「あれ、君ここで働いているの?」、これがディジョン出身の彼女にかけた第一声だった。前回別れたときに、「仕事が忙しくてね」が彼女の言い訳だったからである。彼女もその二年前のことを私同様に脳裏に焼き付けていたのだ。
笑って打ち解けながらのキスに、当然ながら、彼女に他の女達は早速尋ねる、「あんた、彼の事よく知ってるの?」。如何にもフランス女性の会話である。フランス美人を吹かせる、とてもよいはじまりであった。
彼女の美しさは男たちの目を引くが、その社交性もどちらかといえば彼女自身が通る殆ど鼻にかから無い明晰なフランス語の発声で話したりすることで生じるもので、意外に彼女に話しかけたりちょっかいをかけるのをフランス男性からですら見たことが無い - なるほどフランス映画でもそうであるがイタリア人男性とは明らかにアプローチの仕方が違うのは最近になって認識できた。そのもう一つの理由は彼女の比較的凛とした雰囲気にあるのだが、恐らくフランス女性としては明らかにはきはきとした物言いにもあるのかもしれない。その点は、ドイツ女性で散々慣らされているので、なにもフランス女性のフェミニンな雰囲気だけが美点だとは思っていない男には全く問題が無い。そもそもクールな表情はフランス美人の特徴で、特に言葉の不自由な外国人には厄介なのだが、私自身最近はクールな表情の女性の隙を見逃さない修行を積んできている - これによって如何に美人とお近づきになる機会が増えたことか、具体的には「我が愛しの彼女」の女友達のお陰である。
なによりも美人なのだが、まことに残念ながらフランス未婚美人もある年齢に達すると見るからに一回り大きくなっていた。なるほど太ったには違いないのだが、それでも同じような年齢の三十路のドイツ女性からするとはるかに新鮮であり、なによりも美人なのである。それは、丁度セゴレーヌ・ロワイヤル夫人がなんだかんだと言っても美人であるのと変わらない。イタリア人もフランス人も「ドイツ女性は美しい」というが、中年になってからも美しい女性が少ないのはなぜなのだろうか?
件の彼女も「一回り成長」しただけでなく、フランス女性に顕著なように目の下のしわが深くなっていた。あの目の少しクールな感じがフランス女性の特徴の一つでもあると思うのだが、それは、骨格との関係なのだろう、ドイツ民族ではそれは意外に少ないのである。要するに、月並みだがフランス女性の方が明らかにフェミニンだということである。たとえドイツ女性並みに場が嵩んでもである。
今回はそのようなことで、お互いに言葉は不自由でも、二人だけの時間を得ることが出来た。「君は、スポーティーだからね」とふると、「全然運動していないのよ、音楽にのせてのダンスだけ」というのだ。その話を聞きながら彼女がリヨンで働いている日常などを想像したのである。また内心、なるほど肥るはずだとは思ったが、決してそのような心の言葉は感づかれてはならないことぐらいは勉強している。
その反面、幾ら決してラテン系とは言えないながらも、彼女らをいらいらさせるのは慣れているそもそもおっかなびっくりの私であるから、またまた怒らせてしまっているのかもしれないが、その辺りは理解して貰わないことには棒にも端にも掛からないと言うことにもなる。
チーズを挟んだパンを分けて貰って、更にきゅうりを別けあった。「僕、バナナあるけどどう?」には「要らない」と答えながらも、「リンゴを切りましょう」となったのだが、「やっぱり、湖畔まで行ってにしましょうね。」とバナナとリンゴはお預けとなった。
そのような按配で、彼女の尻を追いかけるようなことになってしまい、挙句には、フランスにおける三大日本人観光旅行目的地の話を彼女がすると、「知っているの日本人?」と下品な笑いを誘うことになるのである。
ブリターニュへと自転車旅行に出かける彼女に、「今度は、一緒にリンゴとバナナ別け合おうね」と再会を約束した。なるほど男を寄せ付けないほどの美人でも、それゆえにもう少し身体を動かさないと厳しいところにきているのを感じたのであった。
参照:
ドイツ女性が足を魅せるとき 2013-06-12 | 女
早くも秋の気配の夏休み 2011-07-22 | 暦
三十路女の手練手管に感心 2009-07-07 | 女
コインの裏表の女らしさ 2008-08-12 | 女
四苦八苦する知識人 2007-05-07 | 文学・思想
笑って打ち解けながらのキスに、当然ながら、彼女に他の女達は早速尋ねる、「あんた、彼の事よく知ってるの?」。如何にもフランス女性の会話である。フランス美人を吹かせる、とてもよいはじまりであった。
彼女の美しさは男たちの目を引くが、その社交性もどちらかといえば彼女自身が通る殆ど鼻にかから無い明晰なフランス語の発声で話したりすることで生じるもので、意外に彼女に話しかけたりちょっかいをかけるのをフランス男性からですら見たことが無い - なるほどフランス映画でもそうであるがイタリア人男性とは明らかにアプローチの仕方が違うのは最近になって認識できた。そのもう一つの理由は彼女の比較的凛とした雰囲気にあるのだが、恐らくフランス女性としては明らかにはきはきとした物言いにもあるのかもしれない。その点は、ドイツ女性で散々慣らされているので、なにもフランス女性のフェミニンな雰囲気だけが美点だとは思っていない男には全く問題が無い。そもそもクールな表情はフランス美人の特徴で、特に言葉の不自由な外国人には厄介なのだが、私自身最近はクールな表情の女性の隙を見逃さない修行を積んできている - これによって如何に美人とお近づきになる機会が増えたことか、具体的には「我が愛しの彼女」の女友達のお陰である。
なによりも美人なのだが、まことに残念ながらフランス未婚美人もある年齢に達すると見るからに一回り大きくなっていた。なるほど太ったには違いないのだが、それでも同じような年齢の三十路のドイツ女性からするとはるかに新鮮であり、なによりも美人なのである。それは、丁度セゴレーヌ・ロワイヤル夫人がなんだかんだと言っても美人であるのと変わらない。イタリア人もフランス人も「ドイツ女性は美しい」というが、中年になってからも美しい女性が少ないのはなぜなのだろうか?
件の彼女も「一回り成長」しただけでなく、フランス女性に顕著なように目の下のしわが深くなっていた。あの目の少しクールな感じがフランス女性の特徴の一つでもあると思うのだが、それは、骨格との関係なのだろう、ドイツ民族ではそれは意外に少ないのである。要するに、月並みだがフランス女性の方が明らかにフェミニンだということである。たとえドイツ女性並みに場が嵩んでもである。
今回はそのようなことで、お互いに言葉は不自由でも、二人だけの時間を得ることが出来た。「君は、スポーティーだからね」とふると、「全然運動していないのよ、音楽にのせてのダンスだけ」というのだ。その話を聞きながら彼女がリヨンで働いている日常などを想像したのである。また内心、なるほど肥るはずだとは思ったが、決してそのような心の言葉は感づかれてはならないことぐらいは勉強している。
その反面、幾ら決してラテン系とは言えないながらも、彼女らをいらいらさせるのは慣れているそもそもおっかなびっくりの私であるから、またまた怒らせてしまっているのかもしれないが、その辺りは理解して貰わないことには棒にも端にも掛からないと言うことにもなる。
チーズを挟んだパンを分けて貰って、更にきゅうりを別けあった。「僕、バナナあるけどどう?」には「要らない」と答えながらも、「リンゴを切りましょう」となったのだが、「やっぱり、湖畔まで行ってにしましょうね。」とバナナとリンゴはお預けとなった。
そのような按配で、彼女の尻を追いかけるようなことになってしまい、挙句には、フランスにおける三大日本人観光旅行目的地の話を彼女がすると、「知っているの日本人?」と下品な笑いを誘うことになるのである。
ブリターニュへと自転車旅行に出かける彼女に、「今度は、一緒にリンゴとバナナ別け合おうね」と再会を約束した。なるほど男を寄せ付けないほどの美人でも、それゆえにもう少し身体を動かさないと厳しいところにきているのを感じたのであった。
参照:
ドイツ女性が足を魅せるとき 2013-06-12 | 女
早くも秋の気配の夏休み 2011-07-22 | 暦
三十路女の手練手管に感心 2009-07-07 | 女
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