Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

面白さの醍醐味への見識

2015-11-27 | 文化一般
アーノルド・ファンクで検索が掛かることがある。今回の原節子逝去とファンク博士が直ぐに結びつかなかった。「侍の娘」が重要な主演作として載っているのには驚いた。勿論そのことは知っていたのだが、伊丹万作が出てもファンクが出るとは思ってはいなかったからだ。ここ地元の生地フランケンタール周辺でもその名は殆ど知られていない。ドイツ山岳協会関係でも殆ど無名である。仕事の関係で調べる必要があったのでその業績を知ることになったが、映画監督としての本当の名作はその極初期の自主制作作品であり、それらが充分に周知されていないからだ。

日本との関係は、戦中の撮影と原節子との繋がりだけではなくて、アールベルクシーシューレのハーネス・シュナイダーとの繋がりもあり、寧ろ社会文化的にはそちらの方が興味深い。要するに戦前の業績なのである。

そして、その後の仕事は、YOUTUBEでも見ることが出来るが、キッチュな作品の監督として知られているに過ぎない。つまりトーキーになってからの監督作品には真面なものがないので、本国でもとても評価が低いのである。しかし、作曲家パウル・ヒンデミットやパウル・デッサウとの仕事を見れば ― 残念ながら一つは不完全なコピーしか存在していない ―、この映画監督アーノルト・ファンクが芸術的に歴史的に第一級の仕事をしていたことが理解される。その後研究資料に注意はして調べてはいるのだが、そのような一次資料の本国での状況から研究論文なども十分ではなく、研究対象としてあまり容易な対象ではないのである。

久しぶりにナーヘのシェーンレバー醸造所の2014年フリューリングスプレッツヘンを開けた。やっと飲み頃になってきた。お便りを読むとそのように書いてある。ラインガウのロベルト・ヴァイル醸造所からも同じようなお便りが入っていて、フローセスゲヴェックスの垂直試飲つまり1999年からの一口感想が載っている。飲み頃の示唆は重要だと試飲の度に何度も何度も繰り返して話題にするので、漸くVDPの会員もグローセスゲヴェックスとは、リースリングとはどういったものかの見解が浸透してきたようだ。喜ばしい限りである。次の段階として、パイロットワインとなる中価格帯と、グローセスゲヴェックスの飲み頃を示唆するような話題へと広がっていけば、両方のワインを上手に販売できるようになる。

さて、飲み頃となったフリューリングスプレッツヘンは、とても強い赤林檎の香りと味が綺麗な酸と見事にバランスしていて、結構後を引きながらチョットした天然の甘みで終わる。そして最初のミネラル感の独特なつるっとした感じが素晴らしい。試飲の時に満足しておきながら、今まで自宅で開けてもそれ程の満足は得られなかったが、これで大満足である。リースリングの面白さの醍醐味はここにある。



参照:
飲み頃を探る試飲談話 2015-09-15 | 試飲百景
見極めたいこの週末 2015-09-25 | ワイン
ナイフエッジ、真実は何処? 2015-11-26 | アウトドーア・環境
制御される雪煙の映像 2009-08-24 | アウトドーア・環境
映画監督アーノルド・ファンク 2004-11-23 | 文化一般
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