ボールダーにこれほど夢中になれるとは思わなかった。その営みの気軽さと満足感の兼ね合いだろうか。嘗てトラウマになった断念の時には全く気がつかなかった喜びである。
僅か二時間もあれば、身体がぼろぼろになるだけでなく、静かな森の中で集中した時を満喫出来て、尚且つとても頭脳プレーを展開するのである。とてもシムプルな体の営みが同時に可成り高度な頭脳労働でもあるのだ。
なるほどクライミングでも技術的な面白さを感じるようになってからは、結構システマティックな意識を以て上達に励んできたのだが、ボールダーの課題を解くその醍醐味はまさしく数学の問題のようなものである。
夕陽に染まる前に課題に挑んで、同じ壁の中のより容易そうな方を試しても上手く行かないので、もう一つを試して断念して、元に戻って、更に解決策が見えないので二股をかけるが、どう見ても容易であるのは最初の課題であることを再確認して、漸く糸口が掴めるまでに、登り付くべき頂稜を確かめて、手掛かりを確認してと右往左往した。それほど、最初のアイデアを実行に移すのは、難しかったのだ。
そこで最後に試しに右手の手掛かりを変えて試してみると、驚くことに立てるではないか。すると上の手掛かりに手が届く。残念ながらその手掛かりを握れなかったが、こうなれば動きは定まった。それを克服できれば登り切れることを確信した。そして三回目の正直で狙いを定めたその場所に手が掛かったのである。
夕陽が燃えて稜線に近づく中での達成感は、最初に試行錯誤して途方に暮れていたからこそ余計に高まったのであった。肉体的にも瞬発的に出し切らなければいかず、その解決策への道筋もそれなりに頭を巡らさなければいけなかったのである。
所謂垂壁の登攀であるから、ボールダーを専門にしている者よりも我々の方が経験もあり、クライマーとしては登り切らなければいけないという自負もあった。なるほど解決策が分かってしまえば、そこに向けて体をもっていくだけなので問題ないのだが、最初は途方に暮れるだけなのである。
お蔭で体はボロボロになったが、風呂に浸かって、体を解すと、貪るように眠るしかなかったのである。当日は、このラムゼスブロック以前に、クライナーマンテルブロック、クッベルブロックやブークブロックを覘く。特に最後のものは二つを試したが、カニスタートラヴァースは繋がらなかったが部分部分は可能である。角を左に上がるカニスター440は解決策は一つしかなさそうだったが右手が返らないので難しい。何回もやると右肩を壊しそうで先ずは断念した。その他は斜面上部にあるにも拘らずなぜか苔が湿った感じでもう少し乾く時期になると良いのかもしれない。そして帰り道に、オッフェンロールブロックをかすめて車道に出る。当日の気温は摂氏19度に達していた。
参照:
文字通り苔が生えている 2014-03-13 | アウトドーア・環境
青天井の気持ちよさ 2014-03-09 | アウトドーア・環境
僅か二時間もあれば、身体がぼろぼろになるだけでなく、静かな森の中で集中した時を満喫出来て、尚且つとても頭脳プレーを展開するのである。とてもシムプルな体の営みが同時に可成り高度な頭脳労働でもあるのだ。
なるほどクライミングでも技術的な面白さを感じるようになってからは、結構システマティックな意識を以て上達に励んできたのだが、ボールダーの課題を解くその醍醐味はまさしく数学の問題のようなものである。
夕陽に染まる前に課題に挑んで、同じ壁の中のより容易そうな方を試しても上手く行かないので、もう一つを試して断念して、元に戻って、更に解決策が見えないので二股をかけるが、どう見ても容易であるのは最初の課題であることを再確認して、漸く糸口が掴めるまでに、登り付くべき頂稜を確かめて、手掛かりを確認してと右往左往した。それほど、最初のアイデアを実行に移すのは、難しかったのだ。
そこで最後に試しに右手の手掛かりを変えて試してみると、驚くことに立てるではないか。すると上の手掛かりに手が届く。残念ながらその手掛かりを握れなかったが、こうなれば動きは定まった。それを克服できれば登り切れることを確信した。そして三回目の正直で狙いを定めたその場所に手が掛かったのである。
夕陽が燃えて稜線に近づく中での達成感は、最初に試行錯誤して途方に暮れていたからこそ余計に高まったのであった。肉体的にも瞬発的に出し切らなければいかず、その解決策への道筋もそれなりに頭を巡らさなければいけなかったのである。
所謂垂壁の登攀であるから、ボールダーを専門にしている者よりも我々の方が経験もあり、クライマーとしては登り切らなければいけないという自負もあった。なるほど解決策が分かってしまえば、そこに向けて体をもっていくだけなので問題ないのだが、最初は途方に暮れるだけなのである。
お蔭で体はボロボロになったが、風呂に浸かって、体を解すと、貪るように眠るしかなかったのである。当日は、このラムゼスブロック以前に、クライナーマンテルブロック、クッベルブロックやブークブロックを覘く。特に最後のものは二つを試したが、カニスタートラヴァースは繋がらなかったが部分部分は可能である。角を左に上がるカニスター440は解決策は一つしかなさそうだったが右手が返らないので難しい。何回もやると右肩を壊しそうで先ずは断念した。その他は斜面上部にあるにも拘らずなぜか苔が湿った感じでもう少し乾く時期になると良いのかもしれない。そして帰り道に、オッフェンロールブロックをかすめて車道に出る。当日の気温は摂氏19度に達していた。
参照:
文字通り苔が生えている 2014-03-13 | アウトドーア・環境
青天井の気持ちよさ 2014-03-09 | アウトドーア・環境