今年で35年目になる。高校の教員になってからだ。46年間の教育現場での奇跡を綴ったこの小説を読みながら、胸一杯になった。後、定年まで3年半。もう一度初心に戻って全力で挑まなくては、と想いを新たにした。そう強く思った。これは今の僕をそんな気持ちにさせる傑作なのだ。35年と46年というなんだか微妙な差も面白いと思う。僕はなんともう35年もこの仕事をしているのか、とこの小説を読んで改めてわかった次第だ。 . . . 本文を読む
宮崎駿引退後、さらにはスタジオジブリ自体の長編映画からの撤退の後、この作品がジブリ映画として公開される。オランダのアニメ作家とジブリが組んだ合作映画だが、81分の地味な作品だ。監督のマイケル・デュドクドゥ・ヴィットは短編での実績を認められてこれが初長編作品になるらしい。高畑勲のお墨付き。もうそれだけで地味な作品になることは必至だ。
登場人物は3人。無人島に漂流した男が、そこでひとりの . . . 本文を読む
今一番ヒットしている映画は『君の名は。』 公開から4週間で、すでに興行収入は100億を越えたらしい。その次は『怒り』のようだ。先週末TOHOシネマズ梅田で僕が勝手にリサーチした。(というか、映画を見に行った時の劇場の割り当てとチケットの売れ良き状況からそういう判断が可能なのだ。)
そして、その次に入っている映画は、たぶん、なんとこの『ウシジマくん』なのであろう。土曜の2時の回で見たの . . . 本文を読む
クリント・イーストウッドが『アメリカン・スナイパー』の後でこの映画に挑む。いつもながら、なんでもアリだ。こういう一見単純感動ストーリー。だが、そうじゃない。でも、最終的にはヒューマン・ストーリー。ゼメギスの『フライト』と似ているけどあそこまで屈折していない。もちろん彼(クリントね)は美談を見せたいのではない。人間の強さと弱さを見せつけることで、そこを乗り越えていくための戦いとその根底にある信念とを . . . 本文を読む
ふつうなら1冊目から読むはずだ。でも、たまたま手にしたのがこの2冊目で、1冊目が貸し出し中だったから、これを読むことにした。まるで読む本がなかったし、時間もないからこれで手を打ったのだが、なかなか楽しくて得した気分。マンガみたいな表紙はいささか恥ずかしいけど、宮木あや子は『帝国の女』を書いた人だし、このタイトルである、今回も絶対お仕事小説なので、安心か、と思った。
それにしても、前作 . . . 本文を読む
4編の短編連作なのだが、いずれもどうしようもないようなお話で、読み終えた後、重いものが残る。だが、それが嫌ではなく、そこにある真実が心地よいくらいだ。最近読んだ小説の中でも、ベストの1冊。4つのお話のバランスも見事だ。
最初の少し短めの『青鬼』が前菜で、この作品の方向性を示唆し、次の『カナリア』がいきなりのメインディッシュ。ラストでは愕然とする。そんな無残な死はない。その後、タイトル . . . 本文を読む
マイケル・ベイが製作を担当したシリーズ第2作。オリジナルのシリーズから、どーん!と進化して、リアルでド派手なアクション大作になった。お笑いメインでコミカルな作品から大躍進した。だが、いかんせんお話自体はとても緩いタッチなので、ある種のパターンからドカーンと突き抜けることはない。
まぁ、あまり肩肘張る映画ではない、ということなのだ。ファミリーピクチャーの域を出ないし . . . 本文を読む