ヨアヒム・ニーダーベルガーが亡くなった。昨日のことである。とは言っても、誰のことか、最初聞いたとき、分らなかった。しかしドイツワインファンなら皆知っているはずである。なぜならば、名門バッサーマン・ヨルダン、フォン・ブール、フォン・ヴィニンゲンの三醸造所のオーナーだからである。享年56歳、癌で闘病の後の死で、一部にしか知られていなかったらしい。各醸造所はてんやわんやだろう。
特に今年末で日本の徳岡との賃貸契約の終わる名門フォン・ブールは、恐らく最も影響が大きいのではないだろうか。それ以前に跡を継ぐ奥さんが旦那の情熱をそのまま継ぐとは思わない。売れるうちに処分してしまった方が価値があるのが醸造所である。少なくとも片手間では出来ないからこそ、嘗てはツ・グッテンブルク時代のフォン・ブールは荒廃して、バッサーマン・ヨルダンは身売りとなったのである。
年間どれほどの利益が出るかを計算すると、十億円ほどで売り払ってしまった方が幾らでも利殖性の高い投資が出来るのである。しかし、バッサーマン・ヨルダンは既にホテルやレストランなど複雑に複合施設として物理的に絡み合っていて、更にもはや地所内で醸造していないなどを考えると容易には売却できない代物となっている。
フォン・ヴィニンゲンの方は新たに醸造所に投資したところなので、ある程度落ち着かないと実質的に償却出来ないだろうが、肝心の葡萄や土地が荒れたままなので再構築には十年以上は掛かるのである。要するに価値は低い。
その点、フォン・ブールはエコ化などの土地改良は進んでおり、また日本のグループが当初投資した施設以外に木樽などの高級ワインを作る環境は整えていることから、比較的コムパクトな概容となっていると思ってよいだろう。そしてなによりもその地所がよいのである。もし身請けするとすればフォン・ブール醸造所が一番価値があるように思われる。
それにしても一代であれだけの資産を築きながら、十二分な贅沢もしたであろうが、1957年生まれで2013年没は短かった生命とも言える。恐らく今年からニーダーキルヘンの農協ヴァインマッハーを率いたマリエン・クップをフォン・ブール醸造所の代表に据えていたのは先のことを考えていたからだろう。
参照:
ワイン三昧 四話2007年 2007-10-10 | ワイン
役立たずの旧ヨーロッパ 2007-03-21 | 雑感
特に今年末で日本の徳岡との賃貸契約の終わる名門フォン・ブールは、恐らく最も影響が大きいのではないだろうか。それ以前に跡を継ぐ奥さんが旦那の情熱をそのまま継ぐとは思わない。売れるうちに処分してしまった方が価値があるのが醸造所である。少なくとも片手間では出来ないからこそ、嘗てはツ・グッテンブルク時代のフォン・ブールは荒廃して、バッサーマン・ヨルダンは身売りとなったのである。
年間どれほどの利益が出るかを計算すると、十億円ほどで売り払ってしまった方が幾らでも利殖性の高い投資が出来るのである。しかし、バッサーマン・ヨルダンは既にホテルやレストランなど複雑に複合施設として物理的に絡み合っていて、更にもはや地所内で醸造していないなどを考えると容易には売却できない代物となっている。
フォン・ヴィニンゲンの方は新たに醸造所に投資したところなので、ある程度落ち着かないと実質的に償却出来ないだろうが、肝心の葡萄や土地が荒れたままなので再構築には十年以上は掛かるのである。要するに価値は低い。
その点、フォン・ブールはエコ化などの土地改良は進んでおり、また日本のグループが当初投資した施設以外に木樽などの高級ワインを作る環境は整えていることから、比較的コムパクトな概容となっていると思ってよいだろう。そしてなによりもその地所がよいのである。もし身請けするとすればフォン・ブール醸造所が一番価値があるように思われる。
それにしても一代であれだけの資産を築きながら、十二分な贅沢もしたであろうが、1957年生まれで2013年没は短かった生命とも言える。恐らく今年からニーダーキルヘンの農協ヴァインマッハーを率いたマリエン・クップをフォン・ブール醸造所の代表に据えていたのは先のことを考えていたからだろう。
参照:
ワイン三昧 四話2007年 2007-10-10 | ワイン
役立たずの旧ヨーロッパ 2007-03-21 | 雑感