Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

付け合わせザウワーボーネン

2023-10-26 | 料理
故コール首相の大好物アイスバインの缶詰を週末開けた。旅行先とは違って付け合わせなどを考えた。一度目はジャガイモのチップス風で煮凝りを溶かした。それが甘くて、ゲーテの愛したモンツィンゲンの2018年ものプリミエクリュが輪を掛けて素晴らしかった。2018年のグランクリュ「フリューリングスプレッツェヘン」も暑い年度で単調とされているに拘わらず落ち度のない年度ということを醸造所の垂直試飲で皆で確認していた。勿論これは酸がそれほど際立っていないので何十年も長持ちはしないが、開けた初日は最大級の素晴らしさだった。

そして二回目は、ザウワーボ―ネンというマメのザウークラウトと同じ乳酸での漬物を付け合わせた。なれていない新鮮なものなのでクラウトよりもむしろ癖はない。しかし若干酸味があるので、煮凝りの甘さを中和させた。通常の煮凝りの場合は酸が入っているのだが、これは足肉コラーゲンを其の儘詰めてあるので、その辺りの相性も少し違う。

リースリングに関しても開栓後二日ぐらいで酸が若干弱くなっていた。やはり正式にプリミエクリュに昇進する以前の年度だったので若干その辺りは仕方がない。この年度のグランクリュを何時か開けるのも楽しみだ。

ラフマニノフのお勉強を少ししている。やはり気になったのは、ペトレンコが復活祭中止でその代わりにベルリンで演奏した交響曲二番である。ざっと流しているだけではあまりやっていることは分からなかったのだが、楽譜を見ていると、そこ記してあるメリハリをしっかりつけて、テムピの設定も見事にコントラストをつけているのが分かった。

呈示部の繰り返しでも、二回目になると流麗に、逆に力感をしっかりつけて音の質も表情も変えている。それがどこで活きて来るかというと展開部の突然の転調でのはっとさせる効果などさりげなくなのだが音楽に深みを付ける演奏をしている。弦に木管が寄り添っての音色のグラデーションが味噌であるが、その管と弦のつけ方が絶妙で流石の超一流管弦楽団である。この面に関しては、管がしっかりと純声調で核を作り、そこに弦が寄り添うフィラデルフィア管弦楽団の演奏に期待したい。確かネット実況録音があるので先ずは確かめてみる。

それ以外にスケルツェの早いテムポやら運動性もペトレンコ指揮ならではの演奏で、尻を振っての指揮のネゼサガンでは無理なことは分かっている。

もう一つ「パガニーニの主題による変奏曲」は2017年にペトレンコ指揮で日本公演前にピアニストのレヴィットを招いてのアカデミー定期演奏会での録音がある。これも当時の印象からすると大分変わった。なによりもピアニストの癖が分かってしまっているので、以前はなかったそのソロを前後するように合わせているという感じがつよい。上手く合わせているのはペトレンコであり、テムピに定まらない歌手にも上手に合わせる座付き管弦楽団だというのがとてもよく分かった。そこが後に招聘されたアムランとの共演とは全く異なる。

ラフマニノフの動機の扱い方は少しブルックナーを思い起こさせて、その先にはロシア正教会などのメリスマ感覚があるのだろう。音響的にはマーラーなのかもしれないが、上行下行などを上手く組み合わせているなというのも印象に残った書法だ。恐らくピアノの右手左手などから来るものなのだろう。



参照:
曖昧模糊とした風景 2023-10-25 | 雑感
故コール元首相のご愛好 2023-09-14 | 生活
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