Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

彼女のお母さんに出会う

2014-04-29 | 
ブロンドの彼女のお母さんに出会った。予定はしていなかったのだが、挨拶ということではなく、顔を合せさせられたに近いのかもしれない。以前も一度機会があったようだが、面と向かって顔を見合わせるのははじめてであった。

可也母娘仲良しの感じの親子であることは気がついていたので、そうなればこちらも珍しくつっけんどんな娘の態度を横目に母親にぶちまける。

「丁度、恋文を準備しているんだ」というと大笑いしていたが、「送り先をまだ貰っていないし」と迫ると、如何にも「娘のことだからどうにも対応できない」といった迷った感じの表情を見せた。

なるほどご本人も小柄の方だが、その背丈以上に造作が小ぶりなのは母親が更に小柄だからだろうか。予想通り私よりは年上で、十分に老けて若干窶れ気味なので、その点はそれほど違和感は無かった。父親もドイツ男性としては小ぶりであることは間違いなさそうだ。

どうしても母親の服装や雰囲気を思わず観察してしまうのだが、小柄で若干やつれた感じを除けば小学校の先生風と感じた。服装もかなり仕事服で、家事をしたまま車で出かけてきた按配だ。それは基本的に娘などの服装を見ていても感じるシムプルさで、これはライフスタイルと呼ぶべきものだろう。その点、娘はどこか気に掛けているお洒落心があるのは、注目すべきだろうか。

それにしても彼女の態度は初めて見せるそれで、母親と一緒にいるという状況以上に、普段見せていたとても冷静で深読みのそれとは全く違っていた。彼女になにか悪いことをしたわけではないのだが、二週間前の態度とは全く異なっていたのである。状況の変化などの環境も無くは無いだろうが、それ以上に目を合わせることも無いような動揺は見せたこともないものだ。

思い当たることは寧ろ二週間前の方があったのであるが、それは片付いているので、全く理解できないのだ。そして色々と考えると、そのときは最初から彼女の態度がおかしかったので、母親に語りかけたのであり、だからその母親の表情などをじっくりと観察したのだった。

一体何がご機嫌を悪くしたのだ?考えられるのは彼女に後ろから近づいて、彼女が振り返るのを待っていたときに、彼女は私のことを気がついていたに違いないのである。そのときに彼女の中でふつふつと湧き上がるものがあったようにふと感じた。勿論彼女の後姿は分ったのだが、「飛び」つかなかったのがいけないのか?

過去に遡って、思いを巡らすのだが、なにかその積み重ねが爆発したような感じはある。爆発と言っても多くの女性のそれとは異なって非常に抑制されたものなのだが、彼女にしては十分な示唆行為であった。知り合った初めの頃からするととても美しくなった彼女であり、二週間前から腰まで垂らしたブロンドを誇らしげに見せた彼女のその態度は、ディートリッヒの歌にあるような「誇り高きブロンド」そのものだった。

こうなれば機会を決して逃さないように、お母さんに宣言したように恋文を渡すしかないのであろう。彼女の真意は分らないが、そこまでやらないことにはいけないのだ。彼女をそこまで美しくした自負を以って。昨年の同じ頃に「愛しの彼女」の期待を裏切ったのかもしれない。そして彼女は直ぐに妊娠した。ブロンドの彼女が妊娠するかどうかは知らないが、恐らく学業を終える彼女の転機であることは間違いなさそうである。



参照:
耐え忍ぶ愛の陶酔の時 2014-04-21 | 音
余りにも素朴過ぎた彼女 2014-04-17 | 女
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