先週末、とても気持ちの良い土曜日であった。鳥が囀り、暑くも無く、少しヒンヤリするぐらいがとてもよいのだ。一っ走りしたお陰で食欲もある。リースリングを開けて、血の腸詰とジャガイモである。
久方ぶりにザビーネ・マイヤーのクラリネット協奏曲集を流す。LPプレーヤーが使えないのでCD棚を探すと目に付いた。パン屋への車の中でマンハイムで開催中の音楽祭について触れられていて、所謂ハイカルチャーとサブカルチャーがテーマと為っているようで、マンハイムの音楽学校などがジャズやポップスで有名なのと駐留軍のアメリカ文化が花咲いた地であるからだろう。その中で面白いと思ったのが、モーツァルトは有名になりたくてそのために創作していたことから、サブカルチャーを目指していたと言うような見解である。これは結構面白視点だと思った。その社会的な背景を考慮しなければ意味の無い定義ではあるだろうが。前記のCDで聞かれるのは丁度前古典派もしくはマンハイム楽派と呼ばれるジャンルのものもあり、特にシュターミッツファミリーの協奏曲については何度もここで触れている。どうしてもモーツァルトのそれと比較してしまうからである。ダイレクトな表現ながら、その移ろいの綾は見事であり、あの通向きのハイドンさえも疾風怒濤時代にあまりにも直截な表現をしていたのととてもよく似ている。なるほどラディオで、ヴァークナーもサブカルチャーとして捉えていたことで、なるほど初期中期のオペラの陳腐さといまだに世界中から集まるヴァーグネリアンの多さがそのエンターティメント性を証明している。
ドイツ高級ワイン協会のプファルツ支部から季刊誌が届いた。立派な装丁で、南ワイン街道の貯蓄銀行がスポンサーになっている。内容は、醸造所の一通りの紹介と統計的な数字が出ている。
例えば、VDP26醸造所の栽培している葡萄ごとの割合いは、57%リースリング、24%がシャルドネと白ブルグンダー二種、14%がピノノワール、5%がその他となる。恐らく一般的にプェルツァーヴァインとして思われている比率とはエリート醸造所では大分異なるのではなかろうか。所詮5%の中にソーヴィニオンブランやジルファーナーやショイレーベなどが含まれているに過ぎない。
また、それらの地所の62%はビオ農業として指定されていて、その割合は増える一方であるというのだ。これは地元の指導的な醸造所を見ればどの方向に動くかは十年以上前から分っていた訳であるが、ワイン地所を変えていくには十年単位で考えなければいけないので漸くここまで至ったと言う感じである。勿論ビオ農業をしていてビオ醸造をしない者は居ないが、これも天然酵母のみの醸造まで行くには市場を開拓して市場価格がつかないと割が合わないから時間が掛かるのである。まさしくハイカルチャーなのだ。
参照:
合理性にこそ華が咲く 2012-10-29 | アウトドーア・環境
イスラム社会の民主化を読む 2011-02-12 | マスメディア批評
天を仰ぐ山寨からの風景 2009-01-12 | 文化一般
革命的包容政策の危機 2006-10-11 | 文化一般
教皇の信仰病理学講座 2006-09-18 | 文学・思想
高等文化のシンクタンク 2009-12-02 | 文学・思想
久方ぶりにザビーネ・マイヤーのクラリネット協奏曲集を流す。LPプレーヤーが使えないのでCD棚を探すと目に付いた。パン屋への車の中でマンハイムで開催中の音楽祭について触れられていて、所謂ハイカルチャーとサブカルチャーがテーマと為っているようで、マンハイムの音楽学校などがジャズやポップスで有名なのと駐留軍のアメリカ文化が花咲いた地であるからだろう。その中で面白いと思ったのが、モーツァルトは有名になりたくてそのために創作していたことから、サブカルチャーを目指していたと言うような見解である。これは結構面白視点だと思った。その社会的な背景を考慮しなければ意味の無い定義ではあるだろうが。前記のCDで聞かれるのは丁度前古典派もしくはマンハイム楽派と呼ばれるジャンルのものもあり、特にシュターミッツファミリーの協奏曲については何度もここで触れている。どうしてもモーツァルトのそれと比較してしまうからである。ダイレクトな表現ながら、その移ろいの綾は見事であり、あの通向きのハイドンさえも疾風怒濤時代にあまりにも直截な表現をしていたのととてもよく似ている。なるほどラディオで、ヴァークナーもサブカルチャーとして捉えていたことで、なるほど初期中期のオペラの陳腐さといまだに世界中から集まるヴァーグネリアンの多さがそのエンターティメント性を証明している。
ドイツ高級ワイン協会のプファルツ支部から季刊誌が届いた。立派な装丁で、南ワイン街道の貯蓄銀行がスポンサーになっている。内容は、醸造所の一通りの紹介と統計的な数字が出ている。
例えば、VDP26醸造所の栽培している葡萄ごとの割合いは、57%リースリング、24%がシャルドネと白ブルグンダー二種、14%がピノノワール、5%がその他となる。恐らく一般的にプェルツァーヴァインとして思われている比率とはエリート醸造所では大分異なるのではなかろうか。所詮5%の中にソーヴィニオンブランやジルファーナーやショイレーベなどが含まれているに過ぎない。
また、それらの地所の62%はビオ農業として指定されていて、その割合は増える一方であるというのだ。これは地元の指導的な醸造所を見ればどの方向に動くかは十年以上前から分っていた訳であるが、ワイン地所を変えていくには十年単位で考えなければいけないので漸くここまで至ったと言う感じである。勿論ビオ農業をしていてビオ醸造をしない者は居ないが、これも天然酵母のみの醸造まで行くには市場を開拓して市場価格がつかないと割が合わないから時間が掛かるのである。まさしくハイカルチャーなのだ。
参照:
合理性にこそ華が咲く 2012-10-29 | アウトドーア・環境
イスラム社会の民主化を読む 2011-02-12 | マスメディア批評
天を仰ぐ山寨からの風景 2009-01-12 | 文化一般
革命的包容政策の危機 2006-10-11 | 文化一般
教皇の信仰病理学講座 2006-09-18 | 文学・思想
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