車の外気温は優に摂氏30度を超えていた。その心算で遅めに涼しい岩場へと出かけた。到着は五時前だと思うが、陽射しは一向に衰えていなかった。それでも人気も少なく森は乾いていて、風通しがよいのでこの奇岩を選んだのである。鷲の岩である。前回は昨年の秋に遅れてやってきて少し登っただけで、頂上の記帳に日本人女性の名前を見つけたのだった。
それらのルートも登るリストには入っているのだが、先ずは暑い最中であり視察を兼ねて写真を撮影して、御目当ての鷲の嘴と頭を目指す。本峰の方である。そこには多くのルートがあるばかりでなく、その難易度からしても殆ど無尽蔵である。とは言ってもそれほど容易な初心者ルートは無く、難易度5.12のルートは恐らく将来とも殆ど登ることはないであろう。
それでも岩質も砂岩の良い特徴があり、今後様々なプロジェクトを展開していきたい岩場なのである。更に先にボルダーがあるというのでそれも試してみたい。さて、今回はオリエンティールングのために何処からか稜線まで上がって、二つの頂上を目指すというものである。現場を見て各ルートを同定して、最後のルートが森の日陰から登りだして、凹角に入って稜線へと抜け出す涼しそうなものだったのでそれを選んだ。なによりも手に汗をかくことなく安全に登って、上で涼むのが目的だ。
虎の巻に書いてあるように試みるが、予想していたオヴァーハングの場所の下へと至るまでに核心部があった。事後再度調べてみてもそれほど確信はもてないのだが、オヴァーハングの岩窟の左の細い割れ目にシルヴァーのフレンズを差し込む。それがあまりに入り込みすぎて、日曜日に続いて先週購入したばかりのそれが明らかに回収困難になった。しかし落ちて怪我をするよりは安上がりなのである。先ずは安全はある程度確保して、頭上に隠れていたリングボルトを見つけたのだが、虎の巻には「冗談ではなくて無視しろ」と書いてあったことを思い出す。そして「右へと水平に動く」とある。
そこから考えたのは、少なくとも真っ直ぐに上に上がるのは左の割れ目の手掛かり以外には足場も無くありえるのは上のスロープの小石ぐらいである。これならば明らかにその難易度を超えそうなのである。しかし、上のスロープの角には確りした手掛かりが全く無い。そこで一つの手掛かりを持ち替えながら、右へと移動して、左右に開く足場を使える。そしてスロープまで至ると、こんどは右手に割れ目が見つかり、そこに手を入れて岩窟のスロープに立つ。そして無視すべきボルトにザイルをかけて、次のハングの下にあるボルトに至り、そこから無視すべきボルトまで戻りそれを外して、上のボルトにぶらさふがる。そこから上部は、冬の間に練習を積んでいる、手掛かりのある被り気味の場所なので問題なく抜けた。
相棒は、先ずはフレンズを回収できなくて、更にそれを断念して左の岩窟には一切入らず登ってきたが、被り気味のところで苦労していた。左の壁の手掛かりを上手に使えないためであるが、正しく単純に手掛かりを上に上にしか求められない技術不足なのである。本人がそれに気がつかない限りどうしようもない - 室内の練習においても同じ課題を抱えていたのだった。その後、仕方がないので私自身が岩窟まで降りて、二種類の楔はずしフックを試してなんとか回収する。もう少し医者ならば細かな作業をこなして欲しいが、そもそも内科の開業医だから不器用なのだろう。友人の専門の外科医などを見ていると全く同じ医者でも性質が全く異なることに気がつく。
稜線を進み、二つの岩峰を越えて、先ずは鷲の嘴に立つ。上で確保する相棒の影絵が鷲の頭の上に映る。嘴と頭の間のキレットを通り抜ける風がヒンヤリしてとても気持ちよい。これを味わいたくて来たのであった。陽は赤みを帯びてきて、今日のハイライトであった。
参照:
岩峰頂上の記帳に日本女性 2012-10-03 | アウトドーア・環境
夏全開の涼みがてら 2013-06-21 | アウトドーア・環境
それらのルートも登るリストには入っているのだが、先ずは暑い最中であり視察を兼ねて写真を撮影して、御目当ての鷲の嘴と頭を目指す。本峰の方である。そこには多くのルートがあるばかりでなく、その難易度からしても殆ど無尽蔵である。とは言ってもそれほど容易な初心者ルートは無く、難易度5.12のルートは恐らく将来とも殆ど登ることはないであろう。
それでも岩質も砂岩の良い特徴があり、今後様々なプロジェクトを展開していきたい岩場なのである。更に先にボルダーがあるというのでそれも試してみたい。さて、今回はオリエンティールングのために何処からか稜線まで上がって、二つの頂上を目指すというものである。現場を見て各ルートを同定して、最後のルートが森の日陰から登りだして、凹角に入って稜線へと抜け出す涼しそうなものだったのでそれを選んだ。なによりも手に汗をかくことなく安全に登って、上で涼むのが目的だ。
虎の巻に書いてあるように試みるが、予想していたオヴァーハングの場所の下へと至るまでに核心部があった。事後再度調べてみてもそれほど確信はもてないのだが、オヴァーハングの岩窟の左の細い割れ目にシルヴァーのフレンズを差し込む。それがあまりに入り込みすぎて、日曜日に続いて先週購入したばかりのそれが明らかに回収困難になった。しかし落ちて怪我をするよりは安上がりなのである。先ずは安全はある程度確保して、頭上に隠れていたリングボルトを見つけたのだが、虎の巻には「冗談ではなくて無視しろ」と書いてあったことを思い出す。そして「右へと水平に動く」とある。
そこから考えたのは、少なくとも真っ直ぐに上に上がるのは左の割れ目の手掛かり以外には足場も無くありえるのは上のスロープの小石ぐらいである。これならば明らかにその難易度を超えそうなのである。しかし、上のスロープの角には確りした手掛かりが全く無い。そこで一つの手掛かりを持ち替えながら、右へと移動して、左右に開く足場を使える。そしてスロープまで至ると、こんどは右手に割れ目が見つかり、そこに手を入れて岩窟のスロープに立つ。そして無視すべきボルトにザイルをかけて、次のハングの下にあるボルトに至り、そこから無視すべきボルトまで戻りそれを外して、上のボルトにぶらさふがる。そこから上部は、冬の間に練習を積んでいる、手掛かりのある被り気味の場所なので問題なく抜けた。
相棒は、先ずはフレンズを回収できなくて、更にそれを断念して左の岩窟には一切入らず登ってきたが、被り気味のところで苦労していた。左の壁の手掛かりを上手に使えないためであるが、正しく単純に手掛かりを上に上にしか求められない技術不足なのである。本人がそれに気がつかない限りどうしようもない - 室内の練習においても同じ課題を抱えていたのだった。その後、仕方がないので私自身が岩窟まで降りて、二種類の楔はずしフックを試してなんとか回収する。もう少し医者ならば細かな作業をこなして欲しいが、そもそも内科の開業医だから不器用なのだろう。友人の専門の外科医などを見ていると全く同じ医者でも性質が全く異なることに気がつく。
稜線を進み、二つの岩峰を越えて、先ずは鷲の嘴に立つ。上で確保する相棒の影絵が鷲の頭の上に映る。嘴と頭の間のキレットを通り抜ける風がヒンヤリしてとても気持ちよい。これを味わいたくて来たのであった。陽は赤みを帯びてきて、今日のハイライトであった。
参照:
岩峰頂上の記帳に日本女性 2012-10-03 | アウトドーア・環境
夏全開の涼みがてら 2013-06-21 | アウトドーア・環境