久しぶりに見る林英世さんの一人語りは、松本清張のミステリー小説。これはとても難しい題材だ。しかも、ドラマチックにはならない展開である。男女の道行きを静かなタッチで描いて行く。もちろんミステリ仕立てなので、ラストのオチに至る部分はかなりドキドキするし、おもしろいのだが、そこに至るまでの何も起こらない部分がフラットになる。しかも、そここそがこの作品の見せ場だということなので、淡々としたここをドキドキさ . . . 本文を読む
2つのバージョンの見事な対比。全く違ったコンセプトでまとめあげられた同じ台本。2つの二人の世界がこの世界のすべてを普遍化する。まるで違う芝居にして見せ切った演出の笠井さんの力量にはいつもながら感服する。特に2つ目のリアリズム演出は、いつもの象徴的でスタイリッシュな笠井演出とは違い驚かされる。
いつもながらのスタイルによる1本目の作品のすぐ後だったので、始まった時には「大丈夫か、このパターンで . . . 本文を読む
こんなにも嫌な話(というか、つらい話なのだが)をアニメとして見せられて、途中何度も逃げ出したくなるけれど、実写ではないからなんとか耐えられる。小学5年生の教室で起こるいじめ。耳が聞こえない転校生に対しての悪意のないいたずら。それが徐々にエスカレートしていく。結果的にスケープゴートにされた少年。そして、5年後。世界に心を閉ざしたまま、5年前に拘り続け、罪を償うため自殺しようとする彼。そこから始まる償 . . . 本文を読む