Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

福島から明日が変ってくる

2011-03-27 | 歴史・時事
朝から東電の誤報?に振り回された。暫らく収まっていた興奮が、今度は再び痙攣に似たものになった。半減期54分のヨード134などとは!完全なカオスである。

そうした興奮状態が福島後初の地方選挙ラインラント・プファルツとバーテン・ヴュルテンベルクでは選挙民を襲った。緑の党の躍進で、後者では第二党となって第三党の社会民主党との連立で自らの初の州大統領を輩出することになりそうである。前者でも第三党としてクルト・ベック首班指名に大きな力を持つようになった。連立構想では我々も反対署名したモーゼルの高速道橋建設反対へと弾みをつけた。連邦政府の事業であるから中立的な姿勢をとっていた州の立場を越えて、緑の党の声を尊重して住民投票で連邦政府のそれを覆す可能性までも選挙速報番組でベック氏が言及したことは象徴的であった。

バーデン・ヴュルデンベルクは、「高度な先進技術国日本においても原発を制御出来なかった」福島問題と、シュツッツガルトの駅前開発反対問題が重なって、緑の党が第二党となり本当の国民政党となった。

自由党は、欧州での急低落傾向の予想通り前者では議席を失い、後者でも僅かな議席しか獲得出来ない。ビューダレ大臣が「選挙向けに原発利用への配慮を訴えただけ」とオフレコが漏れて、更に信用を失った。

前者では、キリスト教民主同盟を代表して元ワイン女王のユリア・クレックナーが好感度を集めて将来へと繋いだ。反面ドイツの経済集積地であるバーデン・ヴュルテンベルクでのその牽引車としての国民政党が野に落ちる事でメルケル政権の政治力に大きな影を落とすことになった。

ZDFで本日東京で平常以上の大きな反原発デモ行進があったことが報じられた。世界は福島から変って来るかも知れない。夏時間が始った。日本との時差は一時間縮まって、七時間とより近づいたのだろうか?今回の選挙の炉心には福島があった。
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共同体に警報が鳴り響くとき

2011-03-27 | アウトドーア・環境
火曜日の音楽会のことはまだ纏めていない。今一つ落ち着かない。週末に地方選挙の投開票が行われるが、原発事故に関して自分のことととしてもう一度考えてみる。最寄の原発はフィリップスブルクの二号機である。ビブリスは二機とも既に停止している筈だ。スパイヤー近郊の1977年操業の第二機はMOX燃料なので、福島の三号機と同じであるが圧力蒸気型で、この点はモラトリウムで停止した1979年操業の沸騰水型の一号機と異なる。型や法式には一長一短があるようだがそれはどちらでも良い。問題は原発と住民の関係でしかない。

毎日そこから出る水蒸気を見て暮している。直線距離で三十キロほどなので丁度今回の避難地域の外輪に当たる。脱原子力が進んでいる西ドイツ国内で五十キロ以内に原発を持たない市民はどれぐらいいるだろうか?州の政策によってあまり作らせなかった州とそうでもない州の差があるぐらいだろうか。基本は住民の多い地域にはどうしても原子力発電所が必要とされた工業国の現状があるだろう。

さて、今回のように放射能漏れの事故が起こったとすれば ― レベル2までの事故は頻繁に起こっており、今年になってからも冷却水の損失など二回も小さな事故は起こっている ―、先ずは町の警報が鳴りひびくことは間違いない。年に何回も演習のそれが鳴り響いているのだからいざその時にならない訳がない。ある程度信用できる。地元の役所から避難指示などもでるかも知れないが、多くの者が緊急避難的に一刻も早く遠くへと向うに違いない。日蝕見学の時に大渋滞を経験したので、その時は車での移動は諦めている。

今回の事故でも分かるようにピカドン式に直接強い放射線を浴びることは先ずはないが、見晴らしが効くので、そのような事態では厚い壁の陰に隠れたり、地下に潜るしかないであろう。しかしなによりも起こり得るのは放射能性の物質が環境に放出されることで風向きや気候配置を見ながら慎重に方向を定めなければいけない。水蒸気が昇るようになってここまで届くには十分な時間がある。恐らく西へ谷を抜けて、山向こうへと進むのが良いように思われる。そこまで来たならば谷を更に進んでフランスへ逃げるか、場合によってはフランクフルトへと足を進めて飛行機で脱出するのである。フランクフルトは平野の北側に当たるので風向きとしては比較的安全だが、ライン河沿いは早く汚染され始めることも考慮しなければいけないだろう。

今回の福島の事故で気候配置や地形的な特徴に留意したが、粗その推測は的中していて、SPEEDIシステムよりも広範囲に渡ったマクロなシュミレーションは勘ピューターが優ったと自負している。おそらくそのコムピュータシステムでも十分に都内の汚染は計算されているのだろうがまだ公表されていない。公表されるときには殆ど首都機能は壊滅状態となっているだろう。

ここで従来あったような計測は全く役に立たない日本の特別事情が明らかになる。なによりも人口が密であることは周知の事実なのあり、容易に避難地域を拡大出来ない点が行政上もしくは人道上の最大の問題である。さらに、地形的に中山帯が多く、全方位の拡散を妨げることから、汚染の集中もおき易くと更なる地域へと汚染が運ばれる特徴は明白である。それはライン平野にも特徴として表れてオデンヴァルトとプフェルツァーヴァルトの間を汚染された大気が流れることになる。太平洋の代わりにフランス側から風が吹けば、シュヴァルツヴァルトを沿って二百キロ先のバーゼルまで汚染されるであろう。しかし、汚染の源は福島に比べれば可愛いものである。ある意味、今回の首都圏の汚染は特別な条件が災いしているのである。同様にフランクフルトも十分に汚染される可能性があり、そうなるとタウナスなどの中級山岳地帯で堰き止められて余計に具合が悪い。

そのように考えるとフランクフルトへ避難命令などなかなか出ないように、もしくは現在の関東平野の状況もそれ程悪いようには考えられるがどうだろうか?フランクフルトに危害が及ぶ前に、ハイデルベルクやカールスルーへ、更に四十万人のマンハイム・ルートヴィヒスハーフェンからバーデンバーデン、ハイルブロンなどの最寄の地域が危ない。それらは共同体独自の調査で退避などの行動ができる筈だ。要するに、自治が自主避難しやすい。フランクフルトやカールスルーへも場合によっては、欧州中央銀行をはじめとする機能や連邦裁判所などの機能を一時的に動かすことも十分に考えられる。要するに日本の首都圏のメガ大都市の場合は共同体の地理的な境界のみがあって連続的に続いていることが判断を難しくするだろう。福島県などの地方においは行政区毎に避難などの地域を設定出来たはずだが、二十三区内において仮に杉並区と中野区を別けても東電のグループ分けのようで意味がないように、多くの地域で自主判断など出来ないであろう。

因みに現在の新宿の低め安定の放射線量を毎時平均0.12マイクロSvとすると一日2.88、年間1051マイクロつまり1.05ミリSvとなる。これはドイツの原発からの平時年間放射線量0.1ミリSv強(法的上限値0.3ミリSv)の約十倍である。ドイツの原発周辺五キロ以内の子供の白血病の発生率が高くなることは証明されているので、この状況が続き都内の子供が ― 近隣県の茨城・千葉・宮城などの一部の子供は既に十分に危険な状態ではないのか? ― さらにレントゲンを浴び飛行機に乗って旅行して、汚れた水や野菜や魚を食すれば小児癌の発生率を確実に押し上げる筈だ。既に都内の子供を中心に医学的な統計資料の収集は始まったと思われる。こうした事実を必死に否定するのが似非学者やマスメディアを含めた十年後のことなどお構い無しの官僚組織なのである。



参照:
Krank durch AKW-Strahlung? (ZDF)
1時間ごとの測定結果 (東京都健康安全研究センター)
地震・事故:福島原発 :東京都新宿区 (原子力資料情報室)
健康・環境被害とは風評なのか? 2011-03-19 | アウトドーア・環境
コメント (3)
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