秋晴れの気持ちよい試飲日和だった。例年ならばこれほど気温は低くないので、陽射しが丁度気持ちよかった。ラインの渡しでも例年とは異なる快適さがあった。ラインガウの湿り気も感じることなく、キードリッヒへと車を進めた。車を町に向けるとグレーフェンベルクの斜面が大きく剥ぎ取られて茶色に輝いていた。植え替えである。目指すロベルト・ヴァイル醸造所だけでなく近辺の地所と一緒に土壌改良へと動いたという事だ。グランクリュの15%ほどがそこに含まれている。今までの葡萄は40年ものだったようで、まだまだ上質の土壌を準備したものではさらさらなかったであろう。それどころか十二分に化学肥料などを沁み込ませていたに違いない。そのことは話さなかったが、ビオデュナミなどの素材などの話に及んだ。要するにラインガウでもそろそろビオヴァインでなければ勝負にならなくなってきているに違いない。
先ずは、グーツリースリングを試す。予想に反してミネラル風味があって清涼感がある。逆に言うと例年の酸が表に立たずに引っ込んでいるという事である。案の定、酸と糖が8g程度と半辛口仕立てになっているのである。そして階級が上がるにしたがって辛口へとその内容量が変わって来る。同じような傾向でオルツリースリングのキードリッヒも、予想していたように暑い夏の2015年にしてみると、それほど重くはないのである。アルコール12.5%であるから丁度良いぐらいである。そして酸もミネラルも明らかになって来る。
その次が黄土層のクロスターベルクである。これは流石に粉っぽいミネラルで、リースリング好きにはまるでラインヘッセンのようで若干げんなりする。それでもそれほど悪いとも思わなかったが、繰り返して試すことはなかった。そしてお目当てのテュルムベルクである。これはグラーフェンベルクの上部にあり、勿論風通しもよく気温などの点で暑い夏には有利である。前回このリースリングが良かったのは2009年産だった。傾向は似ているかもしれない。
そしてグローセスゲヴェックスのグレーフェンベルクである。これまた想定外の柔らかさである。例年ならばもう少し硬質で二年ぐらいは寝かしておかないと飲めないものである。要するに木樽による酸化で熟れ過ぎているような印象を受ける。それ故に期待されるミネラルの強さは感じられない。今年は前予約をしていないので無理して買わなくてよかったのだが、現時点ではリースリング好きには物足りなさを感じさせた。要するに柔らか過ぎる。
今年からは試飲会は一人12本を購入して初めて無料となるので、12本を選ぶ。先ずはキードリッヒかグーツリースリングかとなるが、六本買うならば前者で決まりだ。後者は飲み頃で飲みやすいが六本も開けているうちに飽きが来るだろう。そしてしばらくすると甘さが勝ってくるかもしれない。そして価格も割高である。もう六本は最もミネラルが確りしていて、例年ならば酸が充分にこなれていないテュルムベルクでいいだろう。安くはないが、今年の一本となるならこれだろう。その証拠にお替りを貰う常連さんもこの辺りに集まる。勿論飲みやすさではグレーフェンベルクなのだが、それは味が現時点で開いているということでは決してない ― もしそのようなことなら二年後には駄目になる。
その他で印象に残ったのはやはり甘口テュルムベルクのシュペートレーゼで、これも甘口グレーフェンベルクよりも酸が効いていて良かった。その他ではシャルタを試したが、苔臭いような感じで明らかに健康に熟成した葡萄というのからは遠い感じだった。若摘みだろうか。その他は試す価値もなさそうで、常連さんの人気も全く無かった。
参照:
ヴィルヘルム・ヴァイルのワイン 2010-09-05 | 試飲百景
素晴らしい投資相応の価格 2012-09-11 | 試飲百景
ラインガウへの途上で 2015-09-27 | 試飲百景
先ずは、グーツリースリングを試す。予想に反してミネラル風味があって清涼感がある。逆に言うと例年の酸が表に立たずに引っ込んでいるという事である。案の定、酸と糖が8g程度と半辛口仕立てになっているのである。そして階級が上がるにしたがって辛口へとその内容量が変わって来る。同じような傾向でオルツリースリングのキードリッヒも、予想していたように暑い夏の2015年にしてみると、それほど重くはないのである。アルコール12.5%であるから丁度良いぐらいである。そして酸もミネラルも明らかになって来る。
その次が黄土層のクロスターベルクである。これは流石に粉っぽいミネラルで、リースリング好きにはまるでラインヘッセンのようで若干げんなりする。それでもそれほど悪いとも思わなかったが、繰り返して試すことはなかった。そしてお目当てのテュルムベルクである。これはグラーフェンベルクの上部にあり、勿論風通しもよく気温などの点で暑い夏には有利である。前回このリースリングが良かったのは2009年産だった。傾向は似ているかもしれない。
そしてグローセスゲヴェックスのグレーフェンベルクである。これまた想定外の柔らかさである。例年ならばもう少し硬質で二年ぐらいは寝かしておかないと飲めないものである。要するに木樽による酸化で熟れ過ぎているような印象を受ける。それ故に期待されるミネラルの強さは感じられない。今年は前予約をしていないので無理して買わなくてよかったのだが、現時点ではリースリング好きには物足りなさを感じさせた。要するに柔らか過ぎる。
今年からは試飲会は一人12本を購入して初めて無料となるので、12本を選ぶ。先ずはキードリッヒかグーツリースリングかとなるが、六本買うならば前者で決まりだ。後者は飲み頃で飲みやすいが六本も開けているうちに飽きが来るだろう。そしてしばらくすると甘さが勝ってくるかもしれない。そして価格も割高である。もう六本は最もミネラルが確りしていて、例年ならば酸が充分にこなれていないテュルムベルクでいいだろう。安くはないが、今年の一本となるならこれだろう。その証拠にお替りを貰う常連さんもこの辺りに集まる。勿論飲みやすさではグレーフェンベルクなのだが、それは味が現時点で開いているということでは決してない ― もしそのようなことなら二年後には駄目になる。
その他で印象に残ったのはやはり甘口テュルムベルクのシュペートレーゼで、これも甘口グレーフェンベルクよりも酸が効いていて良かった。その他ではシャルタを試したが、苔臭いような感じで明らかに健康に熟成した葡萄というのからは遠い感じだった。若摘みだろうか。その他は試す価値もなさそうで、常連さんの人気も全く無かった。
参照:
ヴィルヘルム・ヴァイルのワイン 2010-09-05 | 試飲百景
素晴らしい投資相応の価格 2012-09-11 | 試飲百景
ラインガウへの途上で 2015-09-27 | 試飲百景