Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

輪番停電という外出禁止令演習

2011-03-13 | マスメディア批評
日本政府は、海外の日本人や日本国内の外国人に向けて情報を出すと決めたようだ。一体どうした人にそれが役に立つのかは分からないが、先ずはその情報の質に拠るだろう。まさにZDF特派員のヨハネス・ハーノが東京から語るように「IAEA自体が、東電や日本政府の言うことに 拠 れ ば としか発言しない情報の怪しさ」である。さて、様々な情報を考察すると、あくまでもその良質な情報からの個人的見解と断わった上で、既にスリーマイル島の事故の程度は優に超えている、もしくは越えるのは確かであろう。

因みに海水冷却に関しては、元ドイツ原子力監視協会理事長ヴォルフガンク・レネベルクが独第二放送で語るように、ホウ酸をどのように均等に混ぜるのかと発言しているが、準備が必要だったのではなかろうか?

そして、嘘吐きと、まともな人間ならば信じる者はいまいと世界的に有名な寡占企業である ― 自由競争でないということが如何に無残なことか! ― 東京電力が、輪番停電をするとの情報である。もちろんのこと政府との話がそのようについたのである。

実際問題として、なぜ電気を他の地方の寡占企業から高圧電線で貰って来れないのか?、なにも周波数の相違の問題ではなかろうと思うが、大変興味をもっている。なぜならば、先進工業国で高圧電力ネットをもっていない国や地域はない訳で、特にEUなどはエコエネルギーの兼ね合いもあってロシアだけでなく北アフリカから電気を調達してくるネットが当然のことだからである。ドイツの場合は危険な割の合わない原子力発電は出来る限りフランスにお願いしている。

穿った見方をすれば、やはり火曜日・水曜日と風向きも変わり、放射能が関東地域にも雨となって落ちる可能性などから、一種の外出禁止令とパニックを避けるための処置ではないかとも考えられる。しかし、予定された水素爆発はまだ福島第一での三号機ではまだ起こっておらず、暫くは放射能をもった塵が十分に巻き上がり、それが雨で落ちるまでは関東地域の生活者は同じような生活を余儀無くされるのではないかと思われる。

メルトダウンの先行きは、最も上手く捗っても圧力容器が無事に溶解した核燃料を保持することでしかない。もし地震や高圧でスリーマイル島の場合のように圧力容器に皹などが入っていれば十分にそこから放射能を持った溶解した燃料が環境へと広がる。更に、下まで燃料棒全体が空焚きになり加熱された時間が長ければ反応炉自体が破壊される可能性も少なくないだろう。そうなれば放射性物質が空気中に発散される最悪の事態となる。

放射線医療のエドモント・ラングフェルダー教授の見解によると、 ― スリーマイル島では、レントゲン照射ほどの微量の被爆しか計測されなかったにも拘らず十六キロ以内に後に二人の死者がでていることからしても ― 半径二十キロの避難地域は小さ過ぎると、日本の人口密度の高さから避難の遅れることを指摘している。実際に、既に避難した住民が被爆していることからこれは証明された。更にスリーマイル島の開かれた地形と、今回の福島のような裏側に山並みがある地形では、全く放射線の影響が異なる筈である。海側に風が吹く続けるのではない限り、非常に厳しい設置場所のようにも思える。西向きの風に於いてもあの爆発の映像を見れば可也条件が悪いように思われる。

神に祈るか、少しでも放射能を浴びないようにして、ヨードを喉に詰めて、昆布でも食べて、暇があるならば東京から暫く離れるぐらいしか、方法はないのであろうか?放射能は見えない、だから色をつけたらというのが黒沢の映画「夢」であった。


追記:最新情報をみると都内への都内からの出入りを絞るように国鉄と打ち合わせたようである。事実上の戒厳令であろう。



参照:
ZDF heute journal vom 12.3.2011 (ZDF)
放射能から身を守るために
転送願いのメール (つきみそう)
コメント (4)
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