Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

雑食砂岩での怪我の功名

2016-09-10 | アウトドーア・環境
春以来、今年二度目の石切り場でのクライミングだった。アルプスに行く前に誘ったパン親方からの誘いだった。本来ならばザイルを使って登る練習を兼ねてのつもりだったが、八月はスイスやイタリアなどへと飛行機を飛ばしていたらしい。爪先も傷んでいるので特に登りたい訳ではなかったが、技術などの調整のためにも今後の練習を考えて登りに行った。

いつものことで最初は簡単なところを手掛かりなどを制限して拘りの登り方をするので、こちらもそれに合わせて登ると簡単なところが結構厳しい。徐々に難しくなって来るが、四本目は凹角のところで、恐らくこの二年以上は登っていないところだ。肩を痛めて避けていたのを今更ながら認識する。治っていることでもあるが慎重に登る。以前ならば簡単に両腕を広げて突っ張っていたところを、余裕を見て広げ過ぎないように登るので以前よりも丁寧な登り方になる。ブックコーナー形状の得意にしていたところである。以前よりは大分力を抜いて登れるようになっていることに気がつく。まさしく怪我の功名だ。

このルートは実は最上部の凹角ハングの乗り越しから最終の折り返しのハーケンまでが核心部である。流石に親爺は丁寧に態々フレンズ楔を掛けて万全を期す。それをそのまま置いておいてもらって登ったので、こちらも余裕を持って登れる。今までではやらなかったような凹角奥の右手のリスに手腕を突っ込んで乗り越すが、オバーハング乗り越しのしっかりした手掛かりを左手で掴むことになって、それより左上部にあるハーケンにザイルが掛け難くて、思わずカラビナを掴んでしまう。それでも以前からすると無理のない登り方が出来ていて、登り方の可能性が三倍ぐらいに拡大している。それゆえか雑食砂岩の割れ目に入れた肘を擦りむいて出血していた。

そしてその次はこの石切り場で苦手にしている垂直壁を最初の一本目のハーケンにだけザイルを残して登り始める。今までは左側にある穴を使うことでしか登れなかったのだが、真っ直ぐにそれを使わずに最初の足場に攀じ上がれた。理由は細い両手指先掛かりで体を持ち上げることが出来るようになったことで、勿論ボールダーからすれば容易なのだが、今までは出来ていなかった。原因として以前は手掛かりと足掛かりの力配分のバランスに拘りがあって、丁度車の四輪駆動へのバランスを臨機応変に変えられるような登り方がやっと身についたという事だろう。これもボールダー練習の成果である。その上部の本当の核心部は手にチョークなどを付けないと不安であるが、これもきっちりと超えられる実力はついてきているのを実感した。

親方は全部で六本を登ろうと思っていたようだが、五本で終了した。時刻が早いうちは汗も出たが、涼しくなって来ると秋らしくて気持ちが良い。蚊が石切り場の足元を飛び回っている。久しぶりに寝室にも蚊取り線香を付けたことを話して終了とした。なによりも脚に堪えたが、腰や臀部などは日曜日からの疲れやこけた痛みも残っているので新たな疲れは分からない。パン親方親爺は、金曜日にアーヘン辺りまで飛んで行って、そこから帰って来てから世界最大のヴァインフェスト、ヴルストマルクト600周年を13番テントで祝うようだ。

今後の課題は徹底的にボールダーで出来ていない技術を身につけることで、それによって5.10を完全マスターして、5.11への可能性を繋ぐところまで行けるかどうかである。もはや怪我の元となる室内壁に頼る必要もなくなった。それが出来れば大きな壁でも同じことが出来ることが分かったので、大いなる野望が広がる。



参照:
モンサントがバイエルになる 2016-05-22 | アウトドーア・環境
延長にも限界があるが 2016-08-19 | アウトドーア・環境
収支決算をしてみる 2016-09-08 | 生活
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