Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

新品PCのような軽やかさ

2014-03-16 | テクニック
先週のミュラーカトワール醸造所での試飲会の記憶を忘れないうちに書き留めなければいけない。しかし、持ち帰ったワインをもう少し試したいのである。

さて、メモリー増設は上手く行った。第一二目のスロットから各々256MB8CH のRIMMを二枚抜いて、第三四目のスロットのダミーであるCRIMMと称するものを抜く。そこで先ず第一スロットに512MB16CHを押し込み、第二スロットにも同じように差し込む。開いた第三四目のスロットに抜いた既存のものを其々差し込む。

増設完了である。早速ワークステーションを立ち上げると直ぐにメモリーの配置が変わったとバイオスが知らせてきたので、BIOSを開いてそれを確認する。しっかりとメモリーの各々の配置と数値が画面に表示される。チャンネル数、容量、ECCなど購入した通りであり、完動していることがこれにて示され、問題が生じないことが予想された。

XPを立ち上げて、パフォーマンス分析を先ず開く。メモリーの挙動は頂点に達しても直ぐに減衰する形で鋭いパルス状の挙動となり、ハードディスクもそれに応じて収まるのがとても速く直ぐに動かない状態となる。予想外なのはプロセッサーの動きで、メモリーの挙動に合わせて比較的素早い動きで稼働することになり、以前よりも頻繁に動くようになっている印象である。兎に角、立ち上がり後の終了がとても速くなっている。

そこで、様々なソフトウェアーなどを開いていくが、予想以上に反応が良くなっていて、時間が掛かったのはやはりブロウザーのマルチタスクで、全てのタグの内容をリロードするのにメモリーが働く。そして完了すると直ぐに落ち着くのである。つまり、ネットサーフィン時などの反応がとても良くなった。

操作感からすると、殆ど最新式のPCを購入したてのような快適さの軽さがあって、これは予想をはるかに超えた。また画像処理などの比較的大きな作業もプロセッサーのフル活動を求められそうであるが操作感はとても改善されたようである。

初めてのメモリー増強であったが、これほど改善されるならばなぜもう少し早くやらなかったのかと考える。画像の動きが悪くなったのは半年ほど前で、冬篭りまであまり時間がなかったので我慢してしまったのだが、やはりノートブックだけではデータベースやその他の使い難さもあって不便であったのだ。

その後、ハードディスクのCとDの使い方などを再考している。Dをもっと盛んに使いたいのだが、容量の半分をLINUXをインストールしているのでそれほど余裕がないのだ。どこかでCが破損してしまえば再構築できるのだが、あらかじめ動かす予定もない。

新聞の技術欄にXPのサポートが四月で終わり、アップデートがなくなった後でハッカーによる研究が進むのでもはやオンラインで使うのは危険とある。そこでは無料のセキュリティーエッセンシャルスには触れられていないが、ディフェンダーについては触れられている。今回の増強でどうもWIN7が使えるようだが、勿論購入する心算などはさらさらない。もしセキュリティで問題が出るようならばLINUX化を推し進めていく所存である。



参照:
メモリー拡張前のメモリー 2014-03-14 | テクニック
アンチウイルスの自己防衛軍 2013-02-02 | テクニック
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夢中になれるボールダー

2014-03-15 | アウトドーア・環境
ボールダーにこれほど夢中になれるとは思わなかった。その営みの気軽さと満足感の兼ね合いだろうか。嘗てトラウマになった断念の時には全く気がつかなかった喜びである。

僅か二時間もあれば、身体がぼろぼろになるだけでなく、静かな森の中で集中した時を満喫出来て、尚且つとても頭脳プレーを展開するのである。とてもシムプルな体の営みが同時に可成り高度な頭脳労働でもあるのだ。

なるほどクライミングでも技術的な面白さを感じるようになってからは、結構システマティックな意識を以て上達に励んできたのだが、ボールダーの課題を解くその醍醐味はまさしく数学の問題のようなものである。

夕陽に染まる前に課題に挑んで、同じ壁の中のより容易そうな方を試しても上手く行かないので、もう一つを試して断念して、元に戻って、更に解決策が見えないので二股をかけるが、どう見ても容易であるのは最初の課題であることを再確認して、漸く糸口が掴めるまでに、登り付くべき頂稜を確かめて、手掛かりを確認してと右往左往した。それほど、最初のアイデアを実行に移すのは、難しかったのだ。

そこで最後に試しに右手の手掛かりを変えて試してみると、驚くことに立てるではないか。すると上の手掛かりに手が届く。残念ながらその手掛かりを握れなかったが、こうなれば動きは定まった。それを克服できれば登り切れることを確信した。そして三回目の正直で狙いを定めたその場所に手が掛かったのである。

夕陽が燃えて稜線に近づく中での達成感は、最初に試行錯誤して途方に暮れていたからこそ余計に高まったのであった。肉体的にも瞬発的に出し切らなければいかず、その解決策への道筋もそれなりに頭を巡らさなければいけなかったのである。

所謂垂壁の登攀であるから、ボールダーを専門にしている者よりも我々の方が経験もあり、クライマーとしては登り切らなければいけないという自負もあった。なるほど解決策が分かってしまえば、そこに向けて体をもっていくだけなので問題ないのだが、最初は途方に暮れるだけなのである。

お蔭で体はボロボロになったが、風呂に浸かって、体を解すと、貪るように眠るしかなかったのである。当日は、このラムゼスブロック以前に、クライナーマンテルブロック、クッベルブロックやブークブロックを覘く。特に最後のものは二つを試したが、カニスタートラヴァースは繋がらなかったが部分部分は可能である。角を左に上がるカニスター440は解決策は一つしかなさそうだったが右手が返らないので難しい。何回もやると右肩を壊しそうで先ずは断念した。その他は斜面上部にあるにも拘らずなぜか苔が湿った感じでもう少し乾く時期になると良いのかもしれない。そして帰り道に、オッフェンロールブロックをかすめて車道に出る。当日の気温は摂氏19度に達していた。



参照:
文字通り苔が生えている 2014-03-13 | アウトドーア・環境
青天井の気持ちよさ 2014-03-09 | アウトドーア・環境

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メモリー拡張前のメモリー

2014-03-14 | テクニック
消費電力が馬鹿にならないというものの、仕事に使うのであるからワークステーションも有効利用しなければいけない。2001年ごろの購入であるから、その機能も時代遅れのものになりつつあるのだが、ツインプロセッサーシステムの安定性は、今回もパフォーマンス分析で、明らかとなった。

1.7GHzであるから現在の速度とは全く異なるのだが、画像処理などでもそれほど問題は無かった。しかし、AGPヴィデオソケットを焼きつけて、PCIカードに交換してからは、画像処理と共に動きが遅くなったのである。今回メモリーを拡張するに至った原因はそこにあるのだが、分析の結果、問題はメモリー容量が小さいのか、頻繁に所謂仮想メモリーを利用するためにハードディスクを動かしていることが作動を不安定にさせていたのである。

特に最近は「オペラ」を使ってもブラウザーなどのマルチタスクが厳しくなってきていて、画面が切り替わるのが遅くなってきていたのである。ツインプロセッサーには余裕がある一方、メモリーとハードディスクに負担が掛かり過ぎていたのであった。

そこで試しに仮想メモリーをシステム起動ディスクのCからDに移してみると若干改善されることが確認できた。その二つのディスクは物理的に分かれた二つのハードディスクであり、前者は経年変化を起こしているのだろうが、後者は、あまり使っていなかったので、若干反応性能が良いようである。

今回メモリーを拡張することで、仮想メモリーへの負担を減らすことが出来れば、明らかに反応性が上がるという仮定を引き出したのである。現在使用しているのは、サムソン社の256MBのペアーで、合わせて512MBとなるが、512MBの二枚組が60ユーロほどで提供されていたので、それを発注した。ECCとNON‐EECを混ぜると全てがNONになってしまうということで、ECC機能付のようである。

期待するのは、パフォーマンス分析で、メモリー作動が振り切れないようになることなのだが、全体量が三倍になるメモリー効果が出るのか出ないのか注目である。初めてメモリーと言うものを購入したが、日本ではメモリー拡張と言うのが盛んなようで、ノートブックでも頻繁に為されているらしい。しかし実際に効果がみられるのかどうかは怪しいように思われ、今回の拡張で明らかな効果が出ないようでは、殆ど価値が無い商売のための売り宣伝と言うことになるが、さてどうだろう?



参照:
カメムシ型の無線マウス 2013-06-20 | テクニック
それでも収束に向かわなかった 2011-04-30 | テクニック
生の流れに流されたのか 2011-04-28 | 雑感
音響増幅ボードへの期待 2008-06-02 | テクニック
陽気な音で埃をたてる 2007-02-25 | テクニック
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文字通り苔が生えている

2014-03-13 | アウトドーア・環境
三月十日のボールダーの成果を書き留めておこう。連日の晴天で一週間前の晴天よりも条件は良かった。そして十分に暖かかった。

先ずは、先日上手く行かなかったマクロブローの「ロッホマスター」を登って乾き具合を確認して、座った姿勢からカンテも熟して、そこからライステンヴァントにまわり、先日上手く行かなかった「カラムボ」を熟してから、懸案のホッホヴァントを試す。

そこで「フォアシュピール」と「カンテントラヴァース」はまだ解決できていないが、最も難しいと思われていた「ゲネラツィオンx」の解決策が分かって、登れることが確認できたので次の大きな楽しみである。

その下のモースプラッテは乾いていたので、問題なく登れた。少しでも湿っていると文字通り苔が滑って登れないのだが、天候が幸いした。恐らくこの地域の最も簡単だが代表的な摩擦登攀課題である。

その後、ヴュンシュヴァントの既に熟した割れ目の右側を登る。上手く行ったが、最初からもう少し左側を登らないといけないのかもしれない。次の課題だが、初見で登り切るルートを探し出し、手探りで登り切った自信はとても大きい。

ポッペルブロックの課題「アドデュクタトール」を解決した。上部にある手掛かりを知っていたから登り切れたようなものであるが、これで残る難しいものに挑戦する手掛かりが出来た。

ルッツブロックの摩擦登攀は次の次元に至ったが、まだ乾き方が足りないかもしれない。最後にアレックスブロックを試したが触るだけで最早力が尽きていた。二時間近く登ったことになる。

その他を触った結果はまだデータバンク上で分析できていない。どんどんと課題を片づけて行くのは快感で、その先に5.11の克服が見えてきているので嬉しくて仕方がない。そして赤く染まる夕陽、快い疲れと共にスーパーへと立ち寄る、なんという満足感であろう。



参照:
青天井の気持ちよさ 2014-03-09 | アウトドーア・環境
木曜日の案内の下準備 2014-03-07 | アウトドーア・環境
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311の現実主義的感慨

2014-03-12 | アウトドーア・環境
体を解すために一っ走りする。山道を短く、7分1104歩、戻ってきて17分2634歩である。車を開けるとフクシマを記念してのデモなどで、安倍政権の新エネルギー政策を難しくしているというニュースの途中であった。

311と言うことである。「原発さえなかったら」に尽きるのである。IWJの特集番組などを観た。一つは「【北海道】3.11福島原発メルトダウンその時ー現場と官邸からの真実 」」と題するもので菅直人の講演との泊原発の廃炉をめざす会代表がインタヴューするというものだ。それを観ていて、菅直人が未だに嘘をついているのかが良く分かった。なによりも事故対応については肝心のところが喋れないのである。また質問者も其処が突けないような構図になっている。なぜか?それは、もう一つの別番組「孫崎享・飯田哲也対談「原発と安全保障を語る-都知事選を終えて-」」を観ていて、特に孫崎氏の発言などで感ずるところが多かったのだ。そしてその推測は恐らく正しいだろう。

先ず質問者が、会場の人々からのそれを含めて重要なところを突けないかは、明らかに一般市民には重要な情報が流されておらず、未だに一部の噂としてぐらいしかなっていないことが多いので、飯田哲也が言うように東京都民の多くにも「フクシマが知られていない」のである。

外交関係者の情報などから推測すれば、日本に駐留する在日外交・軍事関係者が今回のフクシマ事故対応に大きな影響を及ぼしたことは間違いなく、在京米大使館が動かせたという四千人もの原子力専門家の存在は無視できない。要するに、菅直人が口を閉ざしている部分と言うのは外交秘密と言うよりも日米安保条約などの大枠で「特定秘密」とされる部分なのであろう。これは、恐らく首相の就任時に署名捺印されているような職務的な守秘義務なのであろう。

例えば避難に関しての槍玉に挙がるスピーディシステムであるが、そのようなものの存在以上に風向きや地形などで十分にその避難計画を立てられた筈なのである。それどころか在京大使館経由で重要な情報が首相のもとに流れていたからこそ守秘義務として嘘を吐きつづけているに違いないのである。

孫崎氏が、911の四機目の撃墜の可能性に触れていたが、なるほど証拠はないものの、あり得るのはフィラデルフィアなど大都市近郊での原発突入を謀りそうだったので撃墜したという説である。なるほどあの事件後、ドイツでは民間航空機ハイジャック時の原発突入に備えた撃墜命令の法案の憲法裁判が行われたのであった。当時の大統領ケーラーが法案可決の署名を拒んだからであった。ドイツは現実合理主義なので、実際に破壊工作の実例や計画が無い限りそのようなことは議論することが無い国民性である。やはり、アルカイダの目標にそれがあったからこそ、その後日本などでもテロ対策が原発で取られるようになったのであろう。



参照:
独駐日大使からの福島報告 2011-06-29 | 雑感
デジャブからカタストロフへ 2005-02-19 | アウトドーア・環境
中間報告書へのコメント 2012-01-30 | マスメディア批評
首都解体への都知事選 2014-02-08 | 歴史・時事
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素材の耐用年数の縮小

2014-03-11 | 雑感
夏が急速に近づいてきた。いよいよ屋根裏部屋の冬眠生活から明けなければいけない。そうなると仕事で使っているワークステーションの調子が気になってくる。画像処理などの関係でメモリー不足を感じているので、増設を検討してみた。70ユーロほど投資すれば可能なようだが、最大の問題はワークステーション自体の電力消費量だと気がついた。460Wは点けっぱ無しにしておく消費量ではないことに気がついた。

解決策としてノートブックを併用することしかなさそうである。カメラのデータ転送もノートブックを使うわけであるからそれで良いと思われるが、その場合はノートブックを動かす頻度が増えるに違いない。耐用年数を下げるかもしれないが所詮ノートブックであるから、まあそれでよいのだろう。

注文していた安全ベルトが届いた。ペッツル社製のサマ2013年モデルである。Lサイズを注文したのだが太ももの太さが心配であった。装着してみると、予想通りかなりフィットしている。「太ももを鍛えて二三センチ太くなるともう駄目だ」と誰かが書いていたが、実際に取説に手の先を押し込むぐらいがよいような図がある。ゴムが入っているので伸びるので、恐らくずり落ちないぐらいが丁度のサイズというコンセプトだろう。

胴回りは、紐の余りが丁度無くなるぐらいのところで締めるので、太ると使えなくなるということかもしれないが、これまた図にあるように腰骨に落とした形では絞めてはいけないで、胴を絞るようにしろとあるので、一番安全な締め方であるはずだ。夏になれば更に身体が締まってきて薄着になるので丁度なのだろうか?もう一つ大きなXLとなると絞り込むことになるので、今まで使っていた2010年モデルものと同じように腰から抜けないか心配になる。そしてなによりも体格からして最も大きなサイズを使う根拠が見つからないのである。更に太ももがずり落ち気味になると全く情勢は変わるに違いない。このLが適合サイズと先ずはしておこう。

早速ぶら下がってみると、形状が変化したその影響は僅かしか感じないが、とてもバランスが良くて、送り返したエーデルリット社製のものとは全く次元が異なる。素直に座れる形になり、頭が後ろに引かれることがないのである。これはあらゆる想定を考えても最高の設計思想であって、墜落後の最も厳しい状況で頭を上げて座っていれることの素晴らしさは、生死を分ける。それはオヴァーハングの下での作業も全く同じであり、なんらのブランコやハンモック無しに三十分ぐらいは我慢できるものが望ましい。

そのような抜群の性能を維持しながらも、Lサイズの計量が378Gにしかならないのが素晴らしい。今使っているものが420Gを超えているのでその差は甚だしい。但し製造はフランス製ではなくてシンガポール製である。それでも送り返したヴェトナム製のエーデルリットとは比較できないほどの仕上がりの良さである。やはりシンガポールはヴェトナムと違って工業国だというのがこれでも分かる。

合わせるサイズに拠るが、胴が一本締めなので、あまり締められないと用具吊りの位置が左へと下がっていき、左右対称ではなくなる。そこが一番の欠点だろうが、左右非対称というのは右利きの者にとって決して悪いようには思われない。実際に使ってみなければ分からないが、少なくとも用具の重さが現在使っているものよりも邪魔にならないような気がしている。これも新しい形状とそのサイズの合わせ方に拠るに違いない。

あまり気に入らなかった色合いは、新品のうちは思っていたよりも悪くはない。なによりも今回54ユーロで購入できたのは価値があり、2012年モデルの古い型落ちのものと殆ど変わらない価格である。こうして比較してみると、フランス製とシンガポール製の差はあるかもしれないが、古いモデルを購入しておく価値はあまりなさそうだ。同時に軽量化やその素材選びが厳選されていくと価格も抑えられるかもしれないが、消耗も激しくなることは明らかで、現在のように熱心にクライミングをしていると三年はもたないに違いない。



参照:
ポピュリズムのサボータージュ 2014-03-02 | 歴史・時事
ハイエンドではない大根 2014-03-01 | 雑感
カメムシ型の無線マウス 2013-06-20 | テクニック
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円満で本物らしいバッハ像

2014-03-10 | 文化一般
火曜、水曜、木曜、金曜日とクライミングとボールダリングだったので走る時間が無かった。日曜日に続いて、頂上まで駈けた。陽射しがあるので思い切ってショーツだけになったが、上はTシャツでは寒いので、フリースを着て始めた。

頂上部の入り口まで4382歩、29分は予想通りのタイムであった。出だしから顔が上がりしっかりと上部の進路が良く見えていたので、ある程度のスピードが出ていると感じた。頂上部ではあまりスピードは出なかったので5900歩、36分で、それ程良くはなかった。しかし、急坂の走りとその流れは可成り良い感じで、下りにも背中が伸びて、まるでカモシカのような走りになってきている。結局降りて来て9700歩、63分であった。

反感は結構あったが、クライミングでの青天井感が走りでの積極性に繋がっているのを感じるが、なによりも気温が上がってきて、身軽に走れるようになって、大分気持ちが良くなってきた。今日は窓を開けて日差しを浴びて室内で仕事が出来そうだ。

現在ベルリンのドームで展示されているヨハン・セバスチャン・バッハの水彩画が話題になっている。1928年から知られていた肖像画で、ヴァイオリン協奏曲ト調BWV1021の自筆譜などと所持していたアイゼナッハ貯蓄銀行員マンフレット・ゴルケの先祖でバッハの弟子が所持していたもので、バッハの最初の伝記を纏めたヨハン・ニコラウス・フォルケルによって触れられている。その後、持ち主は変わったが、昨年の12月にアイゼナッハのバッハハウスのイエルグ・ハンセンが入手したものである。また息子のカール・フィリップ。エマニュエルが最も父らしいものとして評価している肖像画である。しかし、我々が知っている厳しい顔のパパバッハとは異なっていて、目元が優しく、まさに大家族を支えた円満なバッハ像なのである。五月からは地元のアイゼナッハのバッハハウスで公開されることになる。



参照:
Wer ist dieser heitere Herr in der rosa Weste?, Jan Brachmann, FAZ vom 7.3.2014
フランクフルトのバロックの夕べ 2014-02-18 | 文化一般
狂っているか?、大芸術 2013-12-14 | 音
何事も初制覇の心意気 2014-03-03 | 生活
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青天井の気持ちよさ

2014-03-09 | アウトドーア・環境
金曜日室内壁38日目であった。懸案の庇部分を二度目の挑戦で克服した。一度目から二月近く時が流れていたようだ。前回は確保していたのが「農民」であり、彼は確保に器具を使っているので、細いザイルの伸びを微調整する技を持っていない。序に言えば、彼は可成り岩登りを経験しているのだが、未だにザイルの動きで判断や決断をする力量を持っていない。この冬シーズンから漸くスポーツクライミングの技を身に付けてきているのだが、本格的なクライミングのそれを身に付けるのは何時のことだろう。

そして今回は町医者に確保させたので、僅か二十センチほどの後退が無くなったので庇の下で休んでも次の動作に問題なく移れる。その場所で、施設後二月後の今でも挑戦する三分の一以上の者が断念する核心部なので、とても大切な確保動作なのだ。そこから躊躇なく進める能力は、やはりこの数週間のボールダーリングにあると思っている。決して、腹筋や背筋がついた訳ではないだろうが、瞬発力と言うか庇の下での足使いと共に問題なく出来るようになっていた。慣れである。

庇の下を登るので新しい靴を使おうかどうか考えたのだが、その下の長いオーヴァーハングに古い靴を選択することで庇の下まで力を温存して登れたのも勝因に違いないようだ ― そもそもその古い靴でクリス・シャーマはとても長いオヴァーハングを登っている。そして二回目の正直で、技術的な天井が完全に抜けたので、長かったプラトーも脱したと言える。夏時間まで三週間少しなので、丁度良かった。

我々のセクションで最も高度な5.11級のスポーツクライミングを登る仲間がマラソンマンと一緒に来ていたが、この室内壁を建設したセクションの連中とは全く異なって、オヴァーハングなどの技術的な部分が熟せないでいた ― 所謂捩じり登攀技術を身に付けていない。そのような技術的な体系の問題もあるが、スポーツクライミングを標榜する限りは、やはり競技スポーツ的な技術もある程度熟せないと駄目である。

木曜日はライヴァルを案内してボールダを案内した。前日に比べて湿度が高かったので気温は高かったのに岩の状態は決して良くなかった。それでも、幾つか試して、偶然に新しいものも見つけた。

流石に我々の仲間で最も強いクライマーだけに何とか高難易のそれらにも被り付ける能力があって、彼がそこに通うようになれば高度な技術を身に付けるようになるに違いない。「秘密トレーニングをしなければ」と言うが、それぐらいに頻繁に彼が通うようになれば、彼も技術的に青天井になりそうだ。



参照:
木曜日の案内の下準備 2014-03-07 | アウトドーア・環境
新しい靴でボルダーリング 2014-02-14 | アウトドーア・環境
愈々佳境のプラトー現象 2014-02-14 | アウトドーア・環境
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2010年産ポマールを試す

2014-03-08 | ワイン
先日ポマールの2010年物を開けた。予想とは異なってとても繊細なものだった。ドメーヌ・パールンという醸造所のものだが、ポマールのイメージの強くて熟成を待つというものとは大分異なっていた。殆ど新樽を感じさせなかった。恐らく、保存向きとそうでないものとを使い分けているのだろう。

チェリー香味が強く、ミント系の薬草も感じたが、土壌はあまり感じなかった。だから価格27ユーロは微妙なところだが、少なくとも2010年産のシュペートブルグンダーではこのようなものは生まれないことは分かっている。それだけでもブルゴーニュの価値はあるだろう。この価格帯でこの質のシュペートブルグンダーが排出されるのは十年に二度ぐらいだろうか。

ポマールのスーパー価格は比較的高値安定なので、頻繁に消費するのはどうかとも思うが、来週末にバーデン・バーデンに出かける際はまた一本購入しておいても良いかと思った。

一部は鶏胸肉煮にも落としたが、二日掛けてじっくりと飲んでも、品質がとても安定していて、その作りの良さは十分に感じられた。

また先日、ミュラー・カトワール醸造所のビュルガーガルテン2011年を開けた。2010年に続いて開けたことになる。この二つを比較すると2011年の方が良かった。理由は、減酸の有無で、減酸をしたら矢張り品質は下がる。2011年で真面な減酸作業をしたリースリングの醸造所などは指を折る数しかないのが実態である。

2011年は過熟成で重いのだが、そもそもビュルガーガルテンは土壌が重く、この醸造所はアルコールを上げること以上に十分なグローセスゲヴェックス醸造が完成していないので、この2011年も重めである。しかし、それに拘わらず、ナッツ風味と恐らく培養酵母から生まれるミント香味が味を良くしているのである。本来ならば、まだ十分に開かれていない時期であるが、それほど先が期待できないのだから今開けても悪くはないのである。価格からしてそれほど悪くはなかった。



参照:
手練手管の質やその価値 2014-02-21 | 数学・自然科学
XX年、待つのだぞ! 2013-12-03 | ワイン
'12年グローセゲヴェックセ? 2013-09-11 | 試飲百景
気に入るということは 2011-12-21 | 料理
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木曜日の案内の下準備

2014-03-07 | アウトドーア・環境
木曜日の案内に備えてボールダを下見に行った。暫く降っていないが、先週の月曜日よりも乾いてはいなかった。気温も標高450Mほどでは摂氏一桁でしかなかった。肌寒いというほどではないが、陽が陰るとあまり快適ではなかった。

走行時間17分ほどで若干時間が掛かった。先ずはミクロブローの「ロッホマスター」を試してみた。何回か試しても難しいので、左のカンテのピアッチャをやり遂げて ― 調べると座った形から始めなければいけないようだ ―、再び試した。何とか解決したが、息が上がる。ボルダーは無酸素運動になりやすいので、少しの運動でも疲れる。

その勢いで上部のホーヘプラッテを試したが、全く歯が立たなかった。帰宅して調べると、右の方が簡単に登れる筈だが、解決策がまだ見つかっていない。介助者が居たら何とかなるか。

久しぶりに右のディマウワーの「裸足トラヴァース」を試した。息が上がるが技術的には全く問題ない。その後、フェリックスブロックの摩擦登攀を試すが最初の一歩に「全く足が出ない」。

夕陽が落ちてきたので急いで車に戻る。そこからまだ未知の領域であるグレンツランドを視察に行く。車で一キロほど走ると目指す駐車場があった。そこから十分ほど歩かなければいけないのだが、ボールダ自体はそれ程の量感は無かった。岩自体は、固い感じで、異なっているので、それを登る価値はありそうだ。しかし陽射しの関係か冬は寒く苔が生えていて使えないが、夏涼しければ可能性はあるかもしれない。そしてその途中にもう一カ所あるようだが、情報が無いので探さなければいけないかもしれない。



参照:
アーモンド開花のお日和 2014-02-26 | アウトドーア・環境
身体の使い方や鍛え方 2014-02-22 | 雑感
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京大工学部留学の髭親仁

2014-03-06 | 生活
第37日目は前回に続きまた「農民」と登った。とても動機付けが出来ている様でこの春期待の遅咲き賞候補である。前回は三人であったので上手く休んだが、今回は二人だけで二時間半も登らされた。とんだビッグウォール訓練である。

彼の方も最後に結構難しいところを持ってくるのでそれを付き合うと良い練習になる。勿論その前は彼が伸びった後をとても難しい難易度5.11を二本登るのだが、一方のVII+は前回試した時よりも大分よくなった。ボールダーを繰り返していればさばける課題だと感じた。何よりも、ザイルを掛けるのがとても難しい。

前回に続き今回も顔見知りの男から声が掛かった。「彼はBASFの応用技術研究所の中をうろうろしていて出会った」とザンクトペータースブルク出身の女性から聞いて知っていた。可成り登るのだが、彼女に言わせると肉体労働風となっていたのだが、今回彼から話しはじめた。

元々日本の出身だと答えると、「京都に一年半ほどいた」と言うのである。その髭面で、「奨学金を貰って、キュウドィ留学していた」と語るのである。

なぜ九大か分からなかったので、「ああ、弓道か」、それなら「バード・デュルクハイムの名人アイヒャーを知っているでしょう、知っている筈だ?」と問い詰めると、「違う」と言うのだ。

京大に留学していたということらしい。なにせこちらはBASFの技術畑のテクニカ―だと刷り込まれているので、京大とは思わなかったのである。そこで、化学だとなるので、工学部だと分かった。エンジニア―のようだが、応用技術研究所には最近は行かないということだったので、プラント関連だろうか?どうも最初の印象からどうしても現場労働者にしてしまうのである。

彼は、そのもの室内で5.10を完全に熟しているのだが、確か外は登っていないということだったようだ。グリューンシュタットの方に住んでいた筈だ。



参照:
農民の粘り強さに脱帽 2014-02-28 | 生活
六級に誘うための疲れ方 2014-01-13 | 生活
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必要に迫られての改革

2014-03-05 | アウトドーア・環境
再生可能エネルギーへの徴収とそれによる振興政策は、殆ど技術的な革新に貢献していない。このような結果が国会諮問機関から出された。四月に改正、八月からの発効に向けたメルケル首相には耳障りな諮問結果となったとある。多くの金が徴収されていたが、その殆どは技術的革新ではなくて、市場強化へと使われていたということで、政策の表向きの潔さとその実際は大分違うということである。

なんといっても、ドイツ連邦共和国はゼロの日本とは異なって、多くの電気を原子力発電に頼っているぐらいであるから、まだまだである。経済的に無意味な助成は、EU内での助成への圧力以上に、経済への悪影響を与え続けることになる。産業技術の進展も必要に迫られてと言うことであろうから、先ずは原子力を停めてしまうことが効率的に違いない。

先日、アーモンドの開花を撮影に行ったときに、その背景に風力発電とフィリップスブルクの原発を見た。改めて自宅からの距離を測ってみると原子炉まで28KMもないことが分かった。要するに30KM圏内であるが、20KM圏内ではない。その同心円距離は重要ではないことは分かっているが、どのような風向きにしても、福一のあのような爆発を二回もこの距離で見たなら二度とこの土地に戻ることは無いに違いない。日本の場合は地形が複雑なために直線距離で見ていないと分からないが、30KMなどは手が届きそうな距離で一寸した風向きで全てが舞い落ちてくる距離なのである。特に地形が複雑であればより複雑な極地気象があって、その死の灰の舞い落ち方は全く計算できない。



参照:
原発の水蒸気塔の見える町 2011-04-09 | アウトドーア・環境
うちの原発と蕾の加齢 2012-03-17 | 雑感
我が市のエネルギーミックス 2013-02-17 | アウトドーア・環境
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ヘーゲル的理性の策略?

2014-03-04 | 文化一般
週末に急展開を見たウクライナ紛争の影響を観察する。東京市場を見ているとあまりはっきりした動きは確認できなかったが、週明け欧州市場でのエネルギー関連など、パイプライン関連も気になっているのだ。

軍事行動などの状況にプーティン大統領のとても思慮深い判断が滲み出ていて、西側もその対応に大変苦慮している様子が伺える。その対応を見込んでの判断だったのだろうが、一方でロシア専門家からのこの決断への批判は厳しい。

最悪のシナリオは、ウクライナの東西分裂だと言われているが、それはコソヴォのような状況を考えるからである。既に流された血の量からすると、ウクライナはこれで西側の国として立ち行くための十分な犠牲を払ったわけであり、ロシア風の古い社会には後戻り出来ないのは間違いない。

ウルリッヒ・ベックのインタヴューではないが、こうした時にこそEUの全市民は、彼に言わせるとへーゲル的理性の策略によって、この事象をみて、その意味を考えればよいのだろう。それは最終的には、我々の今日の価値観や引いてはライフスタイルそのものでもあるということではないだろうか。

ここ暫く、ロシアの音楽に触れることが多くなってきている。一つには二十世紀後半のソヴィエトリアリズムに漸く歴史的な視座が確立されてきていることが大きいのかもしれい。特に、プロコフィエフの交響曲などに特に六番などに、ややもすれば陰鬱なロシア音楽に「理性の策略」をみるとしても可笑しくないであろう。まさしくここではショスターコーヴィッチがやったような肩すかしの「ナンチャッテ」が無いのである。

今回、この交響曲全集にめぐり合わせた小澤征爾指揮のベルリンのフィルハーモニカ―の演奏と録音は、恐らくカラヤンのオーケストラの小澤征爾の音楽の頂点に値する記録に違いない。ボストンの交響楽団では決して再現されなかったであろう対立や止揚はまさにこの管弦楽団の重層的な深みあってこその再現であり、ピアノの音響などのそれが1920年代の西欧の音楽の流れを汲むものであることが明確に表されており、プロコフィエフの西欧的な主張が明白なのである。手元にも記録としてLPがあるが、初演者のムラヴィンスキーはこの楽譜の再現にあのような方法しかなかったことがかえって伺えるのである。余談であるが、対抗盤としてある頓珍漢のプーティン支持者のロシア人指揮者の演奏実践と、このような理性の策略とは一切関係が無いことは間違い無いのである。考えるだけで無駄なのだ。まさにそれが文化芸術なのである。



参照:
ホモのチャイコフスキーは? 2013-12-24 | 文化一般
ポピュリズムのサボータージュ 2014-03-02 | 歴史・時事
外国人記者クラブ登録法 2012-07-20 | マスメディア批評
「つくる」に近い「うむ」の具象 2010-01-18 | 歴史・時事
メッカでのオペラプリマ 2012-06-11 | アウトドーア・環境
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何事も初制覇の心意気

2014-03-03 | 生活
頂上まで走ってきた。前夜より意を決して、睡眠を十分にとって備えた。前回は一月七日のようなので二月近くも出来ていなかったことになる。理由は定かではないが、新しい靴で初めてのことのようである。

出だしはペースを落として走ったので、緑のベンチまで18分2700歩と、一月前よりも悪い。そこから林道の一つ目の合流点から二つ目の合流点までがきつかった。飛ばす余裕はなかった。頂上への分岐路で31分4600歩は予想通りであったが、頂上へは39分5730歩なので、12月初めのタイムと似ていて、総合的には悪くなかった。

走り出しは新しい靴の爪先の反発力が気持ちよくてジョギングテムポが掴みよかったのだが、その後もう一つ伸びなかったのは酸素が十分に足先まで回らなかったからであろうか。鼻などの調子は良いので、もう少し暖かくなって軽装になればタイムは伸びることであろう。

下りに頂上部の下の林道で小柄ながら抜群な走りで登ってくる親仁とすれ違った。そのまま林道を走って行ったので、周回コースを走っているのだろう。更に降りてくるとプラチナブロンドの親仁にすれ違ったが、なかなかしっかり走っていた。結局降りてくると67分10197歩であった。

週明けはお湿りがあるものの謝肉祭明けで、週末は可成り暖かくなる予想である。本格的に準備をしなければいけない。謝肉祭の季節がらか犬の散歩も含めて、かなり多くの人とすれ違った。八時半過ぎに家を出たので誰よりも先に山から下りてこられた。

先日購入したリヒャルト・ヴァークナーの四部作「ニーベルンゲン指輪」の全曲14枚組CDは予想以上に価値があった。何よりも第二夜「ジークフリート」はBMG版の安売りを所持していたのでその4枚が重なるので再購入を躊躇していたのだが、この新しいソニーのスーパービット版は音質も大分向上している。それによって、この録音が現在のリフェレンス版であることを認識した。

何よりも制作録音は、未だにカルショー制作ショルティ―指揮とカラヤン指揮の二種類しかないだろうから、唯一のデジタル録音であるこれの価値はそれだけで高い。今後ともこうした制作録音が完成するのは、東西の経済格差などが無くなった欧州では不可能であり、シナか南米ぐらいでしか難しいのではないだろうか。

そしてここで歌う歌唱陣も冷戦時のそれとしては十分に質が高く、ラインの娘のポップやジークリンデのジェシー・ノーマン、チェリル・シュテューダなどがチョイ役として入っていて、皆から残念がられる配役であるブリュンヒルデのアルトマイヤーもそのドイツ語の歌詞が明瞭なだけでも価値がある。香具師のテオ・アダムも後年の荒いヴィブラート歌唱ではなくて、制作録音ゆえか思いがけずに素晴らしい歌唱を披露している。ペーター・シュライヤー、ルネ・コロ、ニムスゲン、サルミネン、ジークフリート・イェルサレム、クルト・モル、イヴォンヌ・ミントンなど決して悪くはないのである。

そしてマレク・ヤノヴィツキー指揮のドレスデンの座付管弦楽団はこれ以上の実力を見せることが無いほどの演奏をしていて、二週間後に迫っているティーレマン指揮のシュターツカペレがこの充実ぶりを超えているかどうかとても懐疑的ですらある。なるほどヤノヴィツキーの演奏実践は、決してデモーニュシユな解釈ではないだけに、とても現代的でありながら決してショルティ―の殆どハリウッド的なこけおどしものになっていないのがとても良いのである。新たに出された版もヒットチャートに入っていることから徐々にこの制作録音の真価がドイツでも見直されてきているようである。四枚は重なっても〆て14CDで 27ユーロはずば抜けたCPである。



参照:
2007年に鼻を突っ込む 2014-01-07 | ワイン
春に向け足元を整える週末 2014-01-27 | 生活
火のあるところに煙立つ 2013-12-02 | 生活
消えた踵のエラ張り 2014-01-31 | 雑感
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ポピュリズムのサボータージュ

2014-03-02 | 歴史・時事
買い物かごに入れておいたCDが、二枚組10ユーロから28ユーロの通常価格に戻ってしまっている。買い損ねてしまった。購入意欲が一挙に失せてしまった。

一方その間探し続けていたクライミングの安全ベルトは何とか決まりそうである。上手く行けば、最初に注文したものよりも。41ユーロも安く更に良いものが獲得できるかもしれない。この差額でCDでも買おうとしたのである。

先日、カールスルーへの憲法裁判所で、EU議会の3%条項が違法と判断された ― 前回の国政選挙で得票率5%を獲得できなかった嘗ての連立政党自由党が現在連邦議会で議席を失っているのと同じ条項である。これによって五月の選挙では飛沫政党も議席獲得の可能性が出てきた。これに対して、選挙へのアピールを出した文化人を代表する社会学者ウルリッヒ・ベックがインタヴューに答えている。

この判断自体が最高判事のポピュリズムの一つであるかもしれないというのである。EU内のフランスやイタリアにおける条項との兼ね合いもあるようだが、極化する傾向があって、民主主義の強化のための制限を付けることで多数派形成が出来るようにするという考え方と、今回の少数意見を尊重することでの民主主義を実現すると言う考え方の両極であるというのだ。

つまり、EU議会には、嘗てのヴァイマール議会にみるような、議会の安定はそれほど重要視しないということで、カールツルーヘの判断はEUへの懐疑的な視線を示したということであるようだ。しかし、ベック、ハーバーマス、リリアン・テュルラム、アグネス・ヘラーそしてハンナ・シルグラーまでの文化人たちは、若者の失業問題などへの直接の政策なども含めて本気で投票すべきだと訴えている。

つまり、自らの命をまでを掛けて、EUへの希望を示すウクライナやトルコなどの外からの意味合いと、内側からのそれには大分温度差があるというのである。

今回の「制限条項は憲法違反である」とする判断は、当然のことながらEU反対派である極左などを含めた反グローバリズムの少数意見を議会に送り、代議士を送ることでサボータージュさせるというパラドックスに満ちたものになるというのだ。カメロン首相の主張する制限などとはまた異なる次元で議会制民主主義ということになるのだろう。



参照:
Höchstrichterlicher Populismus, Ulrich Beck, Thomas Thiel, FAZ vom 28.2.2014
日本のゴルバチョフへの条件 2011-06-28 | 文学・思想
脱原発は集団ヒステリーか? 2011-06-15 | 文学・思想
ハイエンドではない大根 2014-03-01 | 雑感
コメント (2)
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