術家の対外に、将来にと向けられた ― なんと立派な時空間! ― アリバイにしか思えない。
世界記録に匹敵する高速の第一集団が何処かで崩壊していく事が判っていた。それを見届ける時空間への予感が、女子マラソンのテンポの上がらない牽制し合う集団の場合とは違って、― 背景となる北京の町並みの真夏を過ぎた陰影にもそれがコントラストを伴って ― 気配として漂っていた。
随分とその歴史の流れが感じられたのである。何よりもあれだけの揺さぶりのなかで生き残り、36キロメートル過ぎで二人のライヴァルの様子を確認してからスパートして走りきったワンジル選手のレース振りは驚異的に映った。
六位に入ったシャフハウゼンのヴィクトール・レェトリン選手は、ゴール直後に殆ど疲れも見せずに、「今回は大気汚染も酷くはなく、流石にあのハイペースには押さえる決断をした」、「温度の割には比較的その湿度から走れた」と笑顔で語っていた。日本での試合で自己記録を伸ばしているように、サンモリッツなどでの高地順応や北海道などでの調整を行なったのだろうか、力強い体格と柔らかな人当たりが印象に残るスイスの逸材だ。
オイロスポーツは、スポンサーであるのかトヨタ九州の事から選手の持つ三種類のトヨタの車種まで詳しく伝え、第二放送ともどもバルセロナ五輪銀メダリスト森下広一監督の下で日本の駅伝出身のマラソンランナーとしての研修を伝えていた。
TV観戦でのマラソンの名勝負は幾つか記憶にあるが、今回のような二時間六分台のレースを目のあたりに見るのは初めてだったので度肝を抜かれた。「鳥の巣」に入る手前、「頑張れ」とワンジル選手に大きな最後の激励をかけていたのは大阪の阪神ファンで有名な道上洋三アナウンサーだろうか?
ネット情報によると、トヨタ社は退職を保留していると言われるが、これだけの時間をTV宣伝させたのであるからこれ以上に下請虐めのように搾り取らず、今や世界中に知れ渡った金メダリストの更なる日本を本居とする活動のために快く送り出してやるべきであろう。
独第二放送は、今回のオリンピックの政治性とそれに屁理屈を繰り返す中共政府を話題としていたが、正直なところアテネで手渡された北京への期待は遥かに大きかった筈だ。一体、IOCはどのように総括するのであろう。
オリンピックとは、少なくとも負ける者が弱く、本当に強いものが勝つと言う単純明快なレースを最終日のマラソンにみて、大変納得して、再びベットへと向った。
参照:
咽喉元を突く鋭い短刀 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-24
鬱陶しいスポーツ観戦 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-23
ほっそりとした背の強さ [ 女 ] / 2008-08-22
品質の悪い靴に涙する [ マスメディア批評 ] / 2008-08-20
夜中に北京の町をみる [ マスメディア批評 ] / 2008-08-18
スポーツを逸脱する卓球 [ 雑感 ] / 2008-08-17
重量挙げに向いてる体質 [ 暦 ] / 2008-08-16
君が代はおろかしく厚顔 [ 雑感 ] / 2008-08-15
青いブルマに魅了される [ 女 ] / 2008-08-14
軽蔑される浅ましい輩 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-13
未来の無い真ん中の帝国 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-09
マラソンなどの長丁場を観るのは、もっともつまらないと思われていても、独第二放送がナレーションするようにスリル溢れるレース展開であった。北京のオリンピックは、張芸謀監督の時間空間感覚の欠如した開会式から盆踊り大会風の閉会式まで冗長な中国時間が支配していたようだが、これだけは違った。
それにしても張芸謀の「マスゲームで中共より美味くやる国は北鮮しかない」とする言葉にはどのような意味が含まれているのだろう?中共芸術家の対外に、将来にと向けられた ― なんと立派な時空間! ― アリバイにしか思えない。
世界記録に匹敵する高速の第一集団が何処かで崩壊していく事が判っていた。それを見届ける時空間への予感が、女子マラソンのテンポの上がらない牽制し合う集団の場合とは違って、― 背景となる北京の町並みの真夏を過ぎた陰影にもそれがコントラストを伴って ― 気配として漂っていた。
随分とその歴史の流れが感じられたのである。何よりもあれだけの揺さぶりのなかで生き残り、36キロメートル過ぎで二人のライヴァルの様子を確認してからスパートして走りきったワンジル選手のレース振りは驚異的に映った。
六位に入ったシャフハウゼンのヴィクトール・レェトリン選手は、ゴール直後に殆ど疲れも見せずに、「今回は大気汚染も酷くはなく、流石にあのハイペースには押さえる決断をした」、「温度の割には比較的その湿度から走れた」と笑顔で語っていた。日本での試合で自己記録を伸ばしているように、サンモリッツなどでの高地順応や北海道などでの調整を行なったのだろうか、力強い体格と柔らかな人当たりが印象に残るスイスの逸材だ。
オイロスポーツは、スポンサーであるのかトヨタ九州の事から選手の持つ三種類のトヨタの車種まで詳しく伝え、第二放送ともどもバルセロナ五輪銀メダリスト森下広一監督の下で日本の駅伝出身のマラソンランナーとしての研修を伝えていた。
TV観戦でのマラソンの名勝負は幾つか記憶にあるが、今回のような二時間六分台のレースを目のあたりに見るのは初めてだったので度肝を抜かれた。「鳥の巣」に入る手前、「頑張れ」とワンジル選手に大きな最後の激励をかけていたのは大阪の阪神ファンで有名な道上洋三アナウンサーだろうか?
ネット情報によると、トヨタ社は退職を保留していると言われるが、これだけの時間をTV宣伝させたのであるからこれ以上に下請虐めのように搾り取らず、今や世界中に知れ渡った金メダリストの更なる日本を本居とする活動のために快く送り出してやるべきであろう。
独第二放送は、今回のオリンピックの政治性とそれに屁理屈を繰り返す中共政府を話題としていたが、正直なところアテネで手渡された北京への期待は遥かに大きかった筈だ。一体、IOCはどのように総括するのであろう。
オリンピックとは、少なくとも負ける者が弱く、本当に強いものが勝つと言う単純明快なレースを最終日のマラソンにみて、大変納得して、再びベットへと向った。
参照:
咽喉元を突く鋭い短刀 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-24
鬱陶しいスポーツ観戦 [ マスメディア批評 ] / 2008-08-23
ほっそりとした背の強さ [ 女 ] / 2008-08-22
品質の悪い靴に涙する [ マスメディア批評 ] / 2008-08-20
夜中に北京の町をみる [ マスメディア批評 ] / 2008-08-18
スポーツを逸脱する卓球 [ 雑感 ] / 2008-08-17
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君が代はおろかしく厚顔 [ 雑感 ] / 2008-08-15
青いブルマに魅了される [ 女 ] / 2008-08-14
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