今頃になってこの小説を読んだのは、『君の名は。』の影響ではない。いつものようにたまたまだ。新刊コーナーには、読む本がなくて、なんとなく手にしたのがこれだった。彼の映画に於いて映像の圧倒的な凄さの前で言葉はどうしても後景へと沈む。だが、果たしてそうなのか、と言われると、そんなわけはない、かも、とも思う。46分の中編映画『言の葉の庭』は彼のメジャーデビュー作だ。メジャーデビューが中編映 . . . 本文を読む
『戸惑えよ』。こういう命令形の言い方が、いい。そこには迷いがないからだ。でも、迷うことなく「戸惑え」とはなんだか矛盾してる。だが、そこにこそ、樋口さんのメッセージが込められてある。とてもわかりやすい芝居だ。言いたいことが明確にあるからである。だが、その表出方法に関してはいつものようにわかりづらい、かもしれない。明確なストーリーに沿って綴るわけではないからだ。と、ここまで書いてきて違うだろ、と気付く . . . 本文を読む