Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

山の中にある産業

2023-10-07 | ワイン
ワインを取りに行くつもりだ。先ずはグランクリュを回収してこないと、折角予約して別けて貰ったのに申し訳ない。収穫量が絞られていたということだが、週末に出かけると上手く行けばまだ試飲させてくれるかもしれない。

しかしお目当ては、その先摘み入っているプリミエクリュである。春にはまたその下の雑色砂岩土壌のリースリングがここ数年は最も本数を飲んでいるワインで、最低18本は開けている。2022年産は酸が効いていないので限界はあるのだが、アルコール度数も11%越えぐらいでどんどん飲んで仕舞う。僕の健康飲料だ。

プリミエクリュも試飲して最低量は購入する。そして最後のは残っているかどうか。場合によっては昨年のプルミエクリュが買えるかどうか。なんだかんだと纏まった本数になる。

来年の五月の試飲会迄は日常消費用をこのプリミエクリュの2020年物と他の何かを加えて、適当な中間価格のもので誤魔化していくのである。以前はグランクリュは祝日などの日にしか開けなかったのだが、最近はどこの醸造所でもいいものが醸造されるようになって、購入する本数も増えて、月に一本ぐらいは開けるようになっている。

ものによっては20年程寝かしておく方がいいものがあって、中々開け時を選ぶのが難しいのである。なにもユダヤ人商人でなくても投機の気持ちは浮かぶのがこれだ。フランスのシャムパーニュやワインなどはこれで価格が上がった。ドイツも戦前はその様に価格が高騰していたのだが、ユダヤ人迫害で富が逃げた。有名な啓蒙の弁証法のアドルノの実家もビンゲンのワイン商であり、フランクフルト学派のロートシールド家のフランクフルト周辺にそうしたシンジケートが出来上がっていたのも当然だろう。

こうした栄光を取り返す運動がこのワイン街道のご近所で始まったブルゴーニュシステムの導入で、四半世紀を経て軌道に乗った。私が個人的に各地の試飲会などに出かけて、親方やオーナーなどと話すと、ドイツ高級ワイン協会長等の多くと知己があり、この流れを引率している運動の待った中にいて多くを把握していることから、隠密指導員のような顧客になっているというのはそういう意味からである。

購入したサラダ脱水器を水洗いして、葡萄を洗って回してみた。脱水度はよく分からないが、バランスは良い。上から水を出すところは上手く機能した。製造元はジーゲンとハーゲンとカッセルの中にあるような所謂ザウワーランドの山の中にある町にある。小さな工場が衛星写真で分かる。所謂ヴェストファーレンの重工業地たちとは全く異なるが、それに代わるような先端産業でもない。精々人口減少を引き留めて近隣の職場を作ったぐらいの経済規模だろうか。

ドイツの場合はアウトバーン網が整備されているのでオルペに抜けるにしても30km30分ほどで達する。反対方向にも100km程なのでまずまずである。こうした辺鄙なところに工業を育てるにはやはり交通網の意味が大きい。



参照:
サラダの水切りのように 2014-09-07 | 生活
欧州のユダ、ユダヤの欧州 2009-10-28 | 歴史・時事
コメント
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