新年にあたって、ペトレンコの内輪のインタヴューが出されたようだ。シーズン途中で、本年の計画や指揮者としての心構えなどがその経験からも語られている。
五年間を経て、ベルリナーフィルハーモニカーとの時間を長く感じるかどうか?
全くそういうことはなく、その前の三年間もある。それでもいつも新鮮に驚きをもって最初の日のようである。長い関係で各々が感慨を持つような関係にはならないと思っている。お互いの協調関係は双方向なものだと感じている。いつも絶えず新たな要請を引き出す様なもの。
その要請で一体なにが生じるのか?
私自身からは管弦楽団にいい意味で限界まで探ることを要請しなければいけない。それは楽な領域から離れて、極限まで探るということになります。演奏会では一歩下がるということもあり得る。然し基本的には管弦楽団の尽きぬ潜在力を引き出すことが、最重要課題の一つと考えています。
同じく管弦楽団があなたから引き出すという様に?
表現に各々が全てを賭けるものでということ。一つのフレーズをどのように演奏するかで様々な見解がある。時間を掛けて為そうとする者、効果的に処理しようとする者。多くのオファーを受け取って、それを総譜の形に添って一つの形にしていかなければなりません。
管弦楽団の想いがあなたの想定するものと異なったらどうしますか?
練習に向かう時に悉くはっきりさせて挑みます。そうしなければ偉大な奏者の前で敗北となります。そこで合成されます。楽員の意見を入れるとして、練習で話し合います。打ち込む者ほど、より満足感も感慨も持つようになる。出来ることを示す可能性を持つことに自分自身の価値観を置きます。それを作曲家が授けたものに結びつけることです。
楽団を限界まで持って行くのに定まった技術があるのか?
楽団員を挑発するように試みます ― 特別な楽団であるということを絶えず意識させます。どのプルトにも才能豊かで輝きのある楽員が座っています。それを引き出すことこそが使命だと感じています。総譜から、作曲家の意志をまだまだ多く引き出さなければいけません。練習に挑んてよく言います、「あなた方の潜在力から一歩安全なところでいてはいけない」、そこに楽員は意欲付けられていきます。
今迄の協調関係であなたの理想とする演奏となったことがありますか?
それは、ある時は練習で、ある時は演奏会であります。奏者から大変多くの期待をしていて、それは反対方向と同じようにです。それでも私の美や統一への期待は未だ上回るということになります。それはある個所で完璧ということではなく、それは作曲家の要求、奏者の可能性を網羅するということです。仄かな幸福の時で、勿論毎晩体験できるものではないです。(続く)
参照:
Kirill Petrenko über seine Arbeit mit den Berliner Philharmonikern, DCH, Januar 2025
ドライには戻れない 2024-12-04 | 生活
決して邪魔させてはならぬ 2025-01-01 | 文化一般
五年間を経て、ベルリナーフィルハーモニカーとの時間を長く感じるかどうか?
全くそういうことはなく、その前の三年間もある。それでもいつも新鮮に驚きをもって最初の日のようである。長い関係で各々が感慨を持つような関係にはならないと思っている。お互いの協調関係は双方向なものだと感じている。いつも絶えず新たな要請を引き出す様なもの。
その要請で一体なにが生じるのか?
私自身からは管弦楽団にいい意味で限界まで探ることを要請しなければいけない。それは楽な領域から離れて、極限まで探るということになります。演奏会では一歩下がるということもあり得る。然し基本的には管弦楽団の尽きぬ潜在力を引き出すことが、最重要課題の一つと考えています。
同じく管弦楽団があなたから引き出すという様に?
表現に各々が全てを賭けるものでということ。一つのフレーズをどのように演奏するかで様々な見解がある。時間を掛けて為そうとする者、効果的に処理しようとする者。多くのオファーを受け取って、それを総譜の形に添って一つの形にしていかなければなりません。
管弦楽団の想いがあなたの想定するものと異なったらどうしますか?
練習に向かう時に悉くはっきりさせて挑みます。そうしなければ偉大な奏者の前で敗北となります。そこで合成されます。楽員の意見を入れるとして、練習で話し合います。打ち込む者ほど、より満足感も感慨も持つようになる。出来ることを示す可能性を持つことに自分自身の価値観を置きます。それを作曲家が授けたものに結びつけることです。
楽団を限界まで持って行くのに定まった技術があるのか?
楽団員を挑発するように試みます ― 特別な楽団であるということを絶えず意識させます。どのプルトにも才能豊かで輝きのある楽員が座っています。それを引き出すことこそが使命だと感じています。総譜から、作曲家の意志をまだまだ多く引き出さなければいけません。練習に挑んてよく言います、「あなた方の潜在力から一歩安全なところでいてはいけない」、そこに楽員は意欲付けられていきます。
今迄の協調関係であなたの理想とする演奏となったことがありますか?
それは、ある時は練習で、ある時は演奏会であります。奏者から大変多くの期待をしていて、それは反対方向と同じようにです。それでも私の美や統一への期待は未だ上回るということになります。それはある個所で完璧ということではなく、それは作曲家の要求、奏者の可能性を網羅するということです。仄かな幸福の時で、勿論毎晩体験できるものではないです。(続く)
参照:
Kirill Petrenko über seine Arbeit mit den Berliner Philharmonikern, DCH, Januar 2025
ドライには戻れない 2024-12-04 | 生活
決して邪魔させてはならぬ 2025-01-01 | 文化一般
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