デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



テナントを仕切っている柱

パサージュ・ヴェロ=ドダの店のファザードを描いた版画について。「外部の端正さと、ガス照明に用いられている球形のランプが生み出す一風変わったきらきらした効果というこの組み合わせは、あまり褒められたものではない。これらの球形ランプは、各ブティックを仕切る二本組み付け柱の柱頭の間に設置されて、それらの間には、反射鏡の装飾が付いているのである。」パリ国立図書館版画室    [A7,1]

ギャルリ・ヴェロ=ドダには『パサージュ論』に出てくる柱や柱頭そして反射鏡がそのまま残っている。ギャルリ・ヴィヴィエンヌやギャルリ・コルベールは改装・修復によって別の建造物となっているという見方があるが、そういった事例とは異なり、ギャルリ・ヴェロ=ドダは150年以上もの間、誰も改装しようとしなかったいわば化石、今となっては産業考古学の重要な遺産なのだ。ギャルリ・ヴェロ=ドダは1965年、パリ市歴史建造物のリストの追加目録に加えられた。


アパルトマンにいたる階段

いくつかの螺旋階段をパサージュで見ることができたが、パリのパサージュを扱ったさまざまな文献に出てくるものもあるので、たかが階段されど階段と思ってしまうのであった。もちろん、パリのパサージュの二階から上には現在も人が住んでいる。
人が今も住んでいるとはいえ、小説に出てくるモデルとなった家には観光客が訪れたりする。ロシアのサンクト・ペテルブルグはドストエフスキーの『罪と罰』の舞台でもあって、「ラスコーリニコフのアパート」や「金貸し老婆の家」は単なる家であるのに、その階段や部屋には特別な意味が付加してしまうものだ。


ここにも階段が



現代アートの歩廊のごとく



新しいモードと古いモードが同居?

モードとは、忘却のもたらす致命的な影響を集団的な規模で解消させる薬剤である。一つの時代の寿命が短ければ短いだけ、その時代はモード志向が強い。[K2a,3]参照。    [B9a,1]

パリのパサージュもモードそのものだった。だからこそ徹底的に忘却され、劇的な復活を遂げたのかもしれない。

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