Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

たかが細引きとは言え

2013-07-19 | 雑感
細引き、嘗ての登山用語ではドイツ語のシュリンゲと呼ばれた。今もこれが通じるかどうかはしらない。しかし我々の世代ではスリングといえば現在あるのと同じようなテープのそれだったと記憶する。厳密には細引きとテープやバンドとは若干異なるかもしれないが総称だ。

これも長めのものはクライミング時には必携で、確保用に使うもの以外に、岩角に引っ掛けて中間支点を作ったり、オヴァーハングの下の長い延長に使ったり、なによりも砂時計と呼ばれる自然の造形である岩柱を中間支点とするときに有用である。そのもの嘗ての細引き型の細いロープの方が小さな隙間に通すことが出来るので使いやすいのだが、現在はテープ類でも細めで強靭な素材があるためにそれを上手に使うことも出来る。

いずれにしても最低二本は余分に持ち合わせていないと困ることになる。しかし問題はその持ち運びであり、そのワッカの中に首を入れてしまうと片手をどうしても離せない時などは苦労して外すことになる。だから一般的にはカラビナでワッカの両端を止めて、カラビナから外すことで首を抜かないでも使えるようにしておく。勿論それでも用は足りるが、たとえばリュックサックなどを担いでいると、首の周りがややこしくなって煩わしいだけでなく、首を絞めたり酷い目に遭うこともありえないこともない。

先日同行した仲間でルートヴィヒスハーフェンでリーダーである人と登って帰るときに彼の安全ベルトに写真のような刺繍の材料みたいなものが掛かっていたので、その結び方を教えて貰った。なによりもよいのは勿論丈が短くなって歩くときも邪魔にならないだけでなく、登っている時にも片方を外せばそのまま下から引っ張るだけで長いシュリンゲがたちどころに解かれることである。外してからそれを再び作るには何十秒かいるので岩場の上では無理であろうが、休みがあればそれを作ることが出来る。丁度女性が電車の中で編み物をしているようにである。

この手の長いものは特にアルプス登山などでは足に引っ掛けずに上手に携行することが重要なので、こうした技術はとてもクールなのだ。これを態々教えてもらったことで、教える方にもこちらの考えていることがよく分るのである。



参照:
前日の疲れだろうか? 2013-06-24 | アウトドーア・環境
楽天主義に誘惑された 2012-07-12 | 歴史・時事
コメント
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