Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

大動揺する名門醸造所

2013-07-27 | ワイン
ヨアヒム・ニーダーベルガーが亡くなった。昨日のことである。とは言っても、誰のことか、最初聞いたとき、分らなかった。しかしドイツワインファンなら皆知っているはずである。なぜならば、名門バッサーマン・ヨルダン、フォン・ブール、フォン・ヴィニンゲンの三醸造所のオーナーだからである。享年56歳、癌で闘病の後の死で、一部にしか知られていなかったらしい。各醸造所はてんやわんやだろう。

特に今年末で日本の徳岡との賃貸契約の終わる名門フォン・ブールは、恐らく最も影響が大きいのではないだろうか。それ以前に跡を継ぐ奥さんが旦那の情熱をそのまま継ぐとは思わない。売れるうちに処分してしまった方が価値があるのが醸造所である。少なくとも片手間では出来ないからこそ、嘗てはツ・グッテンブルク時代のフォン・ブールは荒廃して、バッサーマン・ヨルダンは身売りとなったのである。

年間どれほどの利益が出るかを計算すると、十億円ほどで売り払ってしまった方が幾らでも利殖性の高い投資が出来るのである。しかし、バッサーマン・ヨルダンは既にホテルやレストランなど複雑に複合施設として物理的に絡み合っていて、更にもはや地所内で醸造していないなどを考えると容易には売却できない代物となっている。

フォン・ヴィニンゲンの方は新たに醸造所に投資したところなので、ある程度落ち着かないと実質的に償却出来ないだろうが、肝心の葡萄や土地が荒れたままなので再構築には十年以上は掛かるのである。要するに価値は低い。

その点、フォン・ブールはエコ化などの土地改良は進んでおり、また日本のグループが当初投資した施設以外に木樽などの高級ワインを作る環境は整えていることから、比較的コムパクトな概容となっていると思ってよいだろう。そしてなによりもその地所がよいのである。もし身請けするとすればフォン・ブール醸造所が一番価値があるように思われる。

それにしても一代であれだけの資産を築きながら、十二分な贅沢もしたであろうが、1957年生まれで2013年没は短かった生命とも言える。恐らく今年からニーダーキルヘンの農協ヴァインマッハーを率いたマリエン・クップをフォン・ブール醸造所の代表に据えていたのは先のことを考えていたからだろう。



参照:
ワイン三昧 四話2007年 2007-10-10 | ワイン
役立たずの旧ヨーロッパ 2007-03-21 | 雑感
コメント (2)
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プェルツァークラシックの夕べ

2013-07-27 | 料理
なぜかプファルツには雨が降っている。それもここ二三日の雨量はカラカラ天気を補うほどである。雷雨性のものであるがこれだけ降ると一気に気温が下がる。天気予報では降らないことになっていたので、予想気温から摂氏十度ほど低い。それでも陽射しが射してくると急に暑くなることは分っている。

不足していた野菜を購入して、燻製のシュヴァルテンマ-ゲンの玉を購入した。これで久しぶりにプファルツの夕べが楽しめそうだ。レープホルツ醸造所のオェコノミラートを一本割ってしまった。地下蔵の棚の上に乗せた空箱に投げ入れるようにしたら箱毎と床に落ちてしまったのである。ワインを落として割ったのは初めてである。もったいない事をしたが今年はまだ買えるので安心である。

そろそろ来週のドロミテ行きの準備である。それほど高い場所を登るわけでもなく大きな壁を登るわけでもないので、準備と言ってもキャムピングの用意と平常のクライミング装備を持っていくだけなのである。

それでもこの機会に、数は余っているようだが椅子を発注した。今まで人に借りていたのだが、その座り心地はキャムピング生活に可也重要であることを知ったからである。先ずは家で試してみて考えてみよう。もう一つは、発売当初からウィッシュリストに入れていた登高器兼用のストッパーつき滑車である。今回のメンバーや概容では必要になることは無いと思われるが、必要ならば救出作業や荷揚げに使えるのだ。

序と言うか、暫く購入していなかったCDなども注文した。目的は、これまた出版前から話題となっていて待ちかねていたプリングスハイムのバイロイト日記である。試し読みするとそのページ数の少ない初出版の部分以上に本人の生きた時代を含めて網羅するエッセイなどが多くの頁が割かれていて興味深い。これで第三四半期の自動車クラブの割引も使えた。

それにしても、シベリウスの管弦楽全集に加えて、ザービーネ・マイヤーの吹くカール・シュターミーッツのロ短調の協奏曲は絶えず皿に乗っている状態である。初めて誰がバックを付けているのかを見るとアイオナ・ブラウン指揮のセントマーティン楽団であった。なるほど女性同士の感性で合わせているという感じである。こうした演奏実践の前では、全集の一面に入っているモーツヵルトの協奏曲も完全に色褪せてしまう。言い換えると後者の曲がもはやクラシックから遠く外れてしまっていいるということでもあろう。



参照:
夏の森の薬草と珍味 2005-06-28 | 料理
非公認ガイド修行の午後 2008-06-06 | アウトドーア・環境
プリングスハイムバイロイト詣で 2013-02-25 | 文化一般
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