人が生まれ、死ぬ。今まで、人生なんてものを振り返ることなんて、なかった。しかも、終わりというところから、見つめることはなかった。しかし、この芝居を見ながら、人生を死から見つめることが、なんとも自然なこととして、伝わってきた気がした。60年はひと回りで、ひとつの区切りだと、近頃とみに思う。キタモトさんもきっと60歳を目前にして、思うところがあったのではないか、なんて、そんなことを思う作品である。
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こういう難解で、観念的な芝居を作りたい、と思える若い人たちが今もちゃんといる。頭の中でこねくりまわして、その理屈にきちんと答えを出そうとする。もがいて、あがいて、ゴールにたどりつく。そんな姿を作品にする。
この世界がどうなっているのか。そこにある矛盾とどうむきあい、その先に確かな出口を見つけようとする。
この世界はいくつもの塵芥(それを「人間」と呼んでもいい。塵芥は人界)から出来ていて . . . 本文を読む
実に痛い芝居だ。13歳の頃、感じた想い。それが30歳に手が届く今、今もなお自分を支配している。友だちなんか一人もなくていい、なんて言えるのは友だちがちゃんといるから。彼女には誰もいなかった。いつもひとりぼっちだった。自分だけが特別で、みんなと自分は違うから。そんないいわけでごまかすしかなかった。モデルとして活躍していたから、という理由があるけど、でも、まだ子供で本当はみんなと一緒にいたかった。
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