Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

写真整理で色々と考察する

2013-07-24 | アウトドーア・環境
モンブラン山群からの写真を整理している。あまり狙って写したわけではないが、今後登る可能性のある幾つかのルートが綺麗に写っていて、重要な眺望が得られている。写すときに自然にルートを描いているからだと思う。その意味から十分に登る準備が出来ているということであり、ガイド本を鵜呑みにして登ってみる次元とは異なっているのが自覚できる。

改めて発見したのはヴェルト針峰のナンブランのクロワールの写真でそのままオリエンティールングに使えそうだ。モンブランのビオナセイ針峰からのルートなど、恐らくモンブランをフランス側から登ることのない私にとってはあまり役に立たないが、その長く陽射しの強い退屈しそうなルートも確認できた。

ミディー針峰はロープウェーに乗らなかったのでルートは確認できなかったが、初心者ルートであるモワヌ針峰やツールロンドなども遠望できた。ルートを双眼鏡で追って、やはり厳しいと思ったのはドリュ北壁である。少なくとも残雪の多い今年の状況では可也の場所に氷がついていて登る価値すらないように思われた。

しかしなによりも双眼鏡で眺めて驚かされたのはグランドジョラス北壁で、その急峻上部岩壁を拝むだけで難しいと思わされた。マッターホルン北壁の上部のなだらかなスロープやアイガー北壁のミッテルレギ稜との交わりとの差異は甚だしく、その技術的な難しさは張り付いた氷とともに格別だと感じた。氷の技術だけでなく、岩の技術は現在自分が目標としている程度に準拠している。

一昨日ドロワット北壁について書いた。そして写真を仲間にも送った。希望を沿えて。そして、その難しさについて考察しているうちに、氷の状態が悪ければ退却できなくなることにも気がついた。そうなると登りきってしまわなければいけないのだが、足がつったりシュタイクアイゼンが外れたりすると致命傷になりかねないことにも気がつく。たとえ千メートルを爪先でかける準備をしていても、何が起こるかわからないのが山であって、そうした不慮のことまで考察すると如何に厳しい壁であるかが理解出来るわけだ。

そうした考察や戦略こそが経験によって支えられるのが今は死語となっているアルピニズムそのものであって、そうした知的な活動無しには成立しないのは高度なクライミングにおいても変わらないのである。そこにツーリズムとアルピニズムの相違があることは意外に認識されていないのかもしれない



参照:
アルプスで最も過酷な壁 2013-07-21 | アウトドーア・環境
今夏シーズン前半の頂点 2013-07-08 | アウトドーア・環境
コメント
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