Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ストリーミングいろいろ

2015-11-01 | マスメディア批評
VW事件の経済的影響の第一報が入っている。予想通り、連邦共和国内ではスキャンダルの影響どころか、十月の購買予約は昨年を超えていて、それが一時的なものか今後の傾向を表すものかはわからないとされている。発覚前に発注されて登録されたり廃車された数を合わせての第3四半期の数値は変化なしとして発表された。

スキャンダルの影響は予想されたよりも少ないことは、もっとも影響を受けた英国でのディーゼルの発注数にも表れているようだ。VWは概ねそのような状況であり、AUDIも堅調とされる。そのように前東京特派員のカールステン・ゲルミスは伝える。

但し中古市場での価格低下は避けられず ― ここが欧州市場で日本車とドイツ車の価値の差が最も大きいところである、欧州で四十万台、それ以外の六十万台のリーシングを受け持つVWの金融部門などへの影響が大きい。そしてなによりも、一月から始まるリコールの手間が予想されていたよりも大きくなり、各々の傘下ブランド毎の調整だけでなく、オートマティック、マニュアルなど九百五十万台へのその解決策が各々異なるからというのである。

日本からの情報によると、ベルリン政府がシナとの関係を見直すとか、VWがドイツ経済に与える影響は決定的だとか、ドイツェバンクが損益を抱えてリーマンブラザーズの二の前になるとかの ― 既に行内のビジネス構造は改造が発表された ―、スキャンダラス報道を超えてドイツ叩きをすることで、アベノミクスをはじめとする日本経済のかじ取りの誤りを否定しようとしているかに見える。その背後には、マスメディアによる世論操作などの政治的な思惑があるようだが、その多くは日本のマスメディアが確かな情報を持っていないことの傍証ともなっている。

VW問題においても、その本国市場における長短やブランドイメージを体感していれば日本でのような間違った報道がされるわけがないのである。要するにベルリンの政治情勢に関するだけでなく、連邦共和国の社会を体感していればもう少しましな報道が出来る筈だ ― 英国ほどではなくても、ドイツ社会も現実的であり、イデオロギーに走ることなどはあり得ない、だから、まだ多くの連邦共和国民市民は、電気代が高くなると騙されて、未だに原子力発電から足を洗えないのである。そしてその殆どが英語による英米系の特殊な視座の報道がそのまま情報源となっているからである。要するに情報音痴なのだ。

そうした情報は政治経済以上に文化芸術となると、技術自然科学とは異なってなかなか論文のような形になるまでに時間が掛かり、それが書物化されるまでに少なくとも二三年、多くは五年ほど時が経っているので絶望的だ。それは時代の空気と言うか、トレンドなどよりももう少し社会科学的な背景を担ったもので、今のようなネットのストリーミング時代になってもブレインストリーミングとはなかなかならないのである。このブログの原点にある関心事であるから、なにもここで急いで纏める必要は無かろう。



参照:
異常なI’m not Abeな事態 2015-04-30 | マスメディア批評
スキャンダラスでないお話し 2015-10-15 | マスメディア批評
行ってみようよTTIP DEMO 2015-10-09 | マスメディア批評
保守系経済高級新聞から 2015-10-06 | マスメディア批評
ラインガウへの途上で 2015-09-27 | 試飲百景
見極めたいこの週末 2015-09-25 | ワイン
血祭りに上げられるVW 2015-09-22 | 生活
DAX企業法人税平均税率 2015-01-08 | マスメディア批評
コメント
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