チャイコフスキーのオペラ「魔女」の一幕と二幕のヴィデオを観た。幾つか出てきた中で少しだけ映像を観て興味を持ったのはボリショイ劇場で2012年に簡易にヴィデオが回されて録音も拙いものだ。
真面に演奏しているように思われたからで、実際に無名の陣営乍、想定以上に参考になる上演のようだ。なによりも指揮が素晴らしい。調べてみると2012年の制作で、そこで一度だけ9月20日に主役を歌っている若い歌手の時も指揮しているのはアレクサンドル・ラザレフという人で、日本でお馴染みの指揮者らしい。ドイツではディスブルクあたりで振っていたようだが、ムラヴィンスキーの後継者となっていた時にボリショイの音楽監督になっているようだ。カラヤンコンクールでも優勝している。名前は聞いたことがあるのだがよく知らなかった。
Svetlana Kasyan. The Enchantress. Tchaikovsky. Bolshoi Theatre. Part1
無名で聴いていても明らかにゲルギーエフ指揮などよりもしっかりしていて、何よりもいいのは抜くところは抜きながら座付き楽団としては立派な指揮をしている。手馴れた感じがあり乍ら、見事な指揮である。ボリショイ劇場がこれほど質の高い演奏をしていたとは知らなかったのだが、ソヴィエト連邦の首都の時はどうだったのだろうか。
ソ連崩壊後は古い都のセントペテルスブルクへと関心が集まって、ゲルギーエフが率いる劇場などが西側でブランドとして扱われていたが、最近のボリショイの程度がこれぐらいとすると、モスクワの方が上ではないのだろうか。ユロウスキーが指揮していた楽団も悪くはなかったので、決して悪くはないのだろう。
音楽自体の未だ細かなところは分からないのだが、動機を上手に使っているようで、情景描写などを上手く入れいつものパターンで民族舞踊なども入れ乍らロマンツェに表現を集中するだけでなくデュオや重唱などと結構な力作となっている。そのドラマテュルギーは拙くても、チャイコフスキー自体がやはり劇場が好きで、その雰囲気や効果を出すことに精力を注いでいたことがよく分かる。
劇場指揮者であったマーラーがチャイコフスキーの管弦楽曲以上にオペラなどから学ぶことは多くあったのは間違いなく、バイロイトにも出かけたことがあるようにヴァ―クナーからの影響があっても、やはりチャイコフスキーの影響も大変強い。
チャイコフスキーが西欧ツアーした時にもマーラーが下拵えをしたりして、また多くの歌劇をロシア外初演をしたのがマーラーであり、チャイコフスキーはそれらを聴いて天才と呼んでいる。「タンホイザー」にとても打たれたようであったが、「オネーギン」が熱意をもって上演した事にも自身の指揮でのその反応と比較しても書いている。マーラーと支配人のポリーニの為にパーティも企画していて、マーラーの方はチャイコフスキーの事を紳士的でお金持ちそうと語っている。
友好関係は死を受けての悲愴交響曲と「ロミオとジュリエット」と「オネーギン」からを振っている。「イオランタ」と「スペードの女王」の指揮と、まさしくキリル・ペトレンコがマーラーを演奏するにも当たって教育的に振ることになったチャイコフスキーの数々である。
参照:
夜の歌のレムブラント 2022-10-22 | 音
あれやこれやの試み 2022-08-27 | 雑感
真面に演奏しているように思われたからで、実際に無名の陣営乍、想定以上に参考になる上演のようだ。なによりも指揮が素晴らしい。調べてみると2012年の制作で、そこで一度だけ9月20日に主役を歌っている若い歌手の時も指揮しているのはアレクサンドル・ラザレフという人で、日本でお馴染みの指揮者らしい。ドイツではディスブルクあたりで振っていたようだが、ムラヴィンスキーの後継者となっていた時にボリショイの音楽監督になっているようだ。カラヤンコンクールでも優勝している。名前は聞いたことがあるのだがよく知らなかった。
Svetlana Kasyan. The Enchantress. Tchaikovsky. Bolshoi Theatre. Part1
無名で聴いていても明らかにゲルギーエフ指揮などよりもしっかりしていて、何よりもいいのは抜くところは抜きながら座付き楽団としては立派な指揮をしている。手馴れた感じがあり乍ら、見事な指揮である。ボリショイ劇場がこれほど質の高い演奏をしていたとは知らなかったのだが、ソヴィエト連邦の首都の時はどうだったのだろうか。
ソ連崩壊後は古い都のセントペテルスブルクへと関心が集まって、ゲルギーエフが率いる劇場などが西側でブランドとして扱われていたが、最近のボリショイの程度がこれぐらいとすると、モスクワの方が上ではないのだろうか。ユロウスキーが指揮していた楽団も悪くはなかったので、決して悪くはないのだろう。
音楽自体の未だ細かなところは分からないのだが、動機を上手に使っているようで、情景描写などを上手く入れいつものパターンで民族舞踊なども入れ乍らロマンツェに表現を集中するだけでなくデュオや重唱などと結構な力作となっている。そのドラマテュルギーは拙くても、チャイコフスキー自体がやはり劇場が好きで、その雰囲気や効果を出すことに精力を注いでいたことがよく分かる。
劇場指揮者であったマーラーがチャイコフスキーの管弦楽曲以上にオペラなどから学ぶことは多くあったのは間違いなく、バイロイトにも出かけたことがあるようにヴァ―クナーからの影響があっても、やはりチャイコフスキーの影響も大変強い。
チャイコフスキーが西欧ツアーした時にもマーラーが下拵えをしたりして、また多くの歌劇をロシア外初演をしたのがマーラーであり、チャイコフスキーはそれらを聴いて天才と呼んでいる。「タンホイザー」にとても打たれたようであったが、「オネーギン」が熱意をもって上演した事にも自身の指揮でのその反応と比較しても書いている。マーラーと支配人のポリーニの為にパーティも企画していて、マーラーの方はチャイコフスキーの事を紳士的でお金持ちそうと語っている。
友好関係は死を受けての悲愴交響曲と「ロミオとジュリエット」と「オネーギン」からを振っている。「イオランタ」と「スペードの女王」の指揮と、まさしくキリル・ペトレンコがマーラーを演奏するにも当たって教育的に振ることになったチャイコフスキーの数々である。
参照:
夜の歌のレムブラント 2022-10-22 | 音
あれやこれやの試み 2022-08-27 | 雑感