(承前)オーラトーンの記事にコンスタントにアクセスがある。こちらも関連記事を探した。なるほど私のようにPC絡みでも、ホームシアターとしても、またなによりも生産中止されていることからコレクション心を擽る対象となっているようだ。
そして私が所有しているのは初期型だと分った。後期型はリムにウレタンを使用しているようで穴が開いてしまっている写真もある。それだけでも初期型の布製のものの方がよいことが分った。
自身のものは、80年代初めにスーパーダイエーの専門店にて安売りで入手したものだったから、それほど初期型ではないと思っていたが、ユニットのねじ止めが十字架形配置で後期の×形配置ではない。それでもスタジオで見かける旧式のものからすると大量生産商品だろう。
十五年ほど全く使用していなかったので状態は良いのだが、暫く箱に詰めて放って置いたのでスポンジのカヴァーがボロボロになってゴミが出てまた外れ易いので両面テープで留めてある。PCに繋いで映画を見たり、ネット放送を聴いたりサムプルの音出しなどには十分で重宝している。
ミキサー卓上においてあるように目前で真ん中のモニターを眺めながら音出しすると、定位だけでなく、位相の乱れが少ないのでマイクからの距離感やミキシングなども比較的分りやすい。そうしたヘッドフォーンでも分りにくい面も確認可能である。
久しぶりに車中で聞くようなラジオの文化放送波をこれで流してみると、特にコンサート中継などはその中域の張った音も然ることながら、オーケストラの楽器間などの間合いが分り過ぎて、興醒めで通して聞く気にすらならない。日本で嘗ては、エアーチェックと称して海外からの中継録音などを熱心に聞いていたのが嘘のようである ― どうも昨今はWIFIのインターネットラジオが人気あるようだ。
なるほど1990年代にはドイツにおいてもハイクオリティーデジタル中継DSRがあり、その当時のDAT録音を聞くと、生中継などは副調整室並の音響で捉えられているのを確認でき、バイエルン放送交響楽団を指揮したオットー・クレムペラーやイッセルシュテット指揮などの放送録音などの瑞々しい臨場感は素晴らしいが、ネット放送にはそこまでのものは求められないだろう。
その原因は様々だろうが、車中で聞き流す環境に比べて、PCの前で音楽を聞くというのはどうしても批判的な耳が働きやすいようで、特に上のようなスピーカーで聞くと演奏や録音の技術的な荒が目立つからなのだ。丁度これを書きながらフランクフルト放饗にデビューしたイェルビ指揮のブラームス作曲交響曲二番に耳を傾ける。楽団も嘗てのように弾き込めていなくお上手にも上等ではなく、指揮者にとっても只のレパートリーの一曲でしかないのだから全くものになっていない。もはやこうした曲を今後如何に演奏しても20世紀の演奏芸術の域には到底及ばない。
さて、フランク・シェーンレーバーに持って来て貰ったグーツリースリングであるが、予想通りの出来であった。味の妙味からすると2009年の方が複雑味があったかも知れないが、より厚みがあってバランスが良い。スレートの旨みも満載でハーブ風味が効いているので時間変化とともに変化があり飽きが来ない。この価格としては秀逸である。減酸のあとを批判的に飲みたくないので2010年は購入しなかったが、殆どこれは我が家のスタンダードワインである。青く研ぎ澄まされたスレートとはまた異なるスレート味をここまで愉しませて貰うとそれ以上付け加えることは無い。(続く)
参照:
世界の机の前に齧り付く 2008-06-15 | テクニック
前に広がる無限の想像力 2008-06-17 | 音
そして私が所有しているのは初期型だと分った。後期型はリムにウレタンを使用しているようで穴が開いてしまっている写真もある。それだけでも初期型の布製のものの方がよいことが分った。
自身のものは、80年代初めにスーパーダイエーの専門店にて安売りで入手したものだったから、それほど初期型ではないと思っていたが、ユニットのねじ止めが十字架形配置で後期の×形配置ではない。それでもスタジオで見かける旧式のものからすると大量生産商品だろう。
十五年ほど全く使用していなかったので状態は良いのだが、暫く箱に詰めて放って置いたのでスポンジのカヴァーがボロボロになってゴミが出てまた外れ易いので両面テープで留めてある。PCに繋いで映画を見たり、ネット放送を聴いたりサムプルの音出しなどには十分で重宝している。
ミキサー卓上においてあるように目前で真ん中のモニターを眺めながら音出しすると、定位だけでなく、位相の乱れが少ないのでマイクからの距離感やミキシングなども比較的分りやすい。そうしたヘッドフォーンでも分りにくい面も確認可能である。
久しぶりに車中で聞くようなラジオの文化放送波をこれで流してみると、特にコンサート中継などはその中域の張った音も然ることながら、オーケストラの楽器間などの間合いが分り過ぎて、興醒めで通して聞く気にすらならない。日本で嘗ては、エアーチェックと称して海外からの中継録音などを熱心に聞いていたのが嘘のようである ― どうも昨今はWIFIのインターネットラジオが人気あるようだ。
なるほど1990年代にはドイツにおいてもハイクオリティーデジタル中継DSRがあり、その当時のDAT録音を聞くと、生中継などは副調整室並の音響で捉えられているのを確認でき、バイエルン放送交響楽団を指揮したオットー・クレムペラーやイッセルシュテット指揮などの放送録音などの瑞々しい臨場感は素晴らしいが、ネット放送にはそこまでのものは求められないだろう。
その原因は様々だろうが、車中で聞き流す環境に比べて、PCの前で音楽を聞くというのはどうしても批判的な耳が働きやすいようで、特に上のようなスピーカーで聞くと演奏や録音の技術的な荒が目立つからなのだ。丁度これを書きながらフランクフルト放饗にデビューしたイェルビ指揮のブラームス作曲交響曲二番に耳を傾ける。楽団も嘗てのように弾き込めていなくお上手にも上等ではなく、指揮者にとっても只のレパートリーの一曲でしかないのだから全くものになっていない。もはやこうした曲を今後如何に演奏しても20世紀の演奏芸術の域には到底及ばない。
さて、フランク・シェーンレーバーに持って来て貰ったグーツリースリングであるが、予想通りの出来であった。味の妙味からすると2009年の方が複雑味があったかも知れないが、より厚みがあってバランスが良い。スレートの旨みも満載でハーブ風味が効いているので時間変化とともに変化があり飽きが来ない。この価格としては秀逸である。減酸のあとを批判的に飲みたくないので2010年は購入しなかったが、殆どこれは我が家のスタンダードワインである。青く研ぎ澄まされたスレートとはまた異なるスレート味をここまで愉しませて貰うとそれ以上付け加えることは無い。(続く)
参照:
世界の机の前に齧り付く 2008-06-15 | テクニック
前に広がる無限の想像力 2008-06-17 | 音