Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ティーレマンも恐らく失う

2019-04-09 | 文化一般
先日東京の「春祭」から戻ってきたヘイト親仁が何かを書いている。ザルツブルクからで、どうも取り巻く環境が落ち着かないらしい。ティーレマン支持者としては直にインタヴューしていないでも先週の言動から自らも「コブラ返し状態」に取り付かれているようだ。

先ずはティーレマンの発言を引用して自らのクレドを忘れない。「時にはプロイセンらしく、堅持に教育されていて、理想を求め、硬直しない限りにおいての規律をよしとするものである」。結構、そしてこの親仁は未だに未練がましく呟く、ティーレマンが土曜日に初日を迎える「マイスタージンガー」をやるにはやはりプロイセンのフィルハーモニカーだったら、ハンスザックスの言うように「君らには楽だが、僕には厳しいのだよ」と、本当は些か生意気な連中の鼻先にあてていきたいところだったとしている。

私の真似をして楽劇から言葉を抜き出すしているのは良いのだが、「ハンスザックス」と皆から祝福を受けた後の歌いだしの言葉で一体何が言いたいか?どうもティーレマンの権威で奴らを捻じ伏せることで、素晴らしい「マイスタージンガー」が叶ったということらしい。それはそのように思っていても自由なのだが、この親仁の卑怯さはいたるところに表れる。

つまり私が既に纏めたような客観的状況を書き記して、要するにティーレマンは「糞まみれの糞」と罵っていても、情勢が変わることを信じているらしいがと、彼自体がザルツブルクの人たちが得意な陰謀の罠に落ちていて、清浄出来るのだろうかと、また同時に三者の言及として特に魅力の無いバーデンバーデンから高いフィルハーモニカーを取り戻す心算なのだろうかと如何にも客観的な立場にいるかのように書き綴るところである。少なくとも両音楽祭の関係者からするとあまりプレス席を提供したくないような御仁である。

なるほど、「仕舞いにザルツブルクは、高価なフィルハーモニカーも連れ戻せず、ティーレマンも恐らく失うことになる。」とまるでザルツブルクを脅すような書き方をしている。まさしく親仁が一派として書ける最大級の支援の心算だろう。まさしく、上のプロシアへの言及といい、この脅迫紛いの客観的指示といい、支持者がこれで支持されるのがあれだ。要するにバカの一派である。

ローマの第九に対してもう一つ踏み込んだ評が出ている。それによるとペトレンコが戻ってきたのは2013年の「ラインの黄金」以来らしいが、その特徴を「細部に拘りながらも全体像を失わない」と綺麗に纏めつつ、その繊細なペトレンコは、このEUの歌にもなる歴史的な価値のある作品を、決して腰掛にゆったりと座ったり寝そべるようなことを聴衆には許さず、また複雑で身を乗り出す聴衆にも場所を与えず、ふにゃふにゃすることもなく、受け身の態度をも許さず、明確な指示とその強靭なその推進力において、また早いテムポにおいて、ダイナミックスのアクセントに、現代的な譜読みによって一つ一つの音符へと惹きつけるその能力でと皆を駆り立てたとする ― イタリア語の自動独訳なので抄訳からの意訳は試みていない。

「喜びの歌」では、合唱と独唱者が歌う総合的な音の建造物の終わりには、魔法から解き放たれたように、イタリアでは珍しく十分に及ぶスタンディングオヴェーションがなされた大成功が伝えられている。同時にサンタツェチェチーリアのサイトにはその様子を伝えるヴィデオが提供されている。興味深いのは指揮者が一身にブラヴォーを受けていて、私たちが思うような声への反応はあまり独唱者に浴びせられていない。ドイツ語の歌は胸騒ぐものでもないと思われる。三日とも初日を除くと殆ど満席に近かったようで、価格も手頃だがローマでは大成功ではなかったのだろうか。

ベルリンのフィルハーモニカーがメータ指揮で日曜日から「オテロ」の舞台練習を始めた。少なくとも復活祭シリーズとなってから初めての本格的なオペラ指揮者が登場することになる。上のティーレマンは、「ザルツブルクの大劇場ではアシスタントを欠かせないほど、バイロイトに次いで、奈落で演奏するのは難しい」としていたが、オペラ指揮者でもあるメータ氏の感想も聞きたいところだ。恐らくかなり興味を持って仕事をしていると想像する。聴衆側もラトル指揮では全くオペラ通には物足り無く、雰囲気が出なかったが、メータ指揮の楽劇ということで、今までとはまた違う会場の雰囲気が出ると来年へと弾みがつくと思う。先ずは初日だ。



参照:
不整脈辞退を受けて 2018-12-08 | 文化一般
還暦おめでとうの誘い 2019-04-02 | マスメディア批評
コメント
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